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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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745部分:第百十三話 氷の奥義その二


第百十三話 氷の奥義その二

「一人たりともな」
「それは狂闘士の中でもだというのか」
「聖闘士は最強の存在だ」
 この自負も口にしてみせた。やはり彼は聖闘士だった。
「ならば言うまでもないな」
「それが答えか」
「違うか、それは」
「あえて言う。違うな」
 またしても不敵な笑みを見せるレダだった。
「それはだ。全く違う」
「違うというか、やはりそうか」
「狂闘士こそが最強だ」
 彼もまた自負を口にしてみせた。そして彼なりの根拠も出すのであった。
「その証にだ」
「この黒い戦士達か」
「黒い槍、何時まで防げるか」
 それを言ってみせたのだった。カミュは今も周りの戦士達の槍を受ける。当然それも漆黒に燃え盛る炎である。炎の槍なのだ。
「例え貴様でもそうはもつまい。間も無くか」
「今まで防げればいい」
「今までか」
「そうだ、今こそ放とう」
 そして遂にでであった。両手を握り合わせてそのうえで。
 ゆっくりと頭上に掲げた。垂直にである。
「このアクエリアスのカミュ最大の技」
「いよいよ来るか」
「そうだ、見よ」
 言葉に興奮はない。この状況でもクールなカミュだ。
 そしてその冷静さのままでだ。放った技は。
「オーロラエクスキュージョン!」
「むっ!?」
「これがこのアクエリアスのカミュ最大の奥義」
 それだとも言った。
「オーロラエクスキュージョンだ」
「この技は」
 レダはその技を見てだ。すぐに言葉を出した。
「これ程までの威力だというのか」
「予想以上だというのか」
「戦衣はそうそう容易に冷気を通しはしない」
 まずはこのことから話した。
「そう、我等を守るアーレス様の武具だからだ」
「しかしだというのだな」
「寒いというのか」
 レダは今明らかにその感覚を味わっていた。
「戦衣を着ていても」
「感じるのだな、冷気を」
「戦衣は全てを防ぐ」
 レダはカミュを見据えながら述べた。
「そう、冷気だけでなく熱気もだ」
「衝撃だけを防ぐのではないのだな」
「ありとあらゆるものを防ぐ」
 まさにそうしたものだというのだ。
「それがか。冷気を感じるか」
「これがこのカミュの最大の技だ」
 カミュはそのレダに対してこうも言ってみせたのだった。
「オーロラエクスキュージョンだ」
「これがだというのだな」
「ベリアル、貴様の炎も」
 そして彼の炎についても言及した。
「感じるぞ、確かにな」
「貴様もまた熱気を感じているというのだな」
「その通りだ。黒い炎は伊達ではないな」
「どちらが先に倒れるか」
 レダもその冷気の中で言う。
「その勝負だな」
「そうだな。このカミュの氷」
 それを今も放っている。そしてレダもだ。
 両手を開いて前に突き出した。そのうえで炎を放っているのだった。冷気と黒炎がせめぎ合いそれは周囲にも及んでいる。そうした闘いであった。
 
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