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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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717部分:第百六話 剣と剣その三


第百六話 剣と剣その三

「それが誇りなのだな」
「そうだ。その誇りを今見せよう」
「来るか」
「このジークの最大の技」
 右手の剣が再び光る。それはまるで血を欲しているかの様だ。
 その輝きを見せながらだ。ジークはシュラに対してさらに言うのだった。
「今こそ見せよう」
「貴様のその技をか」
「カプリコーン、貴様もだな」
「わかっていたか」
「あの時の貴様の技もかなりのものだった。しかしあの時に最大の技を出すというのもそれはないな」
「感じていた。この時が来るのをだ」
 言いながらシュラは次第にその右手の輝きを増していく。彼の剣もまたこの上ない鋭さを見せ今にも全てを断ち切らんとしていた。
 そしてだ。両者はさらに睨み合いだ。激しい火花を散らしていた。
「来ないのか、カプリコーン」
「貴様こそな」
 互いに隙を窺いながらの言葉である。
「見ているのだな、このシュラの隙を」
「流石だ。アメリカでの闘いの時よりも」
 さらに言っていく。
「かつての闘いの時よりもだ」
「どうだというのだ?」
「強くなっている」
 そうだというのだ。
「刻一刻と強くなっているな。だがそれはこのジークとて同じこと」
「ではどちらが勝利を収めるか」
「見極めようぞ」
 言い合いながらもまだお互いに攻めようとはしない。隙を窺い続けている。
 そしてだ。ここでまた言うジークだった。
「隙がなければだ」
「作るのか」
「そうだ、作る」
 まさにそうだというのである。
「それがこのジークの闘いだ」
「ふむ、ではだ」
「受けるがいい」
 言いながら拳を出してみせた。空いている左腕から光速の拳を出したのだ。
「この拳をだ」
「生憎だがこの程度ではだ」
 シュラはそれを見ても表情を変えない。まさに何でもないといったものだった。
「牽制にもなりはしない」
「ならぬというのか」
「そうだ。見るがいい」
 シュラは一見すると動いていないように見える。しかしその周囲では丸い光と刃の形の光がぶつかり合う。そしてそれぞれが炸裂していた。
「この通りだ」
「やはりこの程度はか」
「このシュラに通じるものではない」
「そして隙も作れるものではないか」
「そうだ。それではだ」
「うむ」
「どう来るつもりだ?」
 あらためてジークに問うのであった。
「拳が通じないとなるとだ」
「知れたこと。隙を作ると言ったが」
「うむ」
「それは止める」
 そうするというのである。
「そしてだ。最早小細工はしない」
「では来るというのだな」
「そうだ。カプリコーン」
 ここでまたシュラの名前を呼んでみせたのであった。
「行くぞ」
「来るといい。こちらもだ」
 シュラもまた身構えながら言う。
「最大の技を繰り出そう」
「エクスカリバーはまだあるというのだな」
「如何にも。そのエクスカリバーの中でもだ」
 既にこれまでの戦いで多くの技を見せてきている。シュラはただ剣を振るうだけではない。その手からは実に多くの剣を放つことができるのである。
 
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