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真剣で私に恋しなさい!S~それでも世界は回ってる~

作者:navi
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25部分:第二十一話 Day by Day



第二十一話です

ではどうぞ〜
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第二十一話 Day by Day


2009年4月28日(火)





まゆっちがファミリーに加入してから2日後、俺達は少し多くなったメンバーで登校していた。
昨日は大和がS組の不死川を麻雀で完封して、不死川は泣いて帰って行った。冬馬によるとリベンジを頼まれたらしく、今日あたり行くかもしれない、とのことだ。
……どうでもいいですけど
俺達は多馬大橋に差し掛かると、


「兄者!あれが川神百代じゃけぇのぉ!」

「ウム、噂にたがわず美しい。満点で合格だな」


見るからにゴッツい筋肉自慢の2人が待ち構えていた。会話から察するに兄弟で百代への挑戦者なのだろう。


「川神百代とお見受けするけんのぉ!」

「そうだが」

「我らは地元では知らぬ者のいない仁王兄弟。道場の世継ぎを作るために強い嫁を探している」


なんとも自信に満ちた事で……いや、むしろあれは慢心か。地元で知らぬ者はいなくても世界とではワケが違う。それでは井の中の蛙だ。天狗になってるな、あれは。


「ガクトが2人いるみたい。筋肉バカ」

「俺様の方が断然知的でナイスガイだぜ」


京の言葉にガクトが反論する。……そういう意味じゃないんだけどな。けどまぁ、確かにガクトの方がマシだと思う。


「アンタ達、純粋な勝負か嫁探しかどっちだ?」


大和が仁王兄弟に問いただした。それを2人はせせら笑いながら答える。


「勝負なんかしなくても俺達の圧勝だけんのぉ」

「嫁探しだ。俺と弟の相手をするな。ワハハハ!」


……あ?何つった?嫁探しだ?コイツら武道家の誇りを踏みにじりやがったな。


「兄者!あっちの黒髪の奴が天城悠里だけんのぉ」

「ふん、只の優男じゃな。俺達の圧勝だけんのぉ」


カチン


「……あいつら、好き放題言ってくれたな」

「流石に言い過ぎだね。……死ねばいいよ」


今の言葉に頭にきたのだろう、モモと京は臨戦態勢をとった。
けど、そこは俺が前に出て2人を制す。


「悠里?」

「今回は俺が行くよ。……腹が立ってしょうがないし」


俺の意図を悟ったのだろう、モモと京は後ろに下がった。俺は大和に荷物を預ける。


「兄さん、今日は何秒で倒す?」

「12秒……いや、10秒でいいや」


あの2人に聞こえないように俺は大和に言う。軽く体を動かすと、俺は兄弟を見据えた。兄弟は今だにニヤニヤと笑っていた。
その笑いは正直、不愉快でしかないから俺はとっとと終わらせたかった。


「やる気じゃけんのぅ、兄者」

「俺達兄弟にかなうわけが…グボッ!?」


その瞬間、兄は顎を蹴り上げられて体は宙を舞った。
俺はほぼ一瞬で兄の方に近づいてサマーソルトキックを浴びせて、兄は空高く舞った。
高をくくっていたから当然だが、突然の出来事に弟は驚く。俺は着地して、構わずに弟に攻撃を加えた。


「余所見してんじゃねぇよ」


掌底を食らわせ、回し蹴りで多馬川へと落とす。その後、俺は跳躍して上空に上げた兄を追う。同じ高度に達すると、

ガシッ!

兄の頭を掴んで空中で振り回す。


「星になって来い!メテオストライク!!」


FFⅦのティファ・ロックハートのリミット技Lv.3のメテオストライクで多馬川へと兄をブン投げた。兄は大きな水しぶきと共に無事着水。俺は空中で回転してから歩道に着地した。


「大和ー、タイムは?」

「9.8秒。しっかり時間内だよ」


時間を確認すると、俺は多馬川の兄弟を見てみた。2人ともかなり怯えた様子だったが、命に別状はない。


「おいお前らー、誰が優男で圧勝出来るんだっけー?」

「い、いや、その……」

「つか、お前らさー、ウチの幼なじみになんか言ってたなー?もし次言ってみろー?……叩き殺すぞ?」


叩き殺すの部分を強調して言うと兄弟は怯えながら帰って行った。俺はファミリーの所に戻る。


「面倒だった……」

「しかし流石だな。先程の投げは見事だった」

「つか片手で大男投げるとかマジパネェ〜。どんだけ〜」

「こ、こら松風!」


……うん、まゆっち、それって結局は自分の本心だよな?ちょっと傷つくよ?さすがに……
何はともあれ、登校はそんな感じで終わる。
その日の放課後、やはり冬馬は大和に決闘を挑んできた。内容は競馬と同じ、陸上部の練習する徒競走の着順を当てるものだった。結果は一足及ばず、冬馬の勝利となった。
だが、試合終了の際にキャップが仇討ちということで準と校門までの競争で再び対戦。結果は屋上から木に飛び乗って降りたキャップが勝利となった。
その後キャップは真っ直ぐバイトに行ってしまったが……





その日の夜、俺は秘密基地にて漫画を読んでいた。
余談だが、俺の読んでる本はマニアックな物が多い。モロが殆ど面白そうな物買ってくるし、大和は週刊誌読んでるから俺はそれを借りればいいから、どうしてもそっちに行ってしまう。
ちなみに今読んでるのは『ウォッチメン』。アメコミでも屈指の人気作で実写化もされた。


「悠里〜、何を読んで……またなんかマニアックなもの読んでるな……」

「読むか?なかなかに深いぞ、これ」

「それもいいが、なんか面白い事ないかー?暇なんだよ」

「それを今週何回聞いたよ……大和いじってこいよ。今日決闘で負けたから」

「ほぅ……それはイジリがいのある……なぁ、悠里」

「ん?」

「ちょっと相談がある」

「相談?」


モモが相談なんて珍しいので、俺は聞いてみることにした。


「実はな……最近、力の加減がわからないんだ」

「……は?」

「島津寮の風呂を壊した時、確かに私は力を入れてはいなかった。けど、実際は壊してしまうほどの力を出してしまっていた」

「あ〜……」


そういえば鉄爺言ってたな……力の制御が不安定だとかって……


「こんな話お前にしか出来ないし……正直、自信が無いだ。確かに負けない自信はあるが、力の制御できる自信がない……」

「モモ」


俺はそう言ってうなだれたモモの眉間を指で突いた。いきなり突かれたモモは眉間に手を当てて講義する。


「い、いきなり何をする!?」

「なに弱気になってんだよ、お前は。それでも武神か?」

「お前なぁ……真剣に悩んでるんだからもっと真面目に聞いてくれても……!」

「いいんじゃねぇの?別にさ、答えなんか無数にあるんだ。そうやってもやもやウロウロしてるって事は、出口を探し続けてるってことだろ?思考停止じゃないし、そうやって身を持って体験して自分で探さないと、意味ないじゃん」

「む……」

「それにさ、モモ言ったろ?ファミリーを守る人になるってさ。ならとりあえず、それでいいだろ」

「……本当にそれでいいのか?」

「モモがそう決めたんなら、それでいい。もし暴走したら俺が止めてやるから安心しろよ」


そう言って俺はモモの頭を撫でる。これは昔からの癖だから、今更治そうとは思わない。


「またお前は私を子供扱いする……」

「あれ?嫌いか?」

「い、いや……むしろ好きだが……///」

「ならいいだろ」

「むー……///」


モモは頬を赤くしながら、なすがままに頭を撫でられた。その様子を見ていた京は、


「むー(メラメラ)」

「み、京?なんか怖いぞ?」

「兄さん……場所を考えてやってくれ……」

「全くもう……」


嫉妬の炎を上げて、周りはその被害が来ないことを祈った。
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タイトルに意味はあまりありません。
タイトルが思い浮かばずこれになりました
 
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