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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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754部分:第百十五話 星の嵐その二


第百十五話 星の嵐その二

「何もかもが」
「全てがですか」
「私と同じだった。全てに疎外されていたな」
「全てがか」
「そうだ、疎外されていた」
 まさにそうだというのである。彼等はだ。
「私と同じだった。私達は同じだったのだ」
「我々がアーレス様と同じだと」
「狂闘士も四闘神も。そしてエリス、御前もだ」
「私もだと」
「私と御前は血を分けた兄と妹」
 そうした関係である。二人はそれぞれ戦いと争いを司る。だがそれだけではなくだ。それ以上の絆を持っているというのである。
「だが。それでもだったな」
「はい、兄と妹以上にです」
「我等は絆を築いているな」
「その通りです」
 また言うエリスだった。
「兄や妹というものだけではありません」
「共に戦い共に生きてきた」
「そうです。絆は深くです」
「オリンポスの神々と戦った時は覚えているな」
「忘れる筈がありません」 
 彼等にとってはそれは記憶の原点にあるものだった。全てのはじまりだったのである。彼等の果てしない戦いはそこにはじまりであったのだ。
「オリンポスの神々と果てしない戦いに入りました」
「だが我々は敗れた」
「しかし。誰一人としてアーレス様の下を離れませんでした」
「そのことは絶対に忘れない」
「戦い以上にですか」
「私一人でどうしてここまで来られたのか」
 こうした話にもなった。
「それを考えると。いや、考えなかったことはない」
「考えなかったことはありませんか」
「御前達は私に従い天界を追われた。だが一人として私の下を離れなかった。何があろうとも離れることはなかったな」
「離れる、ですか」
 エリスはアーレスのその言葉に応えて述べた。
「我々がですか」
「それはなかったな」
「考えたこともありません」
 これがエリスの返答だった。
「誰一人としてです」
「私は去る者は追わない」
 アーレスはこのことも話した。
「だが。御前達は誰一人としてだったな」
「どうして離れられましょう」
 また言うエリスだった。
「我等を認め受け入れて下さったアーレス様を」
「そう言うのか」
「ですから。我々は」
「その御前達の心も常に私の中にある」
「有り難き御言葉」
「その御前達と私は永遠にある」
 彼の言葉はまた発せられた。
「何があろうともだ」
「では。この戦いも」
「安心しろ、我々は勝つ」
「はい、最後に勝つのは我々です」
「私には御前達がいる」
「そして我々にはアーレス様がいます」
 言葉はまた一つになっていた。
「まさに同じです」
「その言葉、決して忘れない。ではだ」
「私もまた戦います」
 エリスは見ていた。彼女の戦いをだ。
「アーレス様の為に」
「それではな」
「私の相手は教皇になります」
「アテナの第一の僕だったな」
「はい、その彼です」
「名前は確かシオンだったか」
 アーレスは彼の名前も知っていたのだった。
「そうだったな」
「確か」
「先の聖戦での生き残りだったな」
「ハーデス様との戦いでしたね」
「そうだった、あの戦いでだ」
「そして今も尚」
 アーレスの言葉はまだ続いていた。
 
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