八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百二話 長崎に来てその一
第百二話 長崎に来て
九州の福岡県に入り福岡市を進んでいた、電車はそこからも西に進んでいく。
その西に行く電車の中でだ、僕はまた畑中さんに尋ねた。
「九州ですけれど」
「着きましたね」
「ここからですね」
「ハウステンボス駅まで行きます」
「そうですね」
「八条鉄道の駅もあります」
ハウステンボス駅は八条鉄道のものもあるのだ、僕達はそこに向かっているのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「そこに降りられてです」
そのハウステンボス駅にだ。
「まずはホテルに入りましょう」
「そうですね」
「あと少しです」
そのハウステンボス駅までというのだ。
「ここまで来れば」
「そうですね」
「私もです」
畑中さんも何処か上機嫌だった、それが言葉にも出ていた。
「楽しみです」
「そうですか」
「久し振りです」
「長崎に行かれるのは」
「そうなのです、好きな場所ですが」
それでもというのだ。
「機会がなく」
「ここ暫くは、ですね」
「来られなかったので」
「楽しみですか」
「長崎市も佐世保市も」
「ハウステンボスです」
「そうです」
あちらもというのだ。
「楽しみにしています」
「そうですか」
「あちらはです」
そのハウステンボスはというのだ。
「外国、オランダの街を再現していますが」
「オランダではないですね」
「ハウステンボスなのです」
オランダのその街ではなく、というのだ。
「まさにその場所なのです」
「完全にハウステンボスになっていますね」
「そうです」
「オランダではないですか」
「元はそうでしたが」
しかしというのだ。
「完成してみて、そして」
「人が来る様になるとですね」
「独自のものとなりました」
オランダの街ではなく、というのだ。
「ハウステンボスという」
「独自の街になりましたね」
「他にはこうした場所はありません」
「そうですね、日本にも他の国にも」
「特別な場所です」
ハウステンボスだけにあるものをその中に満たしている、というのだ。
「今もあって何よりです」
「経営危機だった時もありましたね」
「はい、あの時は心配しました」
果たしてハウステンボスが存続出来るかどうかというのだ。この言葉から畑中さんがどれだけハウステンボスが好きかわかった。
「心の底から」
「そうですね」
「はい、ですが何とか存続してです」
「今に至ってですね」
「よかったです」
心からの言葉だった。
「こうして今も行くことが出来ますから」
「そうですね、僕もハウステンボス好きですし」
「神戸は快適な街ですが」
それでもとだ、畑中さんはこうも言った。
ページ上へ戻る