ガンダムビルドファイターズ ~orbit~
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閑話④
前書き
とりま、ここで閑話を挟みましょう。前回は前作主人公がバトルをしたので、別の方にもバトルをしてもらいました。
では、どうぞ。
「やっぱり強いっ………! 」
ハルカゼ トウイの新しい愛機、アストライアフリーダムが攻撃を回避していく。一瞬でも気を抜けばすぐにやられるほどの攻撃だ。
「けど、フリーダム使いとして負けるわけにはいかない! 」
四方八方からくる攻撃を辛うじて回避し、反撃にアストライアブレイドをライフルモードに切り替えて攻撃する。
『甘いっ! 』
抜き放たれたビームサーベルで攻撃は弾かれ、一気に距離を詰めてきた。
「ならこっちも接近で! 」
両手のアストライアブレイドをソードモードに切り替え、こちらも距離を詰める。
間合いに入る直前で機体を回転させ、勢いをつけて攻撃する。しかし、ビームサーベルで衝撃を完全に殺されて防がれる。
そこから、新たに抜刀されたビームサーベルの鋭い一閃が斬り払われる。とてもじゃないが、見てから反応したのでは回避できない。
しかし、今まで積み重ねてきた経験により、防がれた直後に後方へと距離を取っていたため回避することが出来た。
「さすがメイジンカワグチ!まさか戦えるなんて、光栄です! 」
そう。相手はあの三代目メイジンカワグチ。ガンプラ界のカリスマ。そして、大会三連覇という偉業を成した男だ。
『ハルカゼ氏も、噂通りの強さだ!いや!噂以上だっ!! 』
そして、メイジンカワグチが駆るガンプラは、第八回ガンプラバトル選手権で使用されたアメイジングストライクフリーダムだ。
いきなりの事もあるので、まずはなぜメイジンカワグチとバトルをすることになったかという経緯を話そうと思う。
ーーー--
「はい……はい……えっ!?わ、分かりました!今お電話を代わります! 」
いつも通り仕事をこなしていると、一本の電話が入った。
「ハルカゼさん!お電話です! 」
「ん?そんなに慌ててどうしたの?まさか、上から何か言われたのかな? 」
と、呑気に電話を代わると、電話の主は驚くべき人物だった。
『あなたがハルカゼ氏か?私はメイジンカワグチだ。急で申し訳ないが、後日そちらに伺わせてもらいたいが、よろしいだろうか? 』
…………えっ!?今とんでもない人物の名前が聞こえたんですけど。おかしいな~。仕事の疲れでも溜まって幻聴でも聞こえたのかな~。とりあえず、念のため名前を聞こうかな。
「すいません。名前をもう一度お願いします」
『メイジンカワグチだ。驚かれるのは無理はない。だが本人だ』
うわーお。やっぱりメイジンカワグチだったよ。なんで僕の所に電話を入れてくるんだろ?
「あー、分かりました。それで、後日伺いに来るのですよね? 」
『ああ。よろしいだろうか? 』
「もちろんいいですよ。楽しみに待っています」
『感謝する。ではまた後日に会おう』
そこで、電話が切れた。ゆっくりと受話器を置き、電話に出たウスイ君の方を見る。
「………なんでメイジンが? 」
「………なんでなんでしょうね?対して実績を残しておりませんし、以前に試したものもまだ改善中ですからね」
「さらっと酷い事言ったね君。あっ、もしかしてその改善中のやつに興味があるとか? 」
「可能性としては低いんじゃないですか? 」
「相変わらずナイーブだな~」
と、時間は一気に飛んで翌日。メイジンカワグチが来ました。
「会えて光栄ですメイジン。ここの主任のハルカゼです」
握手と挨拶をかわし、メイジンカワグチを迎え入れる。
「急ですまなかった。しかし、電話した時にすぐに信用してくれるとは思ってなかった」
「疑ってもしょうがないですからね。ですが、ここでの研究は一応極秘な物もあります。見せられないものは見せられませんよ? 」
「構わない。急に押し掛けてきたのはこちら側だからな」
「ありがとうございます。それで、本日の用件というのは? 」
「ああ。実はこの夏に、全国各地に向けてある物が支給されている。私はそれを届けに来たんだ」
そう言うと、メイジンカワグチはケースを差し出してきた。
おもむろにケースを受け取り、中身を見ても問題ないかアイコンタクトを飛ばすと、力強くメイジンカワグチは頷いた。問題無いということなのだろう。
その中身は、昔ニールセン・ラボで試作された武装『カレトヴルッフフェーダー』のランナーが、ケースの中に収納されていた。
「なるほど…………ありがとうございますメイジン。しかし、それなら配達になりすればいいのに。わざわざ届けてくれるとは。本当にありがとうございます」
「構わない。私も、個人的な理由で訪れたのでな」
「個人的な理由? 」
「ああ。ハルカゼ氏。あなたの数々のバトルを見せてもらったことがある。そのどれもが、素晴らしいものだった」
そこまで言うと、メイジンカワグチのサングラスがキランと光った。
「つまりハルカゼ氏…………私はあなたにバトルを申し入れたいと思う! 」
どこからか聞こえるババーン!という効果音と共に、メイジンカワグチは宣言してきた。
メイジン…………それって、私闘になるから、立場的にも控えた方がいいんじゃないですか?
「けど………………そのバトル、受けてたちます! 」
「そう言ってくれると信じてたぞ!では、始めよう! 」
ーーー--
「バトルシステムはここです。ダメージレベルはCに設定しています。これで思う存分戦えますよ?」
「了解した。してハルカゼ氏よ。あなたはフリーダム使いと聞いた。今使用する機体も、フリーダムか? 」
「?ええ、そうですよ。それがどうかしましたか? 」
「いやなに。実はハルカゼ氏とバトルをするために、私も機体を用意したものでね」
そう言うと、メイジンカワグチは自身の使う機体を突き出し、見せてきた。
「アメイジングストライクフリーダム…………! 」
一目見ただけで完成度の高さが分かり、そしてよく知っている機体だ。
「いいでしょう!なら、僕はアストライアフリーダムで行かせてもらいます! 」
アストライアフリーダムを突き出しながら宣言し、互いに不敵の笑みを浮かべる。
バトルはすぐに始まり、そして今に至る。
アメイジングストライクフリーダムは右手のビームサーベルを収納し、ライフルを構えて攻撃してきた。距離を取ったばかりアストライアフリーダムは回避することは出来ず、ビームシールドで受け流しつつ防ぐ。
防ぐと同時に右手のアストライアブレイドのライフルで反撃し、タイミングをずらして左のアストライアビーム砲で砲撃する。
しかし、アメイジングストライクフリーダムはライフルでビームを撃ち落とす。砲撃は軽々と回避し、砲撃の軌跡に沿って接近してきた。
左手のアストライアブレイドをソードモードに切り替え、右手のアストライアブレイドで攻撃しながらこちらも接近する。
アメイジングストライクフリーダムは変わらずビームを撃ち落とし、ビームサーベルを振るってきた。
アストライアブレイドのソードとビームサーベルが激突し、お互い瞬時に次の行動へと移す。
右手のアストライアブレイドの砲頭からビームサーベルを発生させ、アメイジングストライクフリーダムはライフルからビームサーベルへと武装を切り替える。
『「はあああぁぁぁぁぁっ!! 」』
アストライアブレイドとビームサーベルとの剣撃を繰り広げる。アメイジングストライクフリーダムの攻撃は少しずつ。だが確実にダメージを与えてくる。対してこちらは、ダメージ覚悟でアメイジングストライクフリーダムに攻撃するが、全てさばかれてしまう。
やっぱり…………接近戦はヒロヤ君じゃないと無理かっ!けど!
アメイジングストライクフリーダムがビームサーベルを水平に斬り払おうと構えようとした瞬間、一瞬の隙を逃さず宙返りして距離を取る。宙返りした瞬間にはビームサーベルが斬り払われており、コンマ一秒でも遅れればやられていた。
「切り抜けろ!アストライアっ!! 」
アストライアブレイド二刀を構えて、すぐにアメイジングストライクフリーダムに急接近する。
『来るか!ならば、敢えて受けよう! 』
アメイジングストライクフリーダムはビームサーベル二刀を構え、こちらを迎え撃つ。
アメイジングストライクフリーダムとすれ違い際に機体を回転させ、アストライアブレイド二刀で攻撃する。アメイジングストライクフリーダムはきっちりと反応し、ビームサーベルで攻撃を防いできた。
アストライアブレイドの後部からビームサーベルを発生させ、後ろ向きに突き出す。読まれていたのか、アメイジングストライクフリーダムは振り返り際にビームサーベルを振るい、この攻撃も防がれた。
「ここ、だぁっ!! 」
通り過ぎた瞬間にバーニアを全開にして勢いを殺し、機体を翻して逆さまの状態でハイマットフルバーストを放つ。
『っ! 』
アメイジングストライクフリーダムはビームサーベルで弾ける攻撃は弾き、避けられない攻撃はビームシールドで防ぐ。だが、近距離にも近いハイマットフルバーストを受けたため、機体にダメージが入った。
『面白い!その攻撃は初めて見せてもらった! 』
「まだですよメイジン! 」
アストライアブレイド二刀からビームサーベルを発生させ、ビームブーメランのように投擲する。しかし、レール砲で破壊されてしまう。だが、その爆風を利用し、エクスカリバーV2二刀を構えて接近する。
「エクス…………! 」
エクスカリバーV2二刀をドッキングし、一本の大剣と化して接近する。そして黄金の粒子が纏い、エクスカリバーV2の間合いに入る。
「カリバーーー!!! 」
エクスカリバーV2を斬り上げ、アメイジングストライクフリーダムに攻撃する。
『これは───! 』
アメイジングストライクフリーダムはビームサーベル二刀で受け、後退し、受け流しながらエクスカリバーV2の衝撃を殺す。
そうしてお互い距離を取ると、アメイジングストライクフリーダムは武器を下ろす。
『ふぅ…………素晴らしい攻撃だった。最後の最後で油断してしまったな』
「ありがとうございます。けど、本気を出してない上に紅の彗星も出されないとは。まだまだ精進しないとな~」
苦笑いしながら答え、バトルを中止にした。
ーーー--
「っぷっはぁー!疲れた~」
あのあとメイジンと話をし、見送ったあと椅子にもたれかかる。
「押されまくってましたね。お疲れ様です」
「ドライ男ウスイ君。君もメイジンとバトルしてみれば分かるよ? 」
「瞬殺されるのは分かってるのでいいです」
「やれやれ…………それで、カレトヴルッフフェーダーはどうしよっか?一応十数本はある感じだけど、所員全員分は無さそうだし」
「いつも通りでいいんじゃないですか? 」
「オーケー。じゃあ早速始めよっか。みんなー!一旦作業中止!切りのいい所で止めてねー! 」
所員全員に声をかけ、全員が集まった所でケースを取り出す。
「えー。知ってると思うけど、さっきメイジンが来たときにカレトヴルッフフェーダーの武装を渡されました。けど、残念ながら全員分は無いんだよ…………そこで、恒例のアレをやろうと思うけど、いいかな? 」
所員全員から問題ないでーす!と返事を頂き、うんうんと頷く。相変わらずここの所員はノリがいいなー。
「よし、じゃあ始めよう!欲しかったら、その手で掴むように!バトルで勝利数が多い順に渡すから、皆の健闘を祈るよ」
「嫌味にしか聞こえないですね」
ウスイ君のドライ発言をスルーし、言葉を続ける。
「では始めるよ!バトル…………スタート! 」
こうして、社内でカレトヴルッフフェーダーをかけたガンプラバトルが開始されたのであった。
後書き
カレトヴルッフフェーダーが分からない?その場合はグーグル画像検索してください!めちゃくちゃかっこいいですよ!?
と、まあさておき。今回はコーチにバトルをしてもらいました。ですが、あくまで閑話なので内容事態は少ないです。
書いてて思ったんですが、この二人はガンガン出るのに、紅一点のトオサカが全然出てないというのに気づきました。ち、違うんだ!忘れてた訳じゃない!仕事が忙しいとでも思っててくれ!
というわけで、次回は本編に戻ります。では、また次回の更新に出会いましょう。
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