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ドリトル先生と沖縄の蛇達

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第九幕その三

「僕達ピンチも多かったから」
「これまでの旅でね」
「先生が動物の皆とお話が出来て学識と人格を備えているから」
 だからとです、老馬も言います。
「乗り越えたられたことも多かったね」
「僕がいたから」
「そうそう、先生が一緒にいなかったら」
「そう思う時も多かったよ」
「何かとね」
「先生がいてこそってね」
「僕は何も出来ないよ」
 先生は皆に笑ってお話しました。
「本当にね」
「いやいや、先生じゃないと」
「駄目だった時が幾つあったか」
「これまでのことを思うと」
「そうした場面これまで凄くあったよ」
「そうかな、僕は本当にね」
 自分ではこう思っている先生でした。
「皆がいないと何も出来ないから」
「それは家事や世の中のことだけで」
「学問のことなら先生だよ」
「それで先生の人格がね」
「いつも皆を助けてくれてるんだよ」
「そうだといいけれど」
 けれど自分ではそうは思っていない先生です、このとても謙虚な性格もまた先生の人格のいいところですが。
「僕が皆の役に立てているならね」
「うん、先生が一緒にいてこそだよ」
「本当に助かってるよ」
「ピンチの時はね」
「何かと」
「そして今回も」
「先生の特技が活きているね」
 動物とお話を出来るこの特技がです。
「波止場のハブの人達とお話をして」
「そしてね」
「行くことができるね」
「いよいよ」
「そうだね、さて」
 ここでまた言う先生でした。
「もうすぐその森に入るよ」
「いよいよ」
「そうなるね」
「うん、じゃあ行こうね」
 とても珍しい蛇に会えることにです、先生はうきうきとしています。その目はまるで小さな子供の様にきらきらとしています。
 お昼前に森に入りました、すると。
 先生はすぐにでした、傍にいた虫に尋ねました。
「ちょっといいかな」
「何かな」
「うん、ハイという蛇を探しているけれど」
 近くの木に停まっている虫に尋ねたのです。
「何処にいるかな」
「ああ、あの蛇さん達だね」
「知ってるんだね」
「僕あの蛇さんのうちの一匹と知り合いなんだ」
「あっ、そうだったんだ」
「よく会うんだ」 
 そうだというのです。
「この辺りに巣があってね」
「そのハイ君のだね」
「そうだよ」 
 こう先生に答えるのでした。
「それでハイさん達に用?」
「実は会いたくてね」
「それじゃあ」
 こうしてでした、虫さんは羽音を立てました。すると。
 一匹のハイが出てきました、安座間さんも真喜志さんもそのハイを見てびっくりしました。
「嘘、ハイが出て来たわ」
「探していたその蛇が」
「まさかもう会えるなんて」
「野生のハイなんてね」
「そうそう見られないのに」
「そうして見られるなんて」
 こうお話して驚いています、先生はその二人にお話をしました。 
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