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ドリトル先生と沖縄の蛇達

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第十二幕その四

「学校に行ってもいいね」
「八条学園は本当に世界中のお料理が集まっていて」 
 チーチーも言います。
「南国の果物まであってね」
「沖縄の果物も美味しかったわ」
 ポリネシアはその味を思い出しています。
「凄くね」
「そうしたものも食べられるし」
 トートーの言葉です。
「学園では」
「あの学園は何でもあるわね」 
 ガブガブはこのことを有り難く思っています。
「本当に」
「そして大阪も」
 ホワイティはこの街に注目しています。
「そうなんだね」
「じゃあ大阪も学園も」
 ジップはどちらにも言いました。
「行けばいいね」
「行きたい場所に行って」 
 最後に老馬が言います。
「沖縄を楽しもう」
「そうしようね、やっぱり本場が一番にしても」
 それでもと言う先生でした。
「大阪や学校でもね」
「沖縄を楽しもうね」
「動物園にも沖縄の動物がいるし」
「ハブとかヤンバルクイナとかアマミノクロウサギとか」
「植物園にもあるしね、沖縄の植物」
「水族館にもいるしね」
 沖縄の海の生物達がです、こうしたお話もしてでした。
 先生達は空港から電車に乗って大阪に入ってそのうえで神戸に戻りました、久し振りに戻った我が家はとても懐かしい感じがしました。
 トミーが迎えてくれて先生達のお話を聞いて言いました。居間でお茶を飲みながら。
「よかったですね、ただ」
「ただ?」
「沖縄にはそんな蛇もいるんですね」
「ヒヤンやハイだね」
「そうした種類の蛇達も」
「案外知られていないみたいだね」
 先生はトミーに答ました。
「彼等は」
「僕も知りませんでした」
「珍しい蛇っていうのはね」
「お話してくれた通りですね」
「そうだよ、ヒヤンは赤くてね」
「それでニジヘビともいうんですね」
「オキナワニジヘビとね」
 この名前だというのです。
「またの名を言うんだよ」
「そうですか」
「それでね」
「個体数が少なくて」
「地元でも見た人が少ない位だから」
「僕が知らなくても」
「それもまた普通だよ」 
 とにかく珍しい蛇だというのです。
「動物図鑑でも爬虫類の専門の図鑑でないと」
「そうそうは、ですか」
「載っていないかもね」
「それも凄いですね」
「そうした蛇だよ」
 ヒヤンやハイ達はというのです。
「トミーが知らなくても道理だよ」
「別に気にすることはないですか」
「そうだよ、彼等に会えて保護も出来たし」
「本当によかったですね」
「全くだよ、最高の旅だったよ」
「それは何よりです、ただ」
「ただ?」
「学問のことはいいですが」
 勿論旅行のこともです。
「何かそれだけですか」
「安座間さん、真喜志さんというお友達も出来たよ」
「お友達ですか」
「そうだよ、お友達だよ」
 あくまでこうとしか認識していない先生です。 
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