オズのビリーナ
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第九幕その五
「彼等は仲が悪いんだ」
「相性ですね」
ナターシャはキャプテンに応えました。
「その問題ですね」
「そうだよ、これがね」
「どうしてもですね」
「ドワーフの人達は金が第一、銀が二番目だけれど」
「エルフの人達は違うんですね」
「彼等は銀が第一、金が二番目だよ」
そうなるというのです。
「それでドワーフの人達はとにかく金銀や宝石が大好きだけれど」
「ノームの人達と同じで」
「エルフの人達はそこまで好きじゃないんだ」
「好きでもですね」
「ドワーフやノームの人達程はね」
そこまではというのです。
「強くないんだ」
「そこも違うんですね」
「むしろ自然の方が好きなんだ」
エルフの人達はというのです。
「それは闇エルフも同じでね」
「そのことをこれからですね」
「観ることになるよ」
「闇エルフの街まで行って」
「ドワーフの首都は整然としていて奇麗だったわね」
トロットが皆にお話します。
「闇エルフの街も奇麗よ、ただね」
「ドワーフの街とはまた違うから」
「そこはわかっておいてね」
ガラスの猫とエリカも五人にお話します。
「また別の奇麗さよ」
「ドワーフの街とはね」
「もうすぐ着くわよ」
ビリーナは皆に告げました。
「じゃあいいわね」
「ええ、それじゃあ」
「今度は闇エルフの街に」
五人も応えてでした、そのうえで。
一行は今度は闇エルフの街に来ました、すると周りに闇エルフの人達がいました。どの人達もお人形さんみたいに整った顔立ちです。
ただ街は地下の空間を利用したもので。
「思ったよりも」
「ええ、小さな街ね」
恵梨香がナターシャに応えます。
「ドワーフの首都よりもね」
「ずっと小さいわ」
「それなりの大きさはあっても」
「山全体って感じでもないわね」
「闇エルフは人口が少ないからよ」
ビリーナは前にお話したことを二人にお話しました。
「エルフの中でかなり少数派なのよ」
「そういえばそうだったわね」
ナターシャも言われてこのことを思い出しました。
「闇エルフは」
「そう、エルフ族は多くが森や山にいてね」
「そっちの人達が主流で」
「地下に住む闇エルフはほんの少しなのよ」
「エルフの人達の中で」
「だからなのよ」
「街も小さいのね」
ドワーフの人達のそれと比べて遥かにです。
「そうなのね」
「森エルフで言うと森の普通の街位ね」
「それ位?」
「そう、ドワーフの首都の十分の一位の大きさよ」
「そんな感じね、確かに」
「それがこの街よ」
闇エルフの街というのです、見ればあまり規則的ではない街です。
道は曲がって入り組んでいて幅も様々です、ヒカリゴケや飛び交う蛍達に照らされている家々も黒い煉瓦で造られていますが妙に不規則です。
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