Blue Rose
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第四十四話 あえて罠にその七
「もうあちらの警察には連絡してあるから」
「佐世保の方には」
「過激派とつながりのある連中って言ったらね」
「すぐにですか」
「動いてくれたから」
「過激派とつるんでるとなりますと」
「警察としても看過出来ないのよ」
マスコミは別として一般社会ではそうだ、テロを起こしてきた過去があり今も何かよからぬことを企む様な連中を警戒しない筈がない。
「この佐世保でも問題を起こしているし」
「抗議活動で、ですね」
「裏に冗談じゃ済まない国もあるしね」
「テロ支援国家ですね」
「いつも言われてるわね」
「はい、よく」
「そうした相手って言ったら本当にすぐだったわ」
副所長から見てもだ。
「もう先生達を陰ながら監視しているかもね」
「既にですね」
「ええ、真面目なお巡りさん達だしね」
「余計に好都合ですね」
「そう、一応釘も刺しておいたし」
それも忘れなかったというのだ。
「若し何かあればマスコミやネットに話すって」
「蓮見さんに何かあれば」
「そうよ、その時はね」
まさにというのだ。
「マスコミやネットに言うとね」
「動かない警察もいますからね」
「ストーカー事件とかでそうね」
「時々ありますね」
「そうしたことも頭に入れているから」
それでだ、副所長は警察に釘を刺しもしたというのだ。
「言っておいたのよ」
「そうでもしないと」
「安心出来ないのが残念ね」
「信用していないと言っている様なことをすることまですることも」
「それが残念よ」
実に、と言うのだった。
「けれどね」
「そうまでしないとですね」
「いけないと思ったから」
「念には念ですね」
「大丈夫だと思って何かあるよりも」
「打てる手は打つ」
「相手を信頼していないと思われても」
そうしたことをしてでもというのだ。
「何かあるよりはずっといいから」
「そこは徹底して、ですか」
「私もしたのよ」
「そうした覚悟も必要ですか」
「少なくとも私はその考えよ」
副所長個人はというのだ。
「何かが起きては元も子もないでしょ」
「それはその通りですね」
「だからそうしているのよ」
「今回のことも含めて」
「そういうことよ、手は全部打ったつもりよ」
これで、というのだ。
「では後はね」
「佐世保に行って」
「終わらせましょう」
「それじゃあ」
「あとね」
「あと?」
「二度とこんなことが起こらない様にしないとね」
副所長はこうしたことも言った。
「蓮見さんに」
「それもですか」
「やっておかないとね」
「といいますと」
「いえ、普通は個人の戸籍謄本まで調べないでしょ」
「調べているとすれば」
「どんな非合法行為使ったか知らないけれど」
まだ彼等のうちの誰も知らないことだ。
「蓮見さんの本籍地までね」
「普通はしないですからね」
「ええ、私もまさかと思っているけれど」
「そこまで悪質な犯罪者もいるってことはですね」
「覚えておいて」
そしてというのだ。
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