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真剣で私に恋しなさい!S~それでも世界は回ってる~

作者:navi
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38部分:第三十四話 東西交流戦 蘇る伝説



第三十四話です
ではどうぞ〜
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第三十四話 東西交流戦 蘇る伝説


2009年6月8日(日)


始まりは鉄爺の一言だった。
福岡の天神館の一行が修学旅行で川神に来るということで、学校ぐるみでの決闘を申し込んできた。1年、3年と来て戦歴は1勝1敗と互角。あとは俺達2年の結果となる。


「今は、クラス同士で対立している場合ではないぞ!1年達の敗北を見ていたであろう。天神館を、バラバラに戦って勝てる相手だと侮るなよ!学舎の名を高めるか!辱めるか!選べ、お前達!」


英雄の演説により2年全体の士気は向上し、団結力が強まっていった。


「というわけで作戦会議、というわけですが」

「天神館の戦力は団結力だからな。無闇に行くのは無謀だ」

「注意すべきは上位の10人……『西方十勇士』ですね」


西方十勇士。天神館の2年の精鋭で作られたエリート達。取り分けこの学年は『キセキの世代』と呼ばれる程、実力者が多いらしい。


「その十勇士なんだけどさ」

「兄さん」

「どうかしましたか?」

「……俺、アイツらと戦ったことあるんだよ」

「本当ですか?」


1年前、合体剣を貰った際に初めの練習相手に指名されたのはこの十勇士だった。もう面倒だったので10人まとめて相手にした。


「結果はどうだった?」

「負けると思うか?」


大和の問いに俺は余裕で答えた。相手は確かに強かったが、こっちを東の軟弱者と侮っていたのだろう、俺は手加減することなく剣を振るって圧勝した。


「一応、そん時の戦いの癖は覚えてるから、配置とか対応は出来るんじゃないか?」

「十分です。これで負けることはありませんよ」

「ああ、これだけ有力な情報があるんだ。負ける要素なんかない」


俺の出した情報を元に、冬馬と大和は部隊編成や配置を考えていった。


「そういえば冬馬、お前と準の親父さん大丈夫なのか?」


この日の前日、葵紋病院の院長と副院長が大怪我をしたことは、川神市に広く伝わっており、市民の話題は大きかった。


「こういう言い方はどうかと思いますが、怪我をしてよかったと思っています。おかげで色々と運気が好転してきました」

「そうだな、命に別状ねーわけだし。今までは忙しいのはわかるけどアンタら大丈夫なの?って感じだったからな…いろんな意味で。これを機に静養しつつ、自分を見直して欲しいね」


何故か晴れ晴れとした顔で2人は答えた。

そして東西交流戦が始まる。俺は2人の指示通り、アポカリプスを片手に先陣を切った。


「黒狼の天城悠里!お前の武運もここm「はい邪魔」……」

ドカッと俺は叫んでいた奴の顔を踏みつけると、それを踏み台にして高く跳躍する。俺はアポカリプスを振りかぶると、刀身から光が放たれる。


「星よ降り注げ、メテオレイン!」


俺は気で形成した球体を隕石の如く敵陣に飛ばす。
いくら俺でも隕石を落とすのは不可能なので、とりあえずこれで相手の陣を乱す。普段は発動に時間が掛かるが、今の状況なら問題無い。俺は近くの足場に着地すると、そこから目的地に向かって走り出した。





大和side


開始と同時に兄さんは飛び出し、空中から気の弾を降らせる。姉さんと同じく、やはりこの人も規格外の強さを誇っている。相手の敵陣で1人内部から攪乱させてる様に見えるが、目的は違う。


『大和、もうすぐ目的地に着くぞ』

「わかった。あとは予定通りよろしく。京、頼んだ」

『ん…任せて』


俺は兄さんと京に指示を飛ばすと、もう一度戦場を見回した。


「初手はとりあえず成功、ですかね」

「兄さんがあっちの連中と面識があって助かったな」


反対側の足場にいる冬馬に言う。天神館や日本で知らぬ者はいない『黒狼』天城悠里。相手は東の武人を舐めている、という兄さんの言葉通り、相手は名のある東の武道家である兄さんへと戦力が集中している。そこを他の部隊が強襲して陣が崩れた。


「前衛はそのまま前進。今ので負傷した人は一旦下がってくれ」

「治療が終わって復帰出来る人は順次戦線に戻ってください。無理はせずに行ってください」


俺達は辺りへと注意を呼びかける。戦いは始まったばかり。あとは兄さんの連絡を待つか。





悠里side

俺は目的の場所に着くとワイヤーガンを撃って上に登った。そこは巨大な貯蔵タンクの上で、この工業地帯を一望する事が可能だ。


「さて……そんじゃ、行きますか!」


俺は一度目を閉じて、精神を集中させて目をもう一度開く。周囲の色が変わり、人は赤と青の2色に変化した。これがアサシンクリードの「タカの眼」だ。自身の敵と味方の気を判別し、さらにはその相手の足跡も追うことができる。俺はタカの眼で周囲を見渡すと、1つの気を見つけた。


「大和、ワン子の近くに十勇士がいる。相手は大友焔」

『わかった。武器が大砲だからどこかに弾薬を隠してるはずだね』

「目星はついてる。近くのマルさんを向かわせてくれ。あと、近くに違う奴の気配もあるから、京にも援護頼む」

『わかった』


大和は連絡を終えるとすぐに指示を出した。流石は軍師、迅速だな。俺は再びワン子へ向くと、案の定大友の火力に押されていた。
さらに大友が弾を補充するのを狙って、ワン子に三発の矢が放たれる。十勇士の1人であり天下五弓の名手、毛利元親のものだ。
しかし、こちらにも天下五弓の椎名京がいる。京は正確な狙撃で毛利の矢を落としていく。
毛利の矢を落とした京は、追撃を掛けるべく次の矢を引き絞る。その先端には……爆薬。
爆薬は隠れた毛利の1メートル手前で爆発した。


「美しいこの私がぁぁぁぁぁ〜!?」


爆風に吹き飛ばされながら、毛利の叫びが響いた。そのまま毛利は地面へと落下していった。


「椎名流弓術『爆矢』……相手容赦ないからこっちもね」


流石は京。正確無比な弓で毛利をさっさと退散させたな。
次にワン子の所にはマルさんこと『猟犬』マルギッテ・エーベルバッハが到着。ご自慢のトンファーを構え応戦する。
国崩しを封じられた大友だったが、それでももう一つの国崩しでマルさんに応戦した。


「決して攻撃を止めない気骨、見事だ…!」


マルさんは大友を賞賛すると、迷いなく突撃する。腕を使えない大友は次弾の装填が遅れてしまい、反撃できなかった。


「トンファー・アームストロング!」


大友を浮かしたマルさんはトンファーでメッタ打ちにする。空中で防御することができない大友は技を食らい吹っ飛んだ。


「無念だぁぁぁっ!!!」


迷いの無さが、2人の勝敗を分けた。それから2人は再び戦線へと戻っていく。しばらくすると、様々な場所から十勇士の討伐したとの情報が流れた。やられたのは尼子、龍造寺、鉢屋、宇喜多、長宗我部の5人。今、大友と毛利がやられて、残りは3人。1人は今回の戦闘では出てこないだろう。あとは自分達で石田を探さないとな。その時、俺の携帯が鳴った。相手は冬馬からだ。


「どうした?」

「悠里くん、大和くんが本陣へ突入していきました」

「早いな……従者は?」

「それが……1人で」

「……はぁ?」

「本陣に総大将が不在らしく、1人で討伐に行きました」


あのバカ……大した事無いとは言ったけど、あくまで俺主観だって忘れてないか?


「悪い冬馬、あとは頼めるか?」

「ええ、任せてください」


俺はタンクから飛び降りると、敵の本陣へと走った。
本陣に着くと、既に石田と大和が接触していた。石田は髪が金髪になっており、光龍覚醒を使ったのは明白だった。
石田は大和に大きく刀を振り上げる、その刹那。工事の垂直に近い壁を、掛けて降りてくる人間がいた。


「源義経!推参!!」


その少女は壁を蹴って石田に一閃を与える。攻撃を食らった石田はその場に跪いた。


「ぐ……はっ、その名前…お前も…俺や島と同じように、武士の血を引く人間か……」

「違う。義経は武士道プランで生まれた者。血を受け継ぐ者にあらず…そのものだ」

「…?それにしてめ理不尽までの強さ……だが!」


石田は倒れずに義経へと接近する。俺はその間に割って入り、石田の剣を防いだ。


「!?」

「貴様…天城!」

「久しぶりだなぁ、石田。相変わらず派手な髪だな」

「此処であったが百年目!貴様を倒して、俺の出世街道の駒にしてくれるわ!」

「そうかよ。……儚い夢だったな」


俺は防御を解くと、石田の刀を頭上に弾き飛ばす。隙が出来た石田にアポカリプスをフルスイングで喰らわせ、


「吹っ飛べ!!」


石田を吹っ飛ばした。石田は壁に激突し、周りには大きくくぼみができていた。


(弁慶並みの力に、それを軽々と扱う剣の腕……しかもあんなに大きな大剣を使っているのに、普通の剣と変わらない剣速……)

「見事な腕だ。義経は感動した」

「どうも」

「これぐらい感動した!」


ばっ、と手を広げる義経。……うん、なんか分かりにくいけど、とりあえず感動してもらえて何より。


「えっと……君は2年なんだよな?今まで見たこと無いけど……」

「無理もない。義経は今日から2—Sに編入された。正直、少し緊張しているが頑張ろうかと」

「そうか……ところで大和、大将を潰すからと言って単騎で行くとか、お前なにやってんの?」

「……面目ない、兄さん」

「…気持ちは分かる。義経も時々やるからな」


ぽんぽん、と元気よく義経に大和は肩を叩かれる。
ワン子の方もどうやら終わったようだ。これで俺達の勝利は決まった。


「ワン子、勝ち鬨を上げろ」

「え?いいの!?」

「君にはその権利がある」

「それじゃあ……エイエイ、オー!!」

『エイエイ、オー!!』


ワン子はが勝ち鬨を上げると、川神学園の全員がそれに応えるように叫んだ。
義経はそれを見届けるとその場を後にするが、再び戻ってきた。


「すまない……道がわからない」


若干泣きそうな声で義経は言った。……彼女の学園生活はまだ始まったばかり。
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キングダムハーツ3D買いました!

リクの技が格好良すぎますね。ドリームイーターもなかなか可愛いです。
そしてOPに王様、ソラとリク、ヴェンとテラとアクア、さらにはロクサスと歴代キーブレード使い達が集結するところにもう鳥肌が……
早く続きが気になります。



 
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