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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第九十七話 蛍の光その十

「どうしてもね」
「連想するんだね」
「そっちもね」
「生贄で相当死んでるって?」
 イタワッチさんはモンセラさんにその生贄のことを問うた。
「何でも」
「みたいよ、いつも生贄を捧げていて」 
 アステカ帝国の神殿でだ、何でも神殿の階段は生贄の血で染まっていてその血と屍肉の匂いで凄かったらしい。
「多い時で数百人とね」
「生贄にしてたの」
「あちこちの国に戦争を売ってね」
 そのうえでだ。
「生贄を確保していたのよ」
「侵略の戦争じゃなかったのね」
「アステカの場合はね」
 こうイタワッチさんに話した。
「そうだったのよ、侵略もあったけれど」
「生贄の確保ね」
「それの意味もあった戦争をしてたのよ」
「凄い理由ね」
「この話有名でしょ」
「知ってたけれどあらためて聞くとね」
 これがと言うイタワッチさんだった。
「やっぱり凄いわね」
「そうした国だったのよ」
「宗教的な理由で生贄を捧げる国だったのね」
「そう、まあ今はそうしたことしてないから」
「してたら怖いわよ」
「私自身アステカ人の血は流れてても」
 それでもというのだった。
「純粋じゃないわよ」
「混血してるのね」
「スペインから来た人達とね」
「それこっちもよね」
 フィリピン人のテレサさんも言ってきた。
「フィリピンもスペインの植民地だったから」
「混血してるのよね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「中南米は全部そうでしょ」
「そうそう、ブラジルもそうよ」 
 ニキータさんもここで言う、トムヤンクンが好きらしくてとても美味しそうに飲みながらそのうえでの言葉だ。
「ポルトガル領だったけれど」
「同じよね」
「そう、まあスペインとかポルトガルとかね」
「あまり違わないわよね」
「お隣同士だからね」
 同じリベリア半島にある国々だ。
「言葉も人種も殆ど同じだから」
「そうそう」
 テレサさんと二人で話していた。
「言葉も人種も凄く近くて」
「言葉も通じるのよね」
「これがね」
 実際にそうだったりする、スペイン語とポルトガル語は同じラテン系の言葉でイタリア語やフランス語との違いは方言位のものだ。人種的にも両国は極めて近くて一時期は同じ王様の下にあったことがある位だ。
「だからね」
「同じものでね」
「ブラジルとメキシコもフィリピンも」
「混血しているとこも同じよね」
「けれどあれでしょ」 
 またモンセラさんが言ってきた。
「生贄はなかったでしょ」
「生贄は」
 ここで言ったのはチェチーリアさんだった。
「インカ帝国にもね」
「ああ、そっちも滅んでたわね」
「そうよ」
 アステカ帝国もインカ帝国もスペインに滅ぼされている、このことは歴史にある通りだ。
「それで混血してるわ」
「そうだったわね」
「ただ、私は蛍は見たことないから」
「私みたいには思わないの」
「ええ、そうなの」
 このことは違っていた。
「ついでに言うとアステカとインカでまた違うわよね」
「みたいね、同じ中南米の国でも」
「それもかなりね」
「一緒にされることが多いけれど」
 中南米にあってスペインに滅ぼされた国としてだ。 
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