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Fate プリズマクロエ お兄ちゃん強奪計画

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悪魔の囁き

 事件が解決してしまい、美遊はまるで正妻のようにお兄ちゃんである士郎にもベッタリ。
 聖杯戦争に勝ってまで、二人で一緒に一生過ごせる安楽な土地とか願わず、美遊の幸せだけを祈ってくれて、友達ができるように祈ったため、その条件を叶えられ異世界に送り出されたりしたので、もう胸の奥とか心の奥とかベキボキに締め上げられて、今後一生兄と結ばれる以外には考えられないょぅじょ。
 この後は血が繋がっていないのを利用して、「例え火の中海の中一緒のお布団の中」に潜り込むのは確実。
 美游が16になり次第セキニンを取らせて入籍して出産。自分がその位置に最も近いのを感じているのか、他に譲るつもりなど一切無いのか、兄に甘えまくりで、また髪など結わせていた。
 そんな姿を見てクロエが美遊を陥れるために声を掛けた。
「ねえ、美遊? あなたもしかしてそのままお兄ちゃんと結ばれるのは自分、な~んて思ってない?」
「ブフォオッ!」
 美遊にしては珍しく、茶など吹き出して焦っていたが、すぐに元の表情に戻った。
「むむむ、結ばれるとか、にゃ、何言ってるのかな? く、クロエちゃんは?」
 表情はそのままで、噛みまくり、吃音発症、普段呼び捨ての相手にちゃん付けなど、失態表しまくりの美遊。
「そそそ、そうだぞ、む、結ばれるとか、兄妹で何のことだか?」
 士郎の方も手が震えて美遊の髪が結えなくなり、やましい部分が大量にあって、客人が早く元の世界に帰るのを願って、妹であったょぅじょにイタズラしまくりたい、風呂を覗くどころか一緒に入って、スポンジを無くして手が滑って素手で洗ってやろう、などと考えていた、かも知れない。
「まあ、元は他人で血が繋がってないんだし、いいんだけどね、他の女が許してくれるかなあ?」
 クロエの指摘や目付きに気付き、ガタガタと震えだした美遊。
「アンジェリカとか、感情が無いはずなのに「士郎が作るご飯は美味しいです」とか言い出して「士郎、剣の手ほどきをしてあげましょう」に出世したし、お風呂場でドッキリでも最初は「一緒に入れば時間節約になるが、一人でゆっくり入りたい」とか言ってたのが今では「キャッ(///)」だしねえ、もうまるっきりどこかのエロゲーのセイバーと一緒よねえ?」
 美遊の表情が呪いの市松人形みたいになって、士郎も慌てだした。
「お兄ちゃん、いつの間にか、そんなにアンジェリカとも仲良く……」
「い、いや、違うんだ、美遊」
 髪の毛をシュルシュル伸ばして兄の首を絞め始めた美遊、いつの間にか新しいスキルを手に入れたらしい。
「桜の人形の方も、人格壊れてるだけで、ヤンデレかメンヘラ女ぐらいになったから、美遊に手出ししそうになったら、桜かアンジェリカと寝るんでしょう? 二人とも妊娠しないし便利よねえ?」
「おっ! お兄ちゃんっ!」
 美遊の顔が呪いの市松人形から、呪いのビスクドールぐらいに出世した。
「ち、違うんだ、みっ、美遊……」
 もう髪の毛使いとか糸使い系統の術者になって、兄を持ち上げて首切り寸前。
「こっちのお兄ちゃんはカレーとか作らないの? インド料理屋とかで買った、ターメリックとかクミンの粉ごと買って、フライパンで炒めてから寸胴で煮込む奴。あれは麻薬よねえ、あれ食べてタイガーとかもイっちゃったし、桜もママもセラもリズも壊れたし、一成も「一生お俺のためにカレーを作ってくれ」とか告白したし」
 雀花とミミ大喜びのパターンだったので御注進すると、本当にメモを出して詳細を聞いてから書き込んで喜んだ。
 ミミはそれだけでお腹いっぱいになって、ノート一冊分、一成*士郎の恋愛ものを完成させて、次のコミケで落ちた原稿の代わりに人称だけ書き換えて領布された。
「立ち位置は同じなんだから、ジュリアンにお兄ちゃんのカレー食べさせたらすぐに陥落するわね、凜もルヴィアも、下手するとバゼットも転ぶわ、なんせあれは麻薬なんだから」
 美遊は「ひいっ」とか鳴いて、先ほどの兄との話題が「トマトの水分だけでカレーができるんだなあ、今度インドの食材扱ってる店でry」だったのを思い出し、市販のルーでも破壊的な兄のカレーが、粉から拘ったものに変更され、粉末から火を通して焼き、もしトマトの水分だけでカレーを生産されてしまったら、あのバゼットまで堕ちると言われて恐怖した。
「そうか、こっちのお兄ちゃんは聖杯戦争で忙しくて、カレー研究してなかったんだ。もしアレ食べさせたら、アンジェリカと桜の人形も堕ちるわよ? 感情戻ったり、頭治るんじゃない?」
 美遊は床に膝と手を着いて、orzの姿勢になり、兄の髪の毛拘束も解けた。
(ず、寸胴はある、残りはカレーの粉だけ)
 もしガラムマサラとか中毒性のある粉末まで使われ、ガーリックとかも摺り混んでいれられ、リンゴとかハチミツ入りの甘口の子供向けとか、大人用のキツいものを作られると包丁人味平のカレー戦争になり、全員が兄のカレーの奴隷になって堕ちる。隠し味に醤油だとか山椒や山葵まで使われるとタヒ人が出る。
「あたしもまたお兄ちゃんのカレー食べたくなったなあ、帰ろうかしら?」
「帰って、みんな早く帰ってっ」
 兄が麻薬カレーを生産しないうち、この星を救った英雄を追い返そうとした美遊。

 翌朝、元の世界に帰る準備をしている凛とルヴィア、もちろんイリアもバゼットも準備をしていた。
 美遊的には、送り返すのに付いて行くアンジェリカも遭難させて、もう帰って来ないように祈った。
 全員で準備している状況に疑問を感じて話し掛けるクロエ。
「ねえ、凛、あなたこっちの世界に残るんでしょう? 何してんの」
「はぁ? 私は元の世界で報告して、カードは回収できなかったけど、学校に戻って次の課題でもこなして弟子にしてもらうのよ」
 凛は元の目的通り、師匠に弟子入りして魔道を極めるつもりでいたので、クロエの言葉には即座に反発した。
「何言ってんの? ルヴィアはお金も屋敷もあるし、オーギュストも待ってるから帰るだろうけど、あなたは関係ないでしょ? カード回収も一応失敗だし」
 クロエは凛を馬鹿でも見るように見下げ果て、気の毒な人を見る目で見た。
「何でよ、学籍だってあるし、親、だっているし…」
 間桐に養子に行った妹まで話さずにいたが、元の世界に帰るのは当然のことで、美游と別れるのは寂しい気もしたが、親しい友達でもなく、また会うのも可能なので今生の別れとは思っていなかった。
「馬鹿ねえ、あなたはこの世界では、星を救った七英雄だか八英雄の一人なのよ? この星のイギリスとかどこかの魔道協会にでも行って「七英雄を指導した魔導士として歴史に名前を刻むことを許す」って言ってやれば、全員あなたの師匠よ。それも「教えさせてください、英雄の凛様」なのよ? それを極東から来た東洋人? 家柄社会の魔法社会で遠坂なんて誰も知らないところで、下級生にまで馬鹿にされながら小間使いでもするの?」
「あ?」
 真実に気付かされた凜は、若い体で心臓が苦しくなったのか、胸のあたりを押さえてガクガク震え始めて、両膝を床に着いた。
「元の世界でも、アインツベルンぐらい言えば、人間じゃないホムンクルスでもライバルだって思われるけど、日本人なんか人間と思われないしサル扱いよ、それでも戻るの?」
 人種差別されまくりの過去を思い、クロエの言葉が刺さりまくった。
「で、でもお母さんが…」
「呼べばいいのよ、それで魔道協会で「私の母を治す名誉を与える」って言えばね、禁呪の20個や30個使って、死人が出ても低酸素症のあなたのお母さん治してくれるのよ、それでも帰るの?」
 凜はもう「何でそんなのまで知ってるの?」という単語は頭に浮かばず、陥落寸前だったが、最後の心残りを伝える。
「じ、実は生き別れの妹が……」
「呼べばいいのよ、間桐だっけ? 滅ぼしたり契約解除させるなら、アンジェリカでも連れて行ってギル君のカード借りて家ごと粉砕。イリヤか美游にセイバーのカード使わせて、城でも破壊。キャスターのルールブレイカーで契約壊して救出、はい終わり」
 もう一度「何でそこまでry」と言いたかったが言えず、最期の反抗を試みた凛だったが、これも簡単にょぅじょに論破されてしまい、元の世界には母親を呼びに行って、今までの仲間全員に(ルヴィアとバゼットを除く)妹を救出するミッションを頼むだけでこちらに移住できる。
 魔道を極めるには、どう考えてもこちらの世界の方がはるかに条件がよく、元の世界で遠坂の系譜が切れたとしても、間桐を破滅させた後に桜を返すか、魔王になってから何人か子供も産み、元の世界に帰還させれば良い。
 そこで、最期の仕上げにクロエが凜の耳元で囁いた。
「お兄ちゃん、士郎はこっちの世界にもいるわ。それも妹と一緒に戦って救ってくれた戦友で英雄で大切な人、顔と名前だけ知ってるクラスメイトなんかじゃないわよ」
 凜はまるで雷撃でも受けたかのように、ビリビリと感電して髪の毛を逆立て、その場に座り込んで荷物の梱包を投げた。
「はい、分かりました」
 凜は敬語で答え、11歳のょぅじょの言葉にノックアウトされ、テンカウントまでされた。
 その際、もしこの世界の士郎が桜救出に参加し、生きている桜を見て抱き着いて号泣してしまうと「私、傷がある先輩に(一生)付いていきます。先輩、こんなに傷付いてしまって、私が(一生)診てあげますね」と言うのも予想していたが、凜には言わなかった意地の悪いクロエだった、

 凛の隣でも「七英雄」と聞いてしまったルヴィアも震え始め、エーデルフェルトとか魔道の新参者、弟子の弟子の弟子が魔法では落ちこぼれて、それでも経済的に成功して、金の力で魔道を極めようとしている所で、「七英雄を指導した魔導士として歴史に名前を刻むことを許す」と言ってみたくなり、旅支度を捨てた。

「ねえ、イリヤ、あんた何で帰り支度してるの?」
「え? 当り前じゃない、美遊とお別れするのは寂しいけど、私も帰って美遊みたいにお兄ちゃんに甘えるんだもん」
 クロエはイリヤに向かって、悪魔の笑顔で微笑んだ。
「そう、お兄ちゃん、にね? 知ってる、一回養子でも兄妹になった子はもう結婚できないって」
 イリヤは少ない荷物を取り落とし、こっちの世界のお土産とかも床に散らばって転がった。
「アタシは従妹だから結婚できるんだけどね? イリヤ可哀そう、こんなに大好きなお兄ちゃんと結婚できないなんて、ウフフフフフフ」
「で、できるもんっ、血が繋がってないし、お兄ちゃんパパの養子だもんっ」
「う~~ん、養子縁組した時に、結婚させるって決めてて一緒に届けも出したら大丈夫だったんだけど、一回兄妹になるとダメなのよね」
「うそっ」
「嘘だと思う? こっちの世界もおんなじだと思うけど…」
 イリヤもガクガクと震えだし、もう兄が学校で桜とかいう後輩と良~~い感じで出来上がっていて、ゴールイン寸前なのをクロエと結託して亡き者にしようとしたり、雁夜オジサンをけし掛けて「お母さんの葵さんそっくりだ~~、オジサンはね、オジサンはね」と言わせて、ほかの並行世界と同じようにレイ~プさせて処女も失わせてやろうとしていた、最低の二人だった。

 クロエとしては、ほかの女をこの世界に置き去りにして、桜とか言う後輩も追い出し、自分だけがお兄ちゃんと仲良くなって結婚するつもりでいる計画を発動させていた。 
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