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ファイアーエムブレム聖戦の系譜 〜幾多の星達〜

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143部分:白銀の月の下星々は輝きその一


白銀の月の下星々は輝きその一

                白銀の月の下星々は輝き
 ミーズ城を陥落させた解放軍はまず数万の精兵をミーズに駐留させた。そして主力部隊はフィアナへ向かっていた別働隊と合流し大幅に増加した将兵の再編成と補給の為、そしてミーズへの補給路の強化の為マンスターに集まっていた。
 マンスターではミーズと違い熱烈な歓迎を受けた。今まで自分達を抑圧していたフリージ家やレイドリック一派を一掃し悪辣な侵略者トラキアを撃退した解放軍とその盟主セリスはまさに救世主だったのだ。市民達は喜んで兵士達を迎え次々と志願兵が馳せ参じ武器や兵糧、資金を提供した。
 酒場でもそれは同様であった。やはりこのマンスターでも宴が開かれようとしていた。
 マンスターの街に『ミニョン』という酒屋がある。そこに解放軍のいつもの面々が集まっていた。
「マンスター解放とフィーやオルエンのお兄さん達の加入、そしてミーズでも勝利を祝って・・・・・・」
 コノート城内の戦いでフリージの将アイヒマンと派手な一騎打ちを演じたラクチェがあ音頭を取る。
「かんぱーーーい!」
 皆杯を掲げる。だが合わせなかった。
「ッとしたいんだけど・・・・・・」
 チラリ、と席にいる口髭を生やした騎士を見る。
「何でオイフェさんいるの?」
「決まっている。諸君等を監視する為だ」
「監視・・・・・・?あたし等何かした?」
 ラクチェは皆を目で訊ねた。皆知らない、解からないといった顔をしている。
「・・・・・・そうか。卿等は昨日の夕食を憶えているか?」
「昨日の夕食・・・・・・?」
 皆真剣に考え込む。
「ジャガイモ十個に豚の太腿の丸煮に林檎十個と大皿に山盛りのマカロニのパテに同じく山盛りのベーコンのリゾットと」
 ラクチェが思い出しながら言った。
「少ないな。俺なんか兎四羽にパン二十切れ、大皿山盛りのスパゲティミートソースにオレンジ十五個、キャベツ二個、ビール三樽だぜ」
 ヨハルヴァが笑いながら言う。
「仔羊一頭にレタス十個、トマト二十個、あと黒ビール四樽」
 カリオンが爽やかな声で言った。
「鮭十尾と鰻十二尾、玉葱とピーマンと人参のオリーブ炒め山盛り、白葡萄酒三樽。ちょっと少ないな」
 パーンが笑いながら言う。
「卓一杯のパエリアと馬鹿でかい鯉三尾とお鍋一杯のポトフ、飲み物は林檎酒・・・・・・どれ位飲んだかな?」
 ディジーが左手で頭を掻きながら述べる。
「特別に壺に入れてもらったトマトとキノコソースのスパゲティに西瓜二個、赤葡萄酒二樽」
 アーサーが言った。
「昨日はあまり食欲が無かったので酒壺に一杯のオートミールと赤葡萄酒とオレンジのカクテル樽一杯です」
 ロナンが謙虚そうに言った。
「いつも通り皆さんと一緒に楽しく食べさせて頂きました」
 ユリアがニコッと笑って言う。
「・・・・・・・・・」
 とりあえずユリアは置いといてオイフェは一同に顔を向けた。
「・・・・・・そしてその後何をした?」
「何って・・・・・・。誰か憶えてる?」
「全〜〜〜然」
 マリータの問いに誰も答えられなかった。オイフェがその目をカッと見開いた。
 
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