オズのアン王女
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第二幕その十
「中国でも北の方はそうだけれど」
「オムレツの中にオレンジライス入れるなんてね」
ジョージは言います。
「普通考えないよ」
「しかも美味しんだよね」
カルロスはこのことを言うのでした。
「これが」
「うん、凄くね」
実際にとです、トトも言います。
「これがね」
「昔はなかったわ、オズの国にも」
ドロシーの言葉です。
「日系人の人が作ってね」
「お寿司やおうどんと同じで」
「そう、こうしたお料理もね」
「日本からアメリカに来た人達がですか」
「作ってなの」
「オズの国でもですか」
「食べられる様になったのよ」
そうだとです、ドロシーはジョージにお話しました。
「そこは本当にお寿司と一緒ね」
「そうですね、何か日本に入りまして」
しみじみとして言うジョージでした。
「色々独特のお料理があるのに驚きました」
「パスタでもね」
「タラコスパとか」
「納豆スパとかね」
「本当に驚きました」
「ええ、こんなスパゲティあるのかって」
そうお話をしていたというのです、そしてです。
皆は楽しく食べてです、そのうえで。
皆で幸せに暮らしました、そしてなのでした。
ウーガブーの国に向けて出発しました、かかしと木樵はその皆に笑顔で手を振って一時のお別れの挨拶をしました。
そのウーガブーのアンはといいますと。
チクタクにです、お昼のスパゲティを食べている時に言われました。
「それはーー何ですか」
「スパゲティのソースね」
「はいーースパゲティなのはーーわかります」
食べないチクタクもです。
「そのことーーは」
「けれどなのね」
「その白いーーソースは」
「カルボナーラよ」
アンは食べつつ答えました。
「生クリームとベーコン、卵を使ったね」
「そうしたーーソースーーですか」
「そうなの、これが美味しいのよ」
「とてもーーですか」
「ええ、とても美味しいわ」
にこにことして答えるアンでした。
「ガーリックも入っているし」
「それにーーオリーブもですね」
「この二つは必須よ」
ガーリックとオリーブは、というのです。
「何といってもね」
「ないとーーですか」
「味が全然違うの」
スパゲティのそれがというのです。
「それこそね」
「美味しくなるーーのですね」
「そうよ」
その通りというのです。
「だからこの二つは欠かせないわ」
「カルボナーラ以外ーーでも」
「他のスパゲティ、パスタはね」
スパゲティに限らずというのです。
「ガーリックとオリーブオイルは絶対よ」
「他ーーには」
「他は調理方法で茹で具合ね」
それの問題だというのです。
「そうなるわ」
「そのーースパゲティは」
「アルデンテよ」
その茹で具合だというのです。
「丁度いいわ」
「だから美味ーーしいのですね」
「そうよ、これを食べて」
そしてというのです。
「また出発よ」
「このままーーですね」
「木樵さんのお城まで向かうわ」
「一直線ーーですね」
「そうよ」
まさにそうして進むというのです。
「多分ドロシーさんもそうして進んでいるから」
「最短距離ーーだから」
「人は急いでるとね」
「その道をーーですね」
「選ぶから」
そういうものだからというのです。
「だからよ」
「私達もーーですね」
「進むわ」
まさに一直線にというのです。
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