オズのアン王女
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第三幕その九
「やっぱり林檎があるとね」
「王女は林檎がお好きですね」
「ええ、大好きよ」
実際にというのです。
「だからね」
「このことはですか」
「有り難いわ」
とても、というのです。
「私としてはね」
「林檎ジュースもあります」
こう言って出してくれたのはやっぱり黄色いジュースでした。
「お飲み下さい」
「私の林檎好きも有名なのね」
「はい、このことも」
「そうだったのね」
「毎食林檎を召し上がられていることは」
まさにというのです。
「有名ですから」
「そうなのね、けれどね」
「それでもですか」
「他のものも好きだから」
林檎以外もというのです。
「楽しみよ」
「では」
「うん、それじゃあ」
こうしたことをお話してです、アンは黄色いウィンキーのお料理を楽しみました。そして満足して村を後にすることになりますが。
村長さんは村を出るアンとチクタクに言いました。
「今から草を刈りまして」
「そしてよね」
「もう肥料は畑にだけ撒きます」
「そうしてね」
「さもないとですね」
「またこうしたことになるから」
草が育って仕方なくなるというのです。
「だから気をつけてね」
「そうさせてもらいます」
村長さんも頷いてでした、そのうえで。
アンとチクタクは村を後にして道を進みます、ですが。
途中に山道があってそこを進んでチクタクは言いました。
「困りますーーね」
「こうした道は苦手なの?」
「はい」
そうだと答えるチクタクでした。
「どうにも」
「そういえば貴方は」
アンはここでチクタクを見て言いました。
「足がね」
「細いーーですね」
「しかも胴体が大きいから」
「こうした道はーーです」
不安定な山道はというのです。
「苦手ーーです」
「こけそう?」
「心配ーーです」
こけるかどうか、というのです。
「どうーーにも」
「実際になのね」
「そうーーです。ですから」
そのせいでというのです。
「気をつけてーー歩いてーーいます」
「それがいいわね」
「それとーーです」
さらに言うチクタクでした。
「普段以上にーーです」
「エネルギー使ってるの?」
「気をつけてーー歩く分」
それだけというのです。
「頭もーー身体も」
「じゃあその分ネジも巻かないといけないわね」
「その通りーーです」
「何かと大変ね、貴方も」
「こうしたーー場所は」
山道はというのです。
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