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黄金バット 第十三話 ナゾー博士広島の電人

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第五章

「その時まで待っていたまえ」
「消えたか」
「また急に消えたな」
「何処から出て何処に消えるんだ」
「怪人は一体何だっていうんだ」
 皆テレビから消えた博士を見て思います、ですが。
 ロボットは確かに消えました、広島の街も人達も守られました。
 そうしてです、総理も言いました。
「今回も黄金バットに助けられたよ」
「はい、そうですね」
「今回もです」
「黄金バットが出て来てくれてロボットの弱点を示してくれて」
「本当に助かりました」
 まさにというのでした。
「若し黄金バットが出て来てくれなかったら」
「その時は」
「広島の街はどうなっていたか」
「わかりません」
「全くだ、黄金バットにお礼を言おう」
 こうも言うのでした。
「ここは」
「はい、皆で」
「黄金バットにお礼を言いましょう」
「今回も助けてくれたことを」
「是非共」
「そうしよう、有り難う黄金バット」
 総理がはじめに黄金バットにお礼を言いました。
 そして周りの人達も皆もです、口々にでした。
「黄金バット有り難う!」
「今回も助けてくれて有り難う!」
 お礼を言います、ですが。
 黄金バットは彼等の顔を見て何も言わずにです、何処かに飛び去っていきました。人々の感謝の念を背中に受けながら。
 その黄金バットを見てです、総理は感嘆の言葉を出しました。
「おそらく黄金バットは」
「黄金バットは?」
「彼はといいますと」
「我々にロボットの弱点は教えてくれたけれど」
 それでもというのです。
「我々の手で守ることを願っていたんだ」
「そういえばそうですね」
「弱点は示してくれましたけれど自分では攻撃しませんでした」
「何も」
「そうしたことは全くしませんでした」
「そうしていた、だからね」
 それでというのです。
「そこも期待してくれていたんだ」
「そうですね」
「そこはですね」
「ちゃんとわかってくれていて」
「自分は攻撃しないで」
「我々を助けてくれたんですね」
「そうなんだ、これはね」
 まさにと言う総理でした。
「黄金バットはわかっていてくれてたよ」
「光を示してくれた」
「そして我々はそれに応えた」
「黄金バットはそこもわかっていた」
「全て」
「そうだと思うよ、そして我々はロボットを倒した」
 このことも言う総理でした。
「よかったよ、本当にね」
「全くですね」
「ナゾー博士の今回の行動は黄金バットだけじゃない」
「我々も防いだ」
「むしろ我々がですね」
「メインでやれましたね」
「うん、このことを喜ぼう」
 最後にこう言った総理でした、そして。
 作戦成功を意気揚々として宣言しました、広島の街と人達を防げたことを心から喜びながら。


第十三話   完


                         2016・8・23 
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