Fate プリズマクロエ お兄ちゃん強奪計画
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聖杯の中身2個分ぶち撒けたクロエ
クロエとアンジェリカが美遊にドロップキックを食らって締め上げられている間、凛は士郎に相談を持ち掛けていた。
「あの、衛宮君、クロエに聞いたんだけど、私とルヴィアはこの世界に残って、誰か有名な魔術師の弟子にして貰って、ここで教育を受けるほうが良いそうなのよ。それでこの世界の魔道協会に連絡する方法を知ってたら教えて欲しいの」
クロエの術中に嵌って、この世界に残って英雄として、良い条件での教育を受けられるよう取り計らってもらえるか確認しようと思っていた。
「ああ、それならラーメン屋の叔父さんが協会の関係者だよ、聖杯戦争の時にも世話になったし、名前は言峰、何だっけ?」
「ゲッ」
凜は言峰綺礼の名前を聞いて顔を顰め。自分の後見人であり、亡き父の弟子、どうしても性に合わない相手がこの世界にもいると聞いて、話すのが嫌で誰かに頼もうかと思っていると、クロエの別の被害者が申し出た。
「あら、わたくしも聞こうと思っていた所ですのよ、あの方が牧師だとは以外でしたわ、オホホホホ」
凜もこのBBAなら臆面もなく「七英雄の師匠として名前を刻むのを許可する」と本当に言いそうで笑えたが、利用できそうなので使ってやることにした。
「それでね、もしこの世界で留学できるのが決まったらね、家族を呼びたいの。病気の母と妹なんだけど……」
珍しく気弱で、言いたくなさそうにしている凜を見て、今まで妹まで世話になった分、お返しがしたくて快諾する士郎。
「ああ、ここに住んで預かっても良いし、イギリス留学で一緒に住みたいなら力を貸すよ(経済的に)」
「でもね、妹の方は別の家に養子に行ってるの、何か契約もあるはずだし、美遊みたいに監禁されたり儀式に使われてる訳じゃないけど、救い出してやる必要があるのよ」
「ああ、任せとけ。妹でもお母さんでも助け出してやるよ、ジュリアンやアンジェリカに言えば移動はどうにかなるな。で、その妹って」
復活して陰から見ていたクロエが、また悪魔の微笑みを浮かべていた。
「驚かないで聞いてね、間桐…… 桜って子なの」
士郎の口が開いて閉じなくなり、メダマドコーのAAみたいな顔になり、顎が外れるかと思えるほど開いて、本当に床に落ちるかと思えた。
家政婦は見ていたクロエは、会心の笑みでガッツポーズなどして、余りの都合良さに小躍りして喜んだ。
「い…… 生きてるんだ…… そっちの世界では、桜がまだ生きてたんだっ」
座布団に座って話を聞いていた士郎は、自動的にorzの体制になって啜り泣きし始めた。
「ええ……」
大体こうなるんじゃやないかと予想していた凜でさえ、目の前で想い人の男の子が泣く所を見せられ、牢獄でも美遊のピンチでも涙を見せなかった少年が、本気のマジ泣きするのを見せられてしまい、妹に嫉妬すると共に、ここまで男性に大切に思われていたのを喜んだ。
「遠坂、君は桜のお姉さんだったんだな?」
もう肩の下、両腕とかガッツリ握られ、泣きながらがぶり寄り、ガチ泣きしている士郎に掴みかかられ、そのまま押し倒されてもオッケーだった凜。
「マトーサクラ、その子は確か、シェロにカードを渡して亡くなった子」
アーチャーのカードを託し、クズカードと言われながらも士郎に聖杯戦争を勝ち抜かせ、妹と恋人、二人を失いながらも、すべてを失った少年の腕に剣を握らせた少女。
そんな強敵が、自分の世界では生きていると聞かされ、ルヴィアでさえ驚いた。それを聞いたシェロがどれほど驚いたかは想像もできなかった。
「助けるよ。桜を、俺の命に代えても助けるよっ」
何かスイッチがガッツリon側に入っちゃって、目の幅の涙流してガチでやる気出して、目の色とかも変わってしまい、瞳の奥に炎、背景にも爆炎貼って漲っちゃってる士郎を見て、一同ちょっと引いたが、クロエだけが悪魔の笑顔で爆笑していた。
アンジェリカの部屋。
「申し訳ありませんでしたっ! あの時の私はジュリアンに操られていた人形だったのです、シローを牢屋に入れたり大怪我させたりして、今は反省しています。その償いはこの体で一生掛けても支払います、さあ、使ってください、この体は老化しないんですよ、永遠の女子高生なんですっ、すぐに賞味期限が切れる女とは違います」
もうスイッチオンでトレースオンの士郎は、アンジェリカのドゲザ謝罪とか床入りのお誘いもスッパリいなして、
「桜を、遠坂の妹を助けに行こうっ、アンジェリカも付いて来てくれっ!」
とか、女の誘いを断って恥をかかせているのにも全く気付かず、スイッチ入っちゃってるので先の事しか見えず、凜の留学すら決まっていないのに桜救出作戦を考え、魔道協会の言峰のオッサンのところにも同行する士郎。
士郎に「付いて来てくれっ」と言われたのでアンジェリカも付いて来ていた。
もしアンジェリカの誘いに乗って床入りすれば、千のマスクを持つルチャドールミユに、フライングクロスチョップを食らい、トップロープから場外(庭)にトペを敢行され、フライングボディプレスで気絶させられ、場外20カウント負けする所を免れていた。
「言峰さん、ここにいる凛とルヴィアが魔術の師匠を探していて、イギリスかどこかに留学したいそうなんだ、話を聞いてくれないか?」
まだ泣いている士郎に気押され、言峰も何か苦手な雰囲気になって聞かざるを得なくなり、爽やかな笑顔のまま泣いている少年の前では愉悦どころではなくなった。
「む? どうしたのかね? この世界を救った英雄がお揃いではないか?」
ドン引きしながらも、普段の表情で聞いてやる綺礼。男同士では、涙の意味は聞かないでやるのが礼儀らしい。
「ええ、わたくし達「七英雄」が魔道の師匠を探していますのよ。たぶん、シェロを含めて三人、ジュリアンやアンジェリカまで入れると5人、英国に留学して学ぼうと思いますの。この際「七英雄に魔術を指導した師匠として、歴史に名を刻むのを許す」と伝えて下さいます? オホホホホ」
((やっぱり言いやがった))(片方クロエ)
言いたくて仕方なかったセリフの第一回目を言って、何かスッキリして得意絶頂のルヴィア。
「うむ、そう伝えよう、留学先を探せば良いのかな?」
「はいっ、お願いしますっ」
爽やかな男の涙で押し切られてしまい、自分のペースには持ち込めなかった綺礼。何者かの猛烈な悪意を感じたが、それは後日に回すことにした。
軽く電話などして、ルヴィアの言葉なんかもオブラートに包んで言ったはずだが、英国とか欧州方面では当然大騒動になった。
七英雄、凜やルヴィアの争奪戦である。
監視者からも報告はあったが、もしかすると七英雄とジュリアンを入れると八英雄。
その妹連中である、イリヤ、クロエ(聖杯)、美遊(聖杯)、エリカまで来るとなれば、歴史や金はあっても、実績や功績も名前も無い家からは、喉から手が出るほど欲しい人材で、ルヴィアか凜程度でも嫁に迎えて「中興の祖」にすれば、大広間の壁にルヴィアの肖像画とか貼っておけば数百年は十分威張って誇り散らせる。
「我が家の神祖でもあらせられる七英雄、ルヴィア様だ」
と紹介すれば、絵を見ただけの人物でも、それが王侯貴族であろうが、国家元首であろうが、ご尊顔を拝しただけで帽子を脱いで最敬礼して、油絵の前でも一礼せずに通過するのは非常に非礼に当たることになる。
魔道後進国のフランスとかドイツ、細々と続いていてホムンクルスを製造していなかったアインツベルンも参加。イリヤスフィールとクロエの名字が、異世界の「フォン・アインツベルン」なのは知り尽くしている。
もしかするとルビー的にMS(魔法少女)数値が53万以上ある、なのはさんとかフェイトさんなんかも来ると「シュート!」されてグレートブリテン島ごと消滅させられるので、ヨーロッパの大陸側はぜひ来て欲しかった。
ほかの学校でも、何か9と2分の1駅ホームから行く有名学校とか、学園同士でも「七英雄様御在籍」の実績が欲しすぎて、後輩でもご学友になるのを目指す人物とか、低俗な学校に行く予定などなく、家で祖父や祖母に弟子入りして学ぶ予定だった伝統のある家の子女まで、入学して来てレベルが上がるので、七英雄ご入学の実績が欲しすぎる学校。
バゼットなんかも騙されて貧乏生活をさせられているが、講師や術者として「七英雄」を雇い入れて忠誠なんか誓わせたりすると、家の格とかがググーーンと上がってしまうので、ぜひ欲しい人材だった。
もう「七英雄」の名前が欲しくて欲しくて仕方がない一族は、お迎えに行くために日本に飛んだ。
第五次?聖杯戦争、続く七英雄による荒廃した地球の再生、その直後に起こった紛争、八英雄とその子女の争奪戦。異世界から来た魔装置、ルビー、サファイア争奪戦の開始のゴングが鳴った。
クロエは冬木市に聖杯の中身二個分ぶちまけて大火災を起こし、大炎上し始めたのに満足しながら衛宮家に戻り、壊れてる桜の人形に話し掛けた。
「サクラ、別の世界からあなたの本物が召喚されるそうよ、お兄ちゃん、士郎さんが助け出してやるって張り切ってるわ」
クロエの言葉など聞きもしない桜人形だったが、「先輩」「士郎さん」の話題にだけはガッツりと食いついた。
「せ、先輩が、が……」
ヤンデレの病みきった目で180度首だけ振り向き、恐ろしい表情でクロエを見た桜人形だったが、クロエはそれを恐れもせず、獲物がフィーッシュ!(針に食いついた)したのでニヤリと笑った。
「そうよ、あなたが中古だったのが嫌だったのかしら? わたしの世界の桜は、まだお兄ちゃんも雁夜叔父さんも手だししてないから新品だそうよ」
「カッ、カリヤッ! ヤッ」
zeroの世界線でも、桜に乱暴して傷物にした大人と言うのはやっぱり雁夜で、「子供のころの葵さんそっくりだ~~、葵さんラビュー、桜ちゃん萌え~~、クンカクンカ、ペロペロ」をヤってしまい、虫まみれのょぅじょにクンカクンカできる変態は一人だけで、名目上の父でも当主でも慎二でも無かった。
fate/zero開始時、犠牲になりそうな姪のために、自らの命を投げうってまで救い出そうとして人気が出た優しいオジサン、ではなく、10歳にもならないょぅじょをイタズラしてしまったクズで、当然の報いを受けて桜にも汚い物を見る目で見下げ果てられて虫のエサになったカスである。
「今度、間桐を襲撃して桜を助けるそうなの、もちろんあなたも行くでしょ、ウフフフフフフ」
壊れた桜ちゃん人形もガタガタと震えだし、自分を生前虫まみれにした当主や、雁夜がまだ生きている世界線で報復ができると聞いて、発狂した。
「イーーーヒッヒッヒッヒッ! ヒッ」
クロエは「さくらちゃんの好きと、わたくしの好きとは意味が違うのですわ~~」と思いながら、ニヤリと笑った。
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