レインボークラウン
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第四百十話
第四百十話 牛乳のせいか
美樹の背は魔女達の中では一番高い、そして足も長い。体育の時にもクラスメイトは白い体操着と緑の膝までの半ズボン姿の美樹を見て言うのだった。
「美樹ちゃんスタイルいいわね」
「何時見てもね」
「背は高いし足も長くて」
「胸も最近大きくなってきた?」
「そうじゃないの?」
「胸は変わらないと思うけれど」
美樹は言われて自分の胸を見て言った。
「前と」
「いや、大きくなってるから」
「最近ね」
「私達もそんな歳だし」
「そういうところもね」
第二次成長期だからというのだ。
「少しずつだけれど大きくなってくるわよ」
「個人差があっても」
「だから美樹ちゃんもね」
「自分では気付いていないみたいだけれど」
それでもというのだ。
「大きくなってきてるから」
「多分かなり大きくなるわよ」
「それこそグラビアアイドルみたいになるわ」
「私達が保証するわ」
「そうなるのも」
見事なスタイルになるのもというのだ。
「やっぱり牛乳?」
「いつも牛乳飲んでるせい?」
「背が高くなって足も長くなる」
「そして胸も大きくなるのね」
「確かに牛乳は好きだけれど」
美樹本人は困った顔で応えた。
「そこまで万能じゃないんじゃ」
「いや、よく言われてるしね」
「牛乳飲んだら背が高くなるって」
「それも胸もね」
「よく言うから」
「本当にそんなに大きくなってないわよ」
美樹は困った顔になってまた自分の胸を見た、そのうえでクラスメイト達にあらためて言った。
「やっぱり」
「そういうのは自分ではわからないから」
「私達から見れば大きいの」
「そうなの」
クラスメイト達の口調はやや意固地なものだった。
「美樹ちゃん本当にスタイルいいから」
「だから私達も牛乳飲むわ」
「そして今以上にね」
「背高くなるから」
「胸だってよ」
「だからそれは別に」
美樹は牛乳とは関係がないと言う、しかし誰もそれを聞かずにクラスでは牛乳の話ばかりになっていった。
第四百十話 完
2017・1・5
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