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世界をめぐる、銀白の翼

作者:BTOKIJIN
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第二章 Lost Heros
  銀白VS破壊者



「「「「変身」」」」




蒔風の目の前で四人が同時に変身し、明らかな敵意を向けてくる。



「固有結界を反発で無理に破壊してこっちも気分は最悪なのに、ここで来るかよ・・・・」

「あれだけの戦闘をやって、気付かれないと思っていたというのが無理な話さ」



蒔風の愚痴に、海東が答える。
だが彼らが来れたのも、あくまで距離が比較的近かったからだ。

他の増援は望めそうにない。


一応連絡は入れたが、自分たちがそこまで耐えられるかどうかもわからない。




「蒔風・・・お前、どうやってカードに変えている?」


だから、まず話しかけた。
時間稼ぎだ。


一斉には無理でも、連戦を重ねていけば蒔風も倒れるはず。
そのためには皆が来るまでの時間を稼がなければならない。





士の問いに、蒔風が懐から何か小さな機械を取りだした。
それは、ディケイドライバーの外層が取り外され、カードを挿入するスロットなど諸々がまだ取り付けられていない、基盤むき出しの機械。

大きさは大きめの携帯ストラップくらいか。
それを見せ、蒔風が話しだした。


「大ショッカーの巨大基地。その跡地にあったライダーシステム開発室。ディケイド、ディエンドに続く第三のライダーのために作られたのがこれだ」

「大ショッカーのだと・・・・・!?」



「そう、この「破壊機構」を基本としているのはお前らのと同じ。まあ?何があったかは知らないけど、急いで撤去したらしくてな。何もなかったけど、何とかこれを見つけたってこと」


そういってそれをしまう蒔風。
そして、次にカードを取り出す。


「で、こうしたわけ。お前はわかってるよなぁ、士!!!経験者だもんな!!!」

「ッ・・・・・」



そしてカードもしまい、士に言う蒔風。
だが、その言葉にユウスケが疑問を抱く。


「待てよ・・・・なんでお前がそれを知ってんだよ!!おまえはいなかっただろ!?」


そう、蒔風はあのライダー大戦の詳細を知らないはず。
それどころかそれ以前に、大ショッカーの基地は彼らが跡形も無く吹き飛ばしてしまったために、跡地もわからないはずなのだ。



「あん?知ってんぞ?仮面ライダー全員でシャドームーンごと基地吹っ飛ばしたのも、ユウスケがアルティメットゴウラムで特攻かけたのも、ドラスに苦戦しながらも勝利を収めたことも!!」



なのに、彼は知っていた。
まるで、どこかからその光景を見ていたかのようにだ。




「な・・・なんで・・・・」

「ユウスケ、それ以上は言っても無駄だ」

「そう、今の彼はただの敵。そう・・・・ただの敵さ」




そうして、蒔風が呼吸を整えて剣を構える。


それに反応して、彼らも剣や銃、拳を構えて迎え撃とうとする。




だが





「・・・・やーめた。気分じゃない」

「な!?」

「言ったろ?気分最悪なんだ。今戦って増援呼ばれたら確実に倒れる。ここは逃げるよ」




そう言って、踵を返す蒔風。
しかし、士達としては困るところ。

今、蒔風は疲弊している。
倒すなら今なのだ。そのために増援も呼んでいる。


ここで逃がせば、更に被害が出る!!!



そう思った蒔風を、真っ先にクウガが追った。



その背中に向かってマイティキックを放ち、何が何でも足止めするつもりだ。


「待てぇ!!!」

「・・・・・」




そう来られては、蒔風は避けるか受けるかするしかない。
結果、蒔風はそれを避けた。

ただし、その場から十メートルは横っ跳びして。



「な!?ウオぁ!?」



ドッ、ガゴッ!!!



クウガのキックが不発に終わり、地面にその衝撃が伝えられる。
と、同時に、その地面がまるで落とし穴のように崩れ、大穴の中にクウガが呑みこまれていった。



「なっ・・・ユウスケ!!」



「お前ら見てなかったもんな。土惺竜の土、どっから持ってきたと思ってんだ?」



そう、この穴は蒔風が最初の最初に放っていた土惺竜の分の穴だ。
そこの上に、土を固めて乗せていただけ。

歩く走るに影響はないが、ライダーのキックには耐えられず崩壊したのだ。



「おまえっ!!」

「ダーディーな戦いならお前も得意だろ?セイバーにも言ったがな、オレの最も得意とする戦闘は正々堂々、真っ向からの派手なぶつかり合いじゃない。オレが得意なのは!!」



そういいながら、蒔風が「青龍刀」と「獅子」を手に持って突っ込んでくる。
そしてそれをディケイドに振り上げ、そうしながらも蹴りを放って突きとばし、左のキバーラに切りつけ、右のディエンドには柄の後ろで殴り飛ばしていた。



「卑怯、外道の暗殺だ!!!勘違いしてんじゃねぇぞ!!!」




≪≪ATTACK RIDE―――BLAST!≫≫





ディエンドとディケイドの銃撃が、蒔風に向かって数十発叩き込まれる。
それを畳返しで防ぐ蒔風だが、その壁の一枚が吹き飛び、キバーラが剣を構えて突撃してきた。

その攻撃にスウェーで躱し、そのまま地面に仰向けに転がってキバーラの腹に両足で蹴りをぶち込む蒔風。衝撃に、キバーラの体が浮く。
即座に蒔風が立ち上がり、浮いている体に拳をブチ当て、その手から剣が離れて飛んだ。


「知ってるぞ。仮面ライダーキバーラ。だがお前では相手にならん」

と、吹き飛んでいくキバーラを視界の隅に回し、ディケイドに向かう蒔風。
ライドブッカーをソードモードに変え、ディケイドが蒔風の剣を受け止めて鍔競り合う。


そこに、蒔風の背後からディエンドが回し蹴りを放ってきた。
それをくらいながらも横に転がって軽減し、銃を取り出してディエンドに向ける蒔風。


が、そこで気づく。


(キバーラの剣が落ちてこない!?)



ドンッ!!!!



その疑問とともに首筋に悪寒が走った蒔風が、横に転がるとそこにタイタンフォームになったクウガがタイタンソードを地面に突き立てて着地してきた。
おそらく、あの穴からドラゴンフォームの跳躍で脱出し、空中のキバーラの剣をつかんで超変身、機会を狙って強襲をかけたのだろう。


「くそっ、外した!!」

「ユウスケ、大丈夫か?」

「ああ・・・夏美ちゃんは!?」

「吹っ飛ばされてノビてるだけだ。まだ平気だろう」



宮邸の塀を見ると、そこにキバーラがぐったりとはしているものの、変身も解けずまだそこにいた。
それを見てクウガがホッと安心する。


「さて・・・・ああいう戦いができんのがお前だけじゃないってのを見せてやる。海東!!!」

「ああ!!!」



《ATTACK RIDE―――CLOCK UP!》



と、そこでディケイドがクロックアップに入る。
ライダー大戦で習得した他ライダーの能力使用だが、それに蒔風は驚くこともせず、姿の消えたディケイドを無視してディエンドのほうへと向かっていった。


(クロックアップしているあいつの姿は見えているし捕捉している。無理に追うより、今は厄介なディエンドをつぶす!!!!)




その考えで、まずはほかのライダーを呼び出してこれるディエンドのほうに標的を決めて突っ込んでゆく。

対して、ディエンドは近接戦に関してはできるといっても、やはり本分は銃撃による遠距離だ。
直接格闘の戦闘は相手を翻弄するものでしかない。

だから、ディケイドはディエンドを庇うかのように蒔風の眼前に割り込んだ。


しかし




「墳ッ!!!」

「なっ、くそっ!」


《ATTACK RIDE―――INVISIBLE!》



蒔風が攻撃の一瞬のみ加速開翼し、ディケイドを裏拳の一撃で弾き飛ばす。

無論、クロックアップ発動中でなので、スローから普通の速度に変わっただけ。
だが急激な速度の変化に、ディケイドも反応しきれずに、蒔風の拳を食らって装甲から火花を散らしながら下がってしまう。


これで、ディエンドまでの間に障害物はなくなった。
クウガが後ろから走ってくるが、間に合うまい。



「もらったぁ!!!」

「ふっ」


拳を握り、一撃粉砕の剛拳をディエンドに突き出していく蒔風。
と、それに対してディエンドはカードを装填。引き金を引いて発動させる。


《ATTACK RIDE》


「インビジブルか!!」

「残念、違うよ」



《SLASH!!》




ザシッ!!!


蒔風とディエンドが交差し、蒔風の胸に袈裟切りに血が噴き出す。
胸を押さえ、うずくまりながら振り向くと、ディエンドライバーの銃口からは青いエネルギーが刃のように出ていて、銃剣として存在していた。

その刃はすぐに消えたが、蒔風はそのカードの存在に驚愕していた。


「ディエンドが・・・・「スラッシュ」のアタックライド!?」

「カードは常に進化していく。僕もこの間大きなお宝を手に入れてね。そのおかげでいろいろと用途が増えたのさ」

「チッ・・・・!?」


《FINAL ATTACK RIDE―――DE DE DE DECADE!!》




と、その蒔風に向かってホログラム上にカードが伸びてきて、それを赤い光弾が通過して襲い掛かって来た。


それを地面を転がって避ける蒔風だが、爆風に身をあおられて吹き飛ばされてしまう。




「がっ・・・あ・・・・・」





「大丈夫か?海東」

「ああ、ヒヤッとしたけどね。もう彼とは真正面に戦いたくないよ」




全身を襲う衝撃に苦しげな声を出す蒔風。
ディエンドとディケイドがその蒔風を見て警戒しながらも最後にしようとし、クウガがキバーラを担いで集まって来た。



「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・」


「終わりだ。蒔風。時期に増援も来る」



「まだだ・・・・・まだ終わらんッ!!!!」




そう叫んで、蒔風が四人に突っ込む。
その蒔風にディケイドが銃撃を、ディエンドがライダーを召喚して防ぐが、全く止まらない。



銃弾をすべて弾き、サソード、タイガ、ラルク、そしてライオトルーパー五体を斬り消し、蒔風がついに到達する。



キバーラを担ぐクウガに向かって圧水を放出、彼らを吹き飛ばしたうえで、ディケイドに向かって手刀を振り下ろす。
その背後からディエンドが引き離そうとパンチを繰り出してきたが、蒔風は一回転してディエンドの顎を蹴りで捉えて吹き飛ばし、そのままディケイドにもう一度、今度は左の手刀で、首を相手の左から狙う。


それをガンモードのままのライドブッカーで受け止めるディケイドだが、その威力にライドブッカーにヒビが入った。



「な・・・・・」

「ガアアアアアアアアああああああああああああああ!!!!!」




そして咆哮を上げ、右の拳でディケイドの側頭部を殴り地面にたたき落とす。
バチバチと音を立て、そのマスクが砕けて士の顔が半分ほど見える。


「士!!!」


「オオオオオオオオオオオオオ!!!!!」

「なロォ!!!!」



《ATTACK RIDE―――METAL!》



膝立ちになり、何とか立ち上がろうとしたディケイドに、蒔風が剣を振り下ろす。
それをブレイドのアタックライド・メタルで体を高質化して受け止めるディケイドだが、マスク部分の破損が響いているのかその硬度は十分に発揮されていない。


「士ァ!!クソッ!!!」

「まずい!!」



自分の肩にぶつかったままになっている蒔風の剣を両手で握りしめ、動きを止めようとするディケイド。
だが、徐々にその剣はずり落ちてきて、ディケイドを切り裂こうとしている。



「フーーッ、フーーッ、フーーッ・・・・・・」

「つッ・・・ガッ・・・・」



その状態で、士は考えていた。
蒔風のその目が、あまりにも必死だったということに疑問を抱いたからだ。

士はその目を知っている。
皆の記憶から消え、消滅してしまう世界を救うためにライダーと戦っていたあの頃の自分と同じだと。


そして、この戦いの意図に―――――――




「蒔風・・・・まさかお前!!!」

「ッッッ!!!!???ゼリャァッ!!!!!」





斬ッ!!!!!ドンッ!!!!





その言葉に蒔風が目を見開き、ディケイドの身体を切り裂いて消滅させる。
その姿がカードになって蒔風の手に飛び込んでくるが、それよりも蒔風の様子がおかしい。

まるで何かを探しているかのように上空を見上げ、焦っているようにも見えた。



が、その蒔風にクウガタイタンフォームとディエンドが迫ってきている。
クウガの突き、カラミティタイタンを脇に挟んで受け止め、ディエンドの銃撃をタイタンの背中を向ける事でそこに着弾させてガードする。



「小野寺君!!」

「大丈夫です!!それよりも・・・こいつを!!!」



「・・・・・クソッ!!」



と、士をやられた事で激昂する彼らを見て、蒔風がついに逃走する。
クウガを投げ転がし、ディエンドの銃撃をよけながら、衛宮邸の塀に向かって走った。




しかし、その勢いがガクンと落ちた。
見てみると、足をキバーラが掴んで止め、その場から逃がさないとばかりに踏ん張っているのだ。



「チッ・・・邪魔だ!!!!」



ドンドン!!とそのキバーラに向け、銃弾を撃ち込む蒔風。
その体が光となって、彼女もまた、カードへと消える。



そうして、塀に飛び乗って跳躍する蒔風。



彼の姿が、夜の街へと消えていく。







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「チクショウ!!!!士だけじゃなく、夏海ちゃんまで・・・・・!!!!」

「だが・・・・増援は来てくれたみたいだよ」




変身を解いた海東とユウスケ、衛宮邸で待機していると、そこにデンライナーが走り込んできて中から理樹と電王メンバー、泉戸裕理とましろ、更には応龍と鵺が出てきた。



「大丈夫!?」

「オレらは・・・でも、士と夏海ちゃんが!!!」

「舜は?」

「逃げたよ。でも、怪我は負わせた」


質問する理樹に、簡単にだが説明する二人。


と、そこで理樹が翼を広げ、何かの機器を取り出してそのモニターを見る。




「それは?」

「あれは翼人の力の波長を測る装置。それをああやれば、探知することもできる」



ユウスケの質問に、裕理が代わりに応える。
理樹は何かに集中しているようで、そのモニターを見続けている。



「・・・・・・・どうやら、ここ以外で翼人の力は使ってないみたいだね」

「怪我は負わせたんだろ?じゃあまだ近くにいるかもしんねぇ!!」

「そうやな。見つけ出して、一発シメたろ!!!」


「うん。ここに来るまでに、冬木市を取り囲むように鵺が結界を張ってくれたから、この街からは出れないはず。追おう」



そう言って、理樹が機器のモニターの映像をみんなに送り、リンクさせる。
全員の手元辺りに、モニターが浮いて街の地図とが映し出された。





「今ここで、終わらせる。もうこれ以上は、やらせない!!!」








to be continued
 
 

 
後書き

次回は都市逃走編ですね。


ディエンドのスラッシュはオリジナルですが、奇襲にはもってこいじゃないですか?


今回、蒔風の一番の痛手です。
海東、今回のMVP。



「そんなことより、オレをいきなり消すとはいい度胸だ作者」

夏海
「そうです!!主役ライダーで一番最初にやられてしまっては、士君が可哀そうな子です!!!」


「お前それはヒデェだろ!?」

ナツミ
「いいんです!!そこで笑ってなさい!!」(グキッ)


「あははははははははは!!!クソッタレぇぇぇええっはっはっはっはっはっは!!!」



いやぁ、正直ディケイドは速攻で負けますよ?士自身は多分そんなに強くないし。
彼がライダー達の中でタメ張れんのはディケイドの作られた理由がライダーの破壊だからだし。


ナツミry)
「まあ・・・劇場版でもRXに剣技でぼっこボコでしたけどね・・・ん?なんで私カタカナなんですか?」



全表記してみる?ほい



ナツミカン
「・・・・・ほう・・・・・」(ゴキッ)



夏海
「作者は滅んだ・・・・・次回、捜査網脱出!!!ではまた次回!!」

 
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