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大筒木異世界物語

作者:ポタロー
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第1章 大筒木リュウグウ降臨
  第3話 壊刃サブラク

 
前書き
戦闘回です。まぁ戦闘と呼べるものになるかはいささか疑問ですがごゆっくりお楽しみください。 

 
仮装舞踏会の協力者となったリュウグウはペルペオルからこの星黎殿に転移できるよう宝具タルタロスの一部を渡された。宝具タルタロスは因果を断ち切ることのできる拘束型の鎖であり、いろんな応用に使える。

「1つ聞いていいかい?」

ペルペオルはリュウグウにたずねる。その時部屋に一人の徒が現れる。リュウグウはその方に目をやる。

「俺をここに呼んだのはそういうことか」

現れた徒は素肌を全て隠し、赤い目を光らせている壊刃サブラクであった。ペルペオルはリュウグウが協力してくれようがしてくれまいが壊刃サブラクと戦わせるつもりであった。いくら教授のデータがあるとはいえ、詳しいことまでは分からないからである。協力してくれるからにはじっくりとリュウグウについて知ることはできるのだが存在の力が大きすぎて並大抵の相手では太刀打ちできない。だからこその壊刃である。

「リュウグウにはこの壊刃と模擬戦をしてほしいのさ。協力してくれるからにはいいだろう?」

リュウグウは自分の目的以外の目的や策略には興味はない。それは単に自分より弱いからである。今回もペルペオルが何を考えているかなんてまったくもって意識していない。

「いいだろう。それで、ここでやるのか?」 

リュウグウは輪廻眼でサブラクを見る。サブラクはこのものの強さを目を通して理解する。自分なんかよりもとても強大な存在であると。

「ついてこい」

サブラクは溶け込むようにその場から消える。リュウグウは新たに気配が現れたところを感知し、次元転移を行う。それを平然とやるところはペルペオルやフェコルーも驚く。

「今のは転移系の自在式でしょうか」

「いや、自在式などではないさ。あれは能力とでもいうべきか。まぁどっちにしても私らとは異なる存在さ。見ようじゃないか大筒木リュウグウの力を」

ペルペオルはモニターにうつる星黎殿の中にある闘技場に目を映す。

闘技場

壊刃サブラクは自身の目の前に前触れなく空間に穴を開けて姿を現すリュウグウから少し距離を取る。

「ほぉ、空間転移とはかなりだいそれたことを」

壊刃サブラクは現れた瞬間に自身の自在法でもあるスティグマを放つ。リュウグウはそれを避けることもなく、全て直撃する。それは本来であれば当たって終わりなのだがサブラクは違和感を覚える。

「なぜやつは避けようともしない。様子見のつもりか、それとも」

サブラクは続けて自身の炎と剣を操り、リュウグウに繰り出し続ける。だが、それさえもリュウグウは受け続ける。さすがに違和感しかないことでサブラクは一旦距離をとり様子見をする。

「終わりか?」

リュウグウのたった一言でサブラクは冷や汗をかく。

「なんだこのプレッシャーは。俺が今まで相手してきたやつとは異なるプレッシャー。これが強さというものなのか」

リュウグウはこれ以上攻撃はないと自身のもつ攻撃技を出す。第6の力

「ブラックホール発動」

リュウグウの両手の中に黒い塊が出来上がりそれは徐々に周りのものを吸い込んでいく。それは地面や岩、存在の力なども含まれる。サブラクもこの攻撃は予想外であったがリュウグウがなぜいきなりこんな技を使ったのか理解する。

「まさかこの俺の秘密が一瞬でばれるとはな」

サブラクはこのブラックホールに巻き込まれないようさらに距離を取ろうとするが

「遅い」

「なんだと!?」

リュウグウはいつの間にかサブラクの真後ろにおり、手刀で胴体を真っ二つにした。だが

「ん?手応えがなかったな」

リュウグウは真後ろに距離を取ってこちらを見て構えているサブラクを見る。

「なるほど、フェイクも見破られたか。あまり剣を無駄に失いたくはないのだがそうもいってられないか」

ブラックホールは今もなお存在の力含め吸い込んでおり、消える気配はない。サブラクは力を吸いとられ続けている現状長期戦は不利と判断する。皮肉なものだ。自身のもつ自在法スティグマは相手に当たりさへすれば時間で倒せる。長期戦にはもってこいの自在法でもある。それが逆に長期戦はできないと、それに最初の攻撃は一切ダメージがないように見える。どんな技を使ったのかは分からないがこうして不利な状況下にあるし、リュウグウは本気でやっていない。見れば分かる。やったことはブラックホールを作り、自分の存在を知っておきながらあえてフェイクに攻撃する。サブラクは今までにないプレッシャーとやつを感じていた。

「そろそろか、ブラックホールよ、弾けろ」

リュウグウが手を握るとブラックホールの密度がどんどん小さくなっていき、そして高密度の爆弾となる。
サブラクは避ける間もなくその爆発に巻き込まれる。
当たり一体が眩しいほどの光を放ち、爆発しているのかも分からない。その光が届く場所は熱により一瞬にして溶ける。もちろん闘技場は一瞬にして地面ごとその存在を消した。幸いにも秘匿の聖室は無事であったが星黎殿各地にある探耽求究の機材などは跡形もなく消えた。そのためモニターの映像も消え、ペルペオルとフェコルーの見ているモニターは砂嵐状態になっている。状況が分からないので闘技場付近に監視させたリベザルに通信を入れる。

「リベザル、状況報告を」

ペルペオルが通信するとき部屋に三柱臣である千変シュドナイと頂の座ヘカテーが入ってきた。

「こりゃ派手にやってくれたな。さすがにあの壊刃も無事じゃないだろ」

シュドナイはあの戦いの感想を述べる。ヘカテーは興味ないのか無言である。とリベザルから返答があった。

「リュウグウ殿が出した技により闘技場含む地面は全て消失。サブラク殿の姿は見えません。空中にリュウグウ殿だけ残っている状態です」

リュウグウはリベザルの元へ近づいていく。リベザルはリュウグウが近づいてくるとき動けなかった。それはサブラクが感じていたプレッシャーである。リベザルは思う。サブラクはこの中で戦っていたのかと。

「模擬戦は終わりか?」

リュウグウは通信先のペルペオルへ訪ねる。

「あぁ、終わりさ。リベザルが封絶を張っていなかったらこのままの状態になっちまうところだったよ」

「加減はした。では何かあれば呼んでくれ」

リュウグウはそういうと次元転移で星黎殿から消える。取り残されたリベザルはサブラクに声をかける。

「よく無事であったな。サブラク殿」

その視線の先にはサブラクのマントがあり、すぐさまサブラクが現れる

「無事なものか。一歩間違えれば完全に消されていた。俺の力もほとんど残っていない。だが、今は気分がいい」

サブラクはそういうとどこかへと歩いていく。その様子を聞いていた三柱臣は壊れた箇所を修復するため動くのであった。ペルペオルはリュウグウの力の一端を見たことでより笑みを強める。リュウグウとサブラクの戦闘を密かに観察していた探耽求究は先程おきたことへの研究、解析をしていた。

「おぉぉぉぉー、そうかそうかこれはとても素晴らしい発見をしたぞぉぉ、ドォォォォォミノォォォォ」

「はい、教授。これで我らのこの研究も完成であります。さらにさらにグレードアップも可能ですよ教授」

「ふふふふ、まぁーさか、この研究があっというまに完成しちゃうなんて次の研究にもうつれるというもの。そぉぉぉぉれにーリュウグウの先の戦闘での技を応用しー、スーパーエクセレント28693号をグレードアップー、ここにーためにためた存在の力をそそぎこみー、ドォォォォォミノォォォォ点火するのでーす」

「了解であります教授」

探耽求究のいる研究室ではなにやら怪しい実験がこのように繰り返されていた。そこにペルペオルが入ってくる。こんどはすぐに気づいたのか作業をいったんとめる。

「何のようですか?ペルペオル」

ペルペオルは笑みを浮かべながら何を今さらと手を出す

「もうとっくに解析したんだろう?」

探耽求究は完成させた資料をペルペオルに渡し説明する。

「ドォォォォォミノォォォォ説明お願いしますよー」

「はいであります。大筒木リュウグウの主に使う力は存在の力ではなく、体内に内包している別のエネルギーであります。そのエネルギーは脳からの伝達信号によって活発になってることから精神的なエネルギーであるとつまり精神エネルギーであります。さらにさらに自然に存在するエネルギーと存在の力を合わせて能力を発動しているであります。先程のサブラクの攻撃がきいていなかったのはおそらく能力でしょう。攻撃が当たってはいますが全てやつのエネルギーに変換されているであります。それを証明するのがこのデータ。やつの目はかなり特殊なもののようで攻撃を受けるときこの目の活動が活発になっているであります。ブラックホール形成もこの目が活発になっていることからやつの戦闘は主に目によるものが多いと断言できるであります」

ドミノの説明と渡された資料をみるペルペオルは大体を理解する。

「なるほどねぇ。模擬戦とはいえ、サブラクがあぁも一方的にやられるぐらいだからかなり厄介な能力のようだけどまだ何か隠しているわね。それで、私と同じように額に目があるけどそれはどうなんだい?」

「今のところ反応はありません。紫色の目が強烈すぎてまだなんとも言えませんが今は使えないというところでありますか。」

「そうかい、で、研究の方ははかどっているかい?探耽求究」

ペルペオルは何やら実験を始めた探耽求究に聞くが、返事は返ってこない。

「ま、いいさ。また何かあればくるよ。探耽求究によろしくと伝えておいてくれ」

「了解でありますペルペオル様」

ペルペオルは研究室を後にする。そのころ星黎殿の壊れた箇所はヘカテーにより直された。徒の間では先のサブラクとリュウグウの戦いの話が盛り上がっており、役職者の間でもリュウグウについての話題で盛り上がっていた。そのリュウグウはというと転移したさきで自身のもつ力がうまく使えていないことに疑問をもっていた。

「600年も封印されていたせいかすこしなまっている。このまま力をつけたとしてカグヤには勝てない。少しリハビリが必要か」

そういうとリュウグウはまたもや転移する。その先はフレイムヘイズが密集している地である日本、御崎市である。御崎市では新たな驚異が近づいていた。
 
 

 
後書き
第3話でした。探耽求究のセリフって書けないね 笑 かける人はすごいと思う。まあやっとフレイムヘイズが次回出てきます。次回更新は遅れます。ですがお楽しみに 
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