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真剣で私に恋しなさい!S~それでも世界は回ってる~

作者:navi
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6部分:第四話 悠里と百代と怪談と



第四話です
ではどうぞ〜
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第四話 悠里と百代と怪談と


大和side


天城悠里。その名前は知っていた。成績は優秀、運動もできる、人柄も悪くない優等生。
顔は髪がかなり伸びていて、特に前髪は鼻にかかる位まで伸びているため、両目は隠れて顔は見えない。実際、先日にちゃんとした顔を見たときは誰か分からなかったくらいだ。
あまり大勢と組むことを好まず、この学年のイジメの対象である椎名京と仲がいい事から『変わった奴』のレッテルを貼られていた。
休み時間の大半は読書で過ごし、読んでる本は様々。文学だったり歴史書だったり、はたまた工学系の雑誌やオカルト雑誌、理系雑誌等々……
種類を問わずかなりの量を読んでおり、学校の本は読み尽くしたとか。一回、悠里の読んでいた工学系の雑誌を読ませてもらったが、専門用語や知識が多くて全く分からなかった。悠里が言うには『そっちの高校とか行かないと、普通はわからない』というらしい。
ちなみに、モロはそれを読んでみてかなり興味心身だった。
ただ、そこまで高い知識や運動神経がいいのに今まで目立たないのが不思議だった。それを姉さんに聞いてみると


「悠里は内弁慶だからな。学校では目立たない分知識を色々貯めておくらしいぞ」


ということらしい。まだまだ謎が多い兄さんだった。





大和side end





百代side



原っぱの後に私と悠里は風間ファミリーの一員となり、川神院以外での行動が増えた。もっとも、悠里は隣の学校に友人がいるらしく、たまに走ってそっちまで行くらしかったが……
風間ファミリーに入ってからは、悠里にも友達が増えたみたいで少し安心した。あいつが他の誰かと連んでる所を見たことないし、学校内でも話をする程度しか相手がいない、と本人が言っていたからだ。
一人だけ、入学から付き合いの長い友人がいるらしく、そいつが女子と言うから「気があるのか?」と聞くと、「なにをバカな」と笑って言った。
ふと、この時に思ったのだが、悠里はかなり勿体無いことをしているのではないか?顔は髪に隠れてはいるが、ボサボサに伸びた髪の下にある顔は悪くない。むしろかなりいい。
それを知るのは今のところ学校内では私だけ、それはそれでいいが、私に勝った男が変な奴というレッテルが貼られているのが納得しなかった。
そうと決まれば、実行に移すのが先決だな!私は舎弟の大和を探し出した。





百代side end





悠里side

原っぱ奪還戦から二週間後、風間ファミリーに入った俺とモモは秘密基地に行ったりしながら鍛錬との両立で過ごしていた。モモは舎弟ということで大和を本当の弟の様に可愛がった。俺は元々大和が好きではないから、必要以上に話しかけたりはせず、少し距離を取っていた。いきなり得体の知れない同学年の俺と舎弟契約を結んだのだ。少し不信感もあるだろう、と思いつつ、川神院へと足を向ける。


「お〜い!悠里〜!!」


後ろから声を掛けられたので振り向くと、モモが走って来た。今帰る所らしく、一緒に帰ることにした。


「そういえば悠里、お前日曜に予定はあるか?」

「ん?いや、無いけど?」

「そうか。なら悠里、髪型変えてみる気ないか?」

「は?」


いきなりだったからそんな声を出してしまった。なんと、わざわざ大和に知り合いの良い理髪店を教えてもらい、予約も取ったらしい。……そこまでされたら行くしかないじゃないか。


「大体お前、その髪型でなんか勿体無いだろ?顔はかなりいいのに」

「そうか?」

「今は帽子を取ったスナフキンだしな」

「スナフキン!?」


モモからでた言葉に少しショックを受ける。髪が長すぎるという自覚はあったが、そんなに長かったか?





翌日、鍛錬が終わった後に俺はモモと一緒に理髪店へ向かった。お金は鉄爺に話したら快くお金をくれた。どうやら鉄爺やルー師範代も気になっていたらしい。商店街を抜けて、ちょっと歩くと目的の理髪店に到着する。


「じゃあ、始めるわね。どんな風にする?」

「一番良いのを頼む!」

「メ タ 発 言 !!」


モモがノリノリで言うから思わずツッコんだ。それから一時間くらいで散髪が終了した。


「モモ、終わったぞ」

「おう、どんな感、じ……」


俺を見てモモは固まってしまった。今の髪は後ろ髪は肩に少し掛かるくらい、前髪はバッサリ切られて双眸がハッキリと出ている。


「切ってみて驚いたわ〜。元が良いからハサミが凄く進むし」

「どうしたモモ?なんか変か?」

「いや、変じゃないぞ!すごく似合ってる!」

「そっか。ありがとう」

「っ!?///」


バッ!とモモは顔を赤くして悠里から逸らし、そんなモモを見て悠里は?を浮かべる。店員さんは「あらあら、まあまあ♪」と楽しげにその様子を見ていた。


「女の子の方は頑張りなさいね。彼がイケメンだと狙う人多いわよ♪」

「な!?///」

「?何の話だ?」

「う、うるさい!お前に関係ない!///」

ブンッ!

「おっと!?いきなり殴るなよ!?」

「うるさいうるさいうるさーい!!///」


なにこの理不尽……そして店員さん!笑ってないで止めてくださいよ!!





その日の夜、夕食を食べ終わった俺は自室で勉強を終わらせてから、借りてきたDVDを観ようとしていた。
余談だが、この部屋のテレビやDVDプレーヤーは俺が修理して使えるようにした。前世での職業が電気関係だったから、あとは工学系の雑誌で直し方を覚えて使えるようにした。
DVDを入れて再生させようとすると、


「悠里〜、入るぞ〜」


モモが部屋に入って来た。どうやら暇で遊びに来たらしい。丁度映画見るとこだったけど……


「モモはやめたほうがいいと思うけどな……」

「いいだろ〜、暇なんだよ〜、かまえよ〜」

「見てもいいけどな……騒ぐなよ?」


一応、警告はした。結果はまあ、予想できてるが……





一時間後……


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!出たぁぁぁぁぁ!!」

「だから言わんこっちゃない……」


もう何度目かわからないモモの悲鳴。今見ている映画、それはジャパニーズホラー映画の金字塔『リング』だ。丁度観たくなったので借りてきた。別に他意はない。


「うぅぅぅ……」


モモはすっかり怖がって背中に隠れてしまった。
最強を誇るモモだが、やはり弱点があった。それはオバケだ。理由は殴ることが出来ないから。昔からそれだけはダメで、限界が来ると暴れかねない。


「なんでこんなの借りてきたんだよ……」

「いや、なんとなく。観たくなったから」

「私が苦手なの知ってるだろ!?なんでよりにもよってこれなんだよ!?」

「そもそも一人で観るつもりだったんだけど……」

「うるさ『キャァァァァァ!!』うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

「ハァ……」


やっぱりこうなったか……怖がるモモに気を配りながら、映画を見た。数分後、ようやく映画が終わったのでモモを部屋まで送ろうとしたが……


「悠里〜……」


恨めしそうに睨みつけるモモ。余程怖かったのだろう。涙目になってるし……


「悪かったよ……ゴメン」

「怖かったんだからな……」

「ゴメンな」

「…………」


ぎゅう……っと、モモは服の裾を握って、顔を押し付けてくる。いつも連れ回すモモも、こういう所は女の子なんだと思う。


「……悠里」

「ん?」

「……今日は、一緒に寝ろ」

「……え?」


いきなり斜め上を行く発言に驚いてしまう。モモを見るとまだ怖いのだろう、顔を隠している。


「……お前が悪いんだから、きちんと責任取れ」

「……わかったよ」


今回は俺が悪い。すぐに布団を敷いて寝ることにした。ちなみに寝るとき、モモが俺の片手を離すことはなかった。ちなみに次の日になったらモモが俺に抱きついてきてて、それに気づいたモモが俺を殴り飛ばしたのは余談だ。……理不尽じゃないか?





次の日の朝、登校する際に何故か周りの視線が気になった。そんな事があって教室に入ると、クラスメートも驚いた顔をしていた。そんな視線を無視し、自分の席に向かい、


「おはよう、京」


いつも通り京に挨拶をする。京はこっちに気が付いて顔を上げるが、少し驚いた顔をして、


「……悠里?」

「おう」


自信なさげに言う京に答える。すると


『えぇぇぇぇぇぇぇ!!??』


クラスメートがいきなり大声で驚いた。……そんなに驚くことか?


「今の方が似合ってるよ」

「そうか?」

「前のは鬼太郎かスナフキンだったから」

「またスナフキンか……」


どんだけ俺は伸びてたんだ……
その日、昼休みにキャップが来てかなり驚いていた。放課後は他のメンバーに驚かれたが、ガクトがスナフキンを連呼するから殴り飛ばした俺は間違ってない。
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牙狼の武器のメタルチャームガチャポンやって銀狼があたりました。
丁度車のキーホルダーが欲しかったので良かった良かった。

ちなみに作者の好きな魔界騎士は牙狼と銀狼とキバです。
 
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