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サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜

作者:ドリ男
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おばあちゃん:「解体したモンスターボールの
部品を解析した結果、そのモンスターボールは
ボールにポケモンが入った瞬間
ポケモンの脳に特殊な電波を流し
ボールに組み込まれた情報を伝達させ
ポケモンの心、、、いや、脳を
コントロールする仕組みになっていました。
そして捜査官の活躍でその部品の残骸が
シルフから大量に廃棄処分されている事が
発覚したのです」



ヒロシ:「、、、」




おばあちゃん:「我々はシルフの社長に
事件の事を話し
奇妙なモンスターボールの件について
問い詰めましたが、
シルフ側は何も知らないの一点張り。
そこでシルフの館内調査を試みましたが、、」



ヒロシ:「証拠は見つかったんですか?」




おばあちゃん:「いいえ。
調査しようとした矢先に、あの事件が
勃発したのです、、、。」




ヒロシ:「、、、」




おばあちゃん:「その後結局、
明らかな証拠も何も掴めないまま
ポケモン強奪事件は迷宮入りとなり
特別捜査一課は解散。シルフは
ビジネスの勢いに乗り今では
カントーの政権まで握る国家となりました。
わたしも定年を迎えるまでは
個人でシルフを探ろうとしましたが、
新生シルフカンパニーには手を出すなと
警視庁から直々に命令が下されましてね〜。
、、、わたしは志半(こころざしなか)ばで、
警察手帳と誇りを置き、署を去りました。
、、、今では新しい時代の中で
孫に絵本を”読み聞かせ”する、ごく平凡な
おばあちゃんですよ、、。」



ヒロシ:「そうだったんですか、、」




おばあちゃん:「、、、でも、1人だけ
わたしの意思を継ぐジュンサーがいます」



ヒロシ(、、、まさか!)



ヒロシはおばあちゃんの孫を見た。





おばあちゃん:「えぇ、、。私の娘です」




ヒロシ:「そのジュンサーさんは今どこに!?」



おばあちゃんは、孫の耳に手を当て、
ヒロシに話した。



おばあちゃん:「娘は以前までタマムシ署に
居たんですけど、少々問題を起こして
しまいましてね。、、、今では
グレンタウンの駐在所にいます。
、、、名前はフブキ、、。
フブキ巡査と言えばわかりますよ。
グレンタウンに駐在所は一つしか
ありませんから、、。」



ヒロシ:「、、おばあさん、、」




女の子:「ねぇねぇっ、
いま、ママのお話してたの?」



おばあさん:「違うよ、おばあちゃんの
お話をしてたんですよう」



女の子:「あー嘘だぁー!だって
おばあちゃん、ママの話をする時
いつもあたしの耳に手をやるもん!
おばあちゃんの口の動きでわかるもん!」



おばあさん:「おや、、やっぱり”血”かね〜」



女の子:「ねぇお兄ちゃん」


ヒロシ:「ん?」




女の子:「、、もしかして
あたしのママを探してくれるの?」



ヒロシ:「え?」



女の子:「あたしのママ、お家にいないの。
、、、たまにお電話してくれるんだけど、
いつもお仕事で忙しいって言って、
帰ってきてくれないの、、」



ヒロシは知った。
おばあさんの意思を継いだ
ジュンサーが、事件を解決する為
家族から離れ、娘が母であるそのジュンサーの
帰りを待っている事に。



女の子:「あたし、、いつも寂しい、、」



うつむく女の子に、ヒロシは
しゃがんでそっと頭を撫でた。








ヒロシ:「、、、大丈夫だよっ」




女の子:「?」



ヒロシ:「、、、君のママは、必ず帰ってくる。
今はお仕事で忙しいかも知れないけど、
そのお仕事も、あと少しで終わる。
、、お兄ちゃん達が手伝いに行くからさっ」



女の子:「ほんと!?」



ヒロシ:「本当だよっ(笑顔)
、、、君、名前は?」




女の子:「あたし、アキっていうの!」




ヒロシ:「アキちゃんか、、。
よし、アキちゃんのママは、
必ずお兄ちゃん達が連れて帰る!
そうしたら、今度はアキちゃんと
ママとおばあちゃんの3人で、
この図書館に来て、本をいっぱい
読んでもらえばいいさ!」



アキちゃん:「うん!約束だよ!?」




ヒロシ:「うん(笑顔)
、、では、おばあさん。
俺はこの辺で失礼します。貴重なお話と
情報、ありがとうございましたっ」




おばあさん:「いいえ〜。
お兄さんも気をつけて下さいね。それとこれ」



ヒロシ:「?」



おばあさんは
ヒロシに一冊の古びた本を渡した。



ヒロシ:「、、、これは?」




おばあさん:「私の故郷で昔から
受け継がれてきた、古代書です。
お役に立つか分かりませんが、
お持ちになさって下さい」



ヒロシ:「、、おばあさん、、、」




おばあさん:「では、娘の事を
よろしくお願いします、、。そして、
この世界の事も、、。」



ヒロシ:「、、はい!」



ヒロシはその後、おばあさんと女の子を
外まで送り届け、図書館を後にした。





 
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