ガンダムビルドファイターズボーイ
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第十五話 集結コンパチヒーロー
前回、何やら疲れた表情で帰ってきた翼達。
新之助に重大な事情を説明するべくプラモ狂四郎から連れ出すのであった。
第十五話 集結コンパチヒーロー
サエグサ模型店にて・・・
カレドブルッフという特殊なパーツを手にする為の大会が開かれ翼と香澄は見学にきていたのだが、ファイター達の熱に当たったのかフリースペースでバトルをしていた。
「よ!この!!」
「せや」
翼と香澄のタッグと戦っているのはかなりの使い手であるのか徐々に追い詰められていくが・・・
翼は持ち前の爆発力で追い上げ香澄は野性で戦う。
だが香澄はえげつない行為を行った。対戦相手がアシムレイトという能力を自慢してきた為腹を立てた香澄は・・・
「キンテキ!!!」
といってガンプラの某偉大なる部分に向かって熱烈なアッパーを突き刺し木っ端微塵にした。
ファイターが泡吹いてぶっ倒れたのは言うまでもない。
「・・・自分の能力を自慢するなら金属加工を施すなりちゃんと対策しておくことね」
等と言っていると・・・
「休憩は終わりだ」
「「は~い」」
ランに呼ばれた翼と香澄はカフェスペースに戻り畢の手伝いに戻った。実は会場を訪れた人たちの昼食を頼まれた畢はランを散々こき使ったのだが手が足りず偶然来ていた翼と香澄を巻き込み配膳や注文を取っていたのだ。
「ええっと!熱々のハムステーキ!トロトロチーズ!具だくさんスープに・・・・特製ハンバーガーだって!」
「あいよ~」
翼から注文を聞いた畢はランにスープをかき混ぜさせた。
「優しくだぞ・・・やさぁしく・・・」
「はぁ・・・お前の彼氏になる奴は幸せ者だねぇ~こんな愛情たっぷりのご飯が食べられるだもん」
先程から散々こき使われているランは正直ウンザリしている。
すると
「あとで思う存分ご馳走してやるから付き合えなのだ」
「へいへい」
等とやっている横では・・・
「こ・・・これって」
参加者の秋月タカヤが烈斗を手に驚いていた。
「この雰囲気・・・まるで生きているみたいだ」
(言えない・・・本物の武者頑駄無が入ってるって)
翼の不安をよそにタカヤは完成度は勿論の事独特のオーラのような物に引き込まれていった。そして烈斗は・・・
(動かない・・・動かない・・・俺は普通のガンプラ俺は普通のガンプラ)
汗を流しながら必死にタカヤの視線に耐えていた。流石に正真正銘命が宿ったガンプラである烈斗にとって、ただのガンプラのフリはしんどい様だ。
「ちょっと外させてもらおう」
といってタカヤが烈斗の首パーツを外そうとすると・・・
『やめんかい!!』
流石に首外されるのは嫌だったのか喋ってしまった烈斗に目を丸くするタカヤ。
「ガンプラが・・・喋った!!?」
烈斗達に対するお決まりのリアクションを見せるタカヤ。するとタカヤの友人中島ノーヴェがタカヤを探しに来たのだ。
すると翼がノーヴェの顔をマジマジと見た。
「な・・・なに?」
「あれ?ノーヴェさん・・・どこかで見たような」
ノーヴェの顔に思い当たることがあるのか考えていると・・・
「翼~ジュース持って来たぞ~」
畢が翼達にジュースを持って来たと同時にノーヴェが・・・
「ん?あんた・・・その顔途轍もなく見たことがある気が「・・・気のせいだ」!?」
畢の剣幕に押されたノーヴェ・・・すると畢は翼を回収し撤退した。
しばらく考えているノーヴェ・・・すると入れ替わりにノーヴェの姉である中島スバルの姿が・・・
「あれ?ノーヴェどうしたの?」
「・・・・・・」
スバルの顔をじっと見るノーヴェこの顔をロン毛にし眠そうな顔にしてみると・・・
「・・・気のせいだ」
といってジュースを飲むノーヴェだった。
厨房に戻った畢にランが・・・
「・・・お前・・・素性は話さないの?」
「正体知ったら気にするだろうなと思う単語が着くから言わないでおく」
「・・・言えてる」
そう言う畢とランは料理に戻った。
一方翼達は再び休憩に入りサエグサ模型店の工作室に入った。その理由は・・・
「烈斗達を治さないとな」
「私もお世話になっているし」
技術力は平凡な翼とはっきり言って技術力皆無の香澄だが烈斗を調整に入ろうとしたのだが烈斗と天津の身体を見て驚いていた・・・何故なら・・・
「傷ないじゃん」
さっき散々動いていたので疲労しているであろうと思った翼達は烈斗達に細かい傷がついていない事に驚いていた。
何故なら・・・
『ああ・・・俺達怪我程度で済むレベルなら自己再生できるぞ』
『本物の武者頑駄無のパワーが宿ってるからね~その特権特権』
どうもガンダムボーイのガンプラは便利な能力を持っているらしい。
すると何やら熱中しているタカヤの姿があった。自身の愛機であるアストレイブレイド盾無・改の調整をしているようだ。
「・・・うわすげえ・・・」
タカヤのブレイドの出来栄えに驚く翼、重量のある武器であるが滑らかな関節・・・両腕一体化型の特殊な剣・・・その癖の強そうな戦法をどうするか考えただけでもワクワクする翼。
烈斗も・・・
『凄いな』
同じガンプラ同士で通じるものがあるのかブレイドの目を見る烈斗。その眼の奥からギラギラと燃え上がる魂を感じ取る。
(凄い目だ・・・並大抵じゃねえ・・・魂が込められている・・・こいつにもし意志が有るなら勝負してみてえ)
ブレイドから湧き上がる魂との勝負を夢に見ているとタカヤが気付いた。
「あれ?翼君?・・・それに烈斗さん」
「ども!」
『うっす♪』
翼とタカヤがガンプラの話題で盛り上がったのをやれやれといった表情で見守る香澄。
その時
「なに!?」
『一体?』
香澄と天津がただならぬ気配を感じ取り振り返るとタカヤの今回のパートナーであるミカヤの姿が・・・だが何か嫌な雰囲気を漂わせている。
「ミカヤ先輩!ちょうど良かった!実は・・・」
翼と烈斗をミカヤに紹介しようとするタカヤ。
だが!
何かの力を使ったミカヤがタカヤの意識を奪ったのだ。何事かと思う翼と香澄。するとミカヤが手を振り下ろすと凄まじい衝撃波を放った。
「げ!」
「危ない!」
突然の事に硬直する翼を香澄が体当たりで回避させると同時に手裏剣を構えるがミカヤがタカヤを抱き上げるとそのまま飛び去ってしまったのだ。
ボロボロになった工作室に残された翼と香澄は・・・
「人間が飛んだ!?」
「ちょっと追うよ!多分あいつに対抗できるの私達しかいない!!」
そう言って大慌てでサエグサ模型店を飛び出しミカヤの後を追いかける翼と香澄。
するとそれを見ていた淡く光る眼が・・・
「ラン・・・行くぞ」
「え?どうした?」
「・・・本業だ」
厨房の奥に引っ込む畢は今着ている調理服を脱ぎ捨てジーンズ・ランニングシャツ・黒のジャケット・スニーカー・ドライビンググローブを装着した。
そして
「アルト・・・あとは任せた」
「え!?」
後の事をバトルフィールドを整備していたアルトに任せ畢とランはバイクに馬上がり翼達の後を追いかけた。
一方死ぬ思いでミカヤを追いかけている翼と香澄だが・・・いい加減にウザくなったのかミカヤは念動力で翼と香澄を持ち上げると遥か彼方へと投げ飛ばした。
その先は港だ。
「ぎゃあああああああ!!!」
空中に投げ飛ばされた翼は地面に叩き付けられる瞬間。
「せいや!」
香澄が翼を掴み更に懐から鉤縄取り出し近くの港の建物に引っ掛けたことにより速度が緩み地面の衝突が免れた。
「よく耐えられたね・・・」
「修行してるので♪」
飄々と答える香澄。
するとミカヤがタカヤを連れて二人の前に舞い降りた。
「ほぉ・・・生意気な・・・あのまま死んでいれば楽だったものを」
「あんた・・・ミカヤさんじゃないな!!変な人に見えたけどここまで変な人じゃない」
「失礼だね君は・・・だがさよなら」
何とミカヤは銃を召喚し翼に向かって放った。
放たれた弾丸は正確に翼の額に突き刺さる・・・寸前で止まっていた。
何故なら
「セー・・・・・フ!!」
香澄が掴み取っていたからだ。
「怖・・・かっ・・・たぁぁぁぁっ・・・・いつもは矢だから弾丸は初めてだし」
「・・・矢掴んでるの?」
「見切りの修行で・・・ていうか・・・銃を使うなんてミカヤさんじゃないね・・・ミカヤさん剣だし」
飄々と答える香澄に唖然といると・・・
「・・・ほおお随分と味な真似をしてくれるな・・・」
そう言って手に手裏剣を持っていたミカヤ。どうも弾丸を掴んだと同時に手裏剣を投げ返していた香澄。
するとミカヤは銃を捨てると刀を召喚し香澄に斬りかかった。香澄は一寸ほど距離の見切りで回避すると背中の仕込み槍を組み上げようとするがミカヤの一閃で破壊されてしまった。
「作るの大変なのに!!だったら!私の本気武器!!」
ポケットから取り出したのはサイという武器だ。ミカヤの一閃を受け止めそのままもう一個サイを取り出し攻めた。だがミカヤは構え直し薙ぎ払うが香澄はジャンプで回避しそしてミカヤの構えたままの刀に舞い降りた。
「下等動物が・・・」
「・・・そんな事言うなら・・・あまりやりたくないけど本気出そうかな・・・獅童流忍術奥義」
どうもまだ本気じゃないらしい香澄はミカヤの刀から跳び・・・己の五感を刃の様に研ぎ澄ませた。ミカヤの斬撃を掻い潜りサイを使って無数の突きを浴びせるがミカヤも刀で丁寧に受け止めるが、すぐに回し蹴りを入れられて付き離されてしまい距離を開くが・・・集中力が切れてしまい空中後転して翼のもとに舞い降りる。
「お前・・・絶対超人だろ」
「はぁ・・・はぁ・・・そんな事より・・・人間が乗っても刀を水平に維持してた・・・人間じゃない・・・闇軍団!!」
「違うな・・・は!」
ミカヤ不適な笑みを浮かべると背中から天使の羽のような物を広げた。
その姿は高貴さを漂わせるが同時に不気味さを見せた。
そして凄まじい衝撃波を放った。
翼と香澄に襲い掛かる瞬間凄まじい爆音が響き渡り翼と香澄は身体を持ち上げられ危機回避したのだ。
そこには・・・
「畢姉!」
「ランさん!?」
バイクで駆けつけた畢とランの姿が・・・無事を確かめたのかランが叫んだ。
「てめえ・・・イーハトン星人!!」
「ほぉ・・・お前ウルトラ戦士か・・・なら早く済ませよう・・・私達二人の世界を作る為に・・・さっさと逃げるがいい・・・3秒やる」
ニヤけるミカヤは気絶しているタカヤを抱き上げその唇を奪おうとした瞬間・・・畢がミカヤの頭を掴みそれを阻止した。
「・・・貴様」
「・・・2秒やるからその汚い唇をどけろ」
ミカヤの一閃が畢の腹を斬った。崩れ落ちる畢に翼が叫んだ。
「てめえ!よくも!よくも!!畢姉を殺したなあああ!!」
「・・・心配するな・・・すぐに後を追わせてやる下等種族が・・・」
ミカヤが標的を翼に変える瞬間、何と畢が立ち上がりミカヤの顔面をぶん殴ったのだ。
「・・・大丈夫だ翼・・・私は頑丈だ」
「え?」
仰天する翼。だがもっと仰天している事が・・・
「畢姉の言葉づかいが変になった!!」
明らかにいつもと違う畢の言葉づかい・・・するとランが捕捉を加えた。
「あれはね・・・あいつが本気モードになった証拠だ」
ミカヤの一閃を畢は柄の部分を受け止め回避するとそのまま蹴り放し、翼達の元へ舞い戻る。
「畢姉・・・大丈夫なの・・・」
「心配するな・・・何故なら・・・私は改造人間だからな!・・・!!」
畢が両拳を捻り込むように構えると己の細胞を変化させるべく精神を統一し力を引き出す構えをとった。
「・・・・・・・・変・・・身!!!」
凄まじい光と共に畢の腰にベルトが形成されバッタ人間になったと同時に覚醒した。
深紅の身体・・・胸に独特のエンブレムが形成され身体中から凄まじい熱気が放出される。
「・・・畢・・姉・・・」
いや
「仮面ライダー・・・アース!!」
その姿を見た香澄は・・・
「あの時の怪人バッタ女さん!畢姉だったの!」
「正体丸わかりだったくせに・・・」
すると今度はランが・・・
「イーハトン星人・・・てめえ何しにきやがった!」
「ほぉ・・・ウルトラ族・・・私を追ってきたのか?」
「・・・別に・・・たまたま居合わせただけだ・・・こいつに連れて来られてな」
「ふふふ・・・私もたまたま通りかかってね・・・この少年の心を見てね・・・そして奥に眠っていた深い闇もハァハァハァ・・・ゾクゾクスル!!貴様らを滅ぼし私たち二人の世界を創るぅぅぅぅぅ!!!」
完全に危ない思考に走り始めたミカヤ・・・いや姿を変化させたイーハトン星人にランは・・・
「危ない奴だな!!」
左腕を伸ばし装着されていたリングからゴーグルが現れるとそれを装着した。
「デュワ!!」
凄まじい光と共にランの身体が輝き蒼き体に変化し二つのブーメランが舞い頭部に装着された。
「ウルトラマンゼロ!!」
二人の超人を目にした翼と香澄は頷き烈斗と天津を構えた。
「「結界変幻!!!」」
結界コントローラー起動させると畢たちに並び立った。
「おっしゃ!これで揃った・・・先手必勝!光線系の技用意!!」
「「「おう!!」」」
翼・香澄・ゼロが技の体制に入った。
「あの####女に滅ぼそうとする星間違えたこと教えてやるのだ!!」
「もうちょっと綺麗に言えないの?」
「・・・最近の女は口汚いぞ」
「大和撫子の精神はどこ行っちゃったんだ・・・ロケットにでも乗って宇宙に行っちゃったのか」
等とゼロが嘆いていると・・・
「二人とも話が先に進まないからさっさとやろうよ・・・」
翼の号令と共に
「ワイドゼロショット!!」
「アースフラッシュ!!」
「「斬!!」」
四人の飛び道具がイーハトン星人に放たれるがいとも簡単に弾き飛ばされてしまった。するとイーハトン星人が3体のガンダムを生み出した。その姿はタカヤの愛機のブレイドにどこか似ているが顔が全く違った。
デスアーミーのような不気味な姿をしていたのだ。
通常タイプ
忍者タイプ
大剣タイプだった。
「少年の改造案だ。これでしばらく遊んでいろ・・・私は・・・」
イーハトン星人が真っ先に目を付けたのは畢だった。翼達が援護に入ろうとするが、デスブレイドに阻まれてしまう。
1対1で対峙する畢とイーハトン星人。
「・・・改造人間は血を流すのかな」
「・・・やってみろよ」
タカヤやミカヤの記憶から読み取った刀を構えるイーハトン星人は畢に斬りかかると、畢の鉄拳と交差し凄まじい衝撃が起きる。
「私は少年が思い描く理想の姿になることができる・・・貴様のような変哲のないつまらない女・・・少年には相応しくないのだよ!!」
「その勘違いは置いておいてやるとして・・・女の魅力は性欲だけじゃないぞ・・・てっとり早く安上がりなやりかたで落せるほどタカヤちゃんはちょろい男じゃない・・・おっぱいは出し続けるとセクシーじゃなくなる・・・もっと勉強しな・・・狭い女め」
イーハトン星人の攻撃を掻い潜りながら畢のコンビネーションブローが炸裂するが畢の追撃の拳を柄で突き返し離すとそのまま畢に袈裟切りを浴びせた。そのまま畢を踏みつけるが足を持たれてしまい力任せに投げ飛ばされた。
畢とイーハトン星人が組み合うが畢のベルトが輝きイーハトン星人を力でねじ伏せた。
「凄い力だな・・・男を抱くことは出来ない程な」
「骨の無い男はこっちから願い下げだ・・・それに私は安くないぞ」
女の醜い争いが繰り広げられている。
一方
「デアッ!!」
ゼロの拳とデスブレイドの一撃が交差すると距離を置いた。デスブレイドは両腕からビームの刃を形成しゼロに構えた。
「へ!!中々鋭そうじゃねえか!けどな!斬れ味だったら負けてねえ!!」
両手にゼロスラッガーを構えデスブレイドに跳びかかりスピーディな斬撃戦が繰り広げられる。
デスブレイドの斬撃を受け止めるゼロが左右のコンビネーションで攻める、スピードと柔軟性に着いていけずデスブレイドは捌き切れず突き離されてしまう。デスブレイドの両腕がわずかに震えた事をゼロは見逃さない。
「ビビッてんのか!タカヤだったらもっと素直で鋭いぜ!!」
その挑発に怒りを露わにしたデスブレイドはゼロに斬りかかるがゼロはゼロスラッガーを合わせすり抜け様に一刀両断した。
火花と共に爆発するデスブレイド。
そして
「せいや!!」
香澄と忍者タイプのデスブレイド・デスシャドーとの戦いが繰り広げられていた。天来変幻している天津にデスシャドーは縦横無尽に手裏剣を放って来るが、香澄は持ち前の動体視力と反射神経を駆使し1枚ずつ丁寧に手裏剣を叩き落とした。
「なんかな・・・形だけでもう一味ほしいかも・・・」
忍者的な能力を持っているデスシャドーだが幼い頃から徹底的に忍術の修行してきた香澄からすれば形だけで中身に欠けるようだ。
デスシャドーは刀を構え明見に振り下ろすが香澄は相手の攻撃の流れに乗りそのまま返す奥義・流水剣を繰り出しデスシャドーを両断した。
消え去るデスシャドーに物足りなさを感じる香澄。
さらに・・・
「であああああああああああ!!」
天来変幻している翼の菊一文字とデスブレイド・・・デスソードの剣が交差する・・・だが翼は早々に感じている事が・・・
「・・・軽い」
何故かデスソードの剣に何も感じなかったのだ。そしてそのままデスソードの剣ごと真っ二つにしてしまった。
「何故だ・・・少年のイメージから生み出したガンダムが・・・」
その言葉にデスブレイドと戦ったメンバーは同じ事を言った。
「「「タカヤ((さん))が使えば強い」」」
そういくら性能をイメージ通りに再現しても、所詮無機質な者は性能までの事しか出来ない・・・人間が使うから状況判断・・・性能の限界突破が出来るわけである。
「対戦は人間のインスピレーションがあるから張り合いがあるし面白い・・・やる事が制限されたCOMしか生み出せないつまらない星人が」
「キサマああああアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
畢の嫌味に激情したイーハトン星人の強力な衝撃波が翼達に襲い掛かりまともに食らってしまう翼・・・そそして香澄共々同じことを思った。
((新之助が居ればなぁぁ・・・))
新之助の存在だった。新之助が居れば相手の攻撃を潰す事など訳が無い上に起死回生の手段を思いついてくれる。普段防御関係や戦術を新之助に丸投げしている事を痛感する翼と香澄。
だが泣き言は言ってられない。
畢が立ち上がり全員に号令を出した。
「手が付けられないなら・・・早期決着するべし!!」
「「「どうするの?」」」
「昭和ヒーローの作戦で行く・・・単純明快・・・小細工なし正面突破・・・あとは根性!!」
「そういう事なら!!」
ゼロの左腕のリングが輝きウルティメイトゼロとなり身体の鎧が分離し巨大な弓のような形態になった。
それを見て畢もベルトを輝かせ全エネルギーを収束させ身体から火柱を放つと右拳に超新星のような輝きが生まれる。
翼と烈斗が己の魂を爆発させ日輪を描くように構え・・・
香澄は拳に獅子のエネルギーを収束させた。
『キイイイイイイイイイイアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』
怒り狂い巨大なエネルギー砲を放ったイーハトン星人に正面から・・・
「ファイナルウルティメイトゼロ!!」
ゼロから放たれた技はエネルギー砲を打ち破るが星人の念動力で寸前で止められてしまう・・・だが
「一打必倒!ゴッドハンド!!!」
超新星のような畢の鉄拳が止められているファイナルウルティメイトゼロを後押しし強引にぶち込んだと同時に星人を吹っ飛ばした。
体制を崩されてしまった星人に・・・
「烈火!鳳凰斬!!」
「獅子!咆哮ぅぅぅ螺旋!!!」
鳳凰と獅子の一撃がイーハトン星人を飲み込んだ。
全員の必殺技をまともに受け続けた星人はエネルギー膨張するが・・・
「まだああああああああああああああああああ!!」
苦し紛れに翼に襲い掛かった。
だが
「負けるかあああああああああ!!」
翼も自身の魂を燃やし星人に立ち向かった瞬間。
「・・・キングストーン!?」
畢のベルトが輝き
「イージスが!?」
セロのウルティメイトイージスが輝き
翼と烈斗に光りを放った。
「「うおおおおおおお!!」」
光りを受けた翼の背後に鳳凰を背負った偉大なる武者の姿が浮かび上がると同時に烈斗の一閃が星人を飲み込んだ。
「そんな!私と少年ノオオオオオオセカイイイイイイイイイイイ!!」
「・・・そうやってほざいてろ!!」
畢の皮肉と共に消滅するイーハトン星人・・・そして残されるタカヤの姿が・・・
全員で駆け寄ると無事を確かめると怪我はなかった。
幸いにもずっと意識を失っていたせいか状況を把握していない。
更に・・・
「ガジガジガジ・・・鮮度は問題ないのだ」
「て!鮮度って食材じゃないんだから!」
畢のお決まりの問題行動・・・すると何を思ったのかゼロの顔面をタカヤの顔面に押し付けようとする畢。
「ちょっと待て!どういうつもりだ!!」
「・・・いや・・・怖い思いしたしこの状況はややこしいからこの部分の記憶を消してやれウルトラマンはそう言う超能力あるだろ・・・大丈夫だタカヤちゃんは歯磨いてる・・・多分」
「俺にそんな超能力はない!!ていうか人権無視だあああ!!」
やり方に問題があるのか凄まじく嫌がっているゼロ。
その時
「・・・へ?」
タカヤが目を覚ましたのだ。
目の前の状況に困惑している・・・ガンダムが・・・仮面ライダーが・・・ウルトラマンが・・・実際に目の前に立っているからだ。
すると
「「「「夢だ!」」」」
全員の剣幕に押されてしまい夢だと思ったタカヤは再び気絶するのだった。
そして
「モト!ブライ!」
畢の叫びに答え駆け付けるバイク・モトホッパーと車・ブライドロン。変身を解いた翼達はそれぞれのマシンに乗り込み猛スピードでサエグサ模型店に帰るのであった。
そして工作室でタカヤを寝かせると全員で誤魔化すべく口裏を合わせた。破壊されている工作室を修繕し何事も無かったかのような状況を作り出した。
「う・・・うん」
寝ぼけ眼のタカヤが起きると近くに居た翼・香澄・畢・ラン。
「・・・どうしたんですか?皆さん・・・おそろいで」
取りあえずタカヤが何も覚えていなかったようで一安心する一同・・・だが
「やぁ少年待たせたな」
「「「「!!!」」」」
突然入ってきたのはミカヤだった・・・さっきまでミカヤに化けていたイーハトン星人と戦っていたせいか思わず身構えてしまう一同。
するとタカヤが・・・
「ミカヤ先輩・・・変な夢を見たんですけど・・・ガンダムと仮面ライダーとウルトラマンが居てミカヤ先輩と戦って・・・ミカヤ先輩も僕が思い描いた姿になるとかなんとか・・・妙に現実的なんですけど」
「「「「ドキン!!」」」」
何やら思うことがあったのかタカヤが夢と称する事を聞いた一同が焦ったその時・・・
「・・・何だ少年そんな事か・・・君が望むなら私思い通りの姿になってあげるぞ・・・そしてそこではあっははあははああ・・・あ!いかんいかん・・・それにたとえ相手が何であろうが・・・」
((((奇跡が起きた!))))
宇宙人まんまのミカヤの危ない思考にばれていない意見が一致する一同。
それを見たタカヤは・・・
「夢ですね・・・あれ」
そう言って納得するのであった。
すると工作室に入ってきたノーヴェとレヴィ・・・
「タカヤ!遅いぞ!て!タカヤ!?」
「あ!タカタカ!!ミカヤンずるい!!」
「・・・ふ・・・負けないよ」
女性三人とタカヤが居たのを見てしまったせいか積極的なアプローチをするレヴィとミカヤ。するとノーヴェがそれに加わろうとすると畢が止めた。
「じゃ・・邪魔すんなこのままじゃ・・・」
ノーヴェの様子を見た畢は何かを悟ったような顔になり言った。
「・・・ノーヴェ姉・・・一番相手を逃す奴の事言おうか?」
「な!何だよ!?」
「・・・焦る奴なのだ」
その言葉にグサリと来たノーヴェに更に・・・
「あんね・・・色仕掛けで嫌がってるのに同じ色仕掛けでせめてどうすんのだ・・・むしろ遠のくのだ・・・」
「じゃ!どうすれば!」
「・・・まともな人間で大きく構えていろ・・・」
そう言って工作室からでてしまう畢。
それを追い掛けるランは・・・
「恋愛指南?お前がね~?」
「嫌味ったらしい・・・何なら因縁の決着着けてやろうか?」
そう言って厨房に帰る畢とラン。
そして
「「お幸せに~」」
そう言って撤収する翼と香澄だった。
その後何やかんやで帰ってきた一同は場所をキャピトラに移し事情説明が終わった。
「・・・そういえば最近闇軍団の襲撃が無かったのって・・・」
「ああ・・・私達が退治していたからな」
暗黒SD連合との戦いに集中させようと闇軍団は畢とラン。
「闇軍団はしばらく任せておけ・・・お前達はガンキラー対策・・・そして再開されるであろう大会なのだ!」
「畢姉・・・よし!俺達はステップアップだ!!」
そう言ってステップアップを宣言するのだった。
だが翼達は気付く由もなかった・・・暗黒SD連合が闇軍団に接触していたことに・・・
後書き
翼
「ステップアップって言っても何やればいいんだ?」
烈斗
『て!暗黒SD連合の奴ら・・・バトルしてる最中に変な奴が乱入してきた』
翼
「え?覆面トレーナーTって誰だ!?俺を鍛え直すって!!」
次回!謎の覆面トレーナーT
翼
「この覆面トレーナーTどっかであったことがあるような」
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