| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

メン・タンク・マッチ:MTM

作者:鷲金
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

初動編
  MTM:初動編 第6話:「修練(きょうしつ)」Cパート 前半

 
前書き
メン・タンク・マッチ:初動編の第6話Cパート前半を掲載開始しました。
初動編は、主人公達がメン・タンク・マッチに参加するまでの話です。


*メン・タンク・マッチ:MTMはまだ未完成の作品のため、全てを一度に掲載することは出来ません。また、各話の修正などで更新が遅れる上、更新期間がランダムで投稿することになります。一応、最終話まで投稿する予定です。
MTMは20話以上の物語を予定しています。


予定では6話のCパート全てを掲載する予定でしたが、後半が未完成の為前半後半に分けて
掲載します。


 

 
開始してから5分が経過した。
天桐達は、スタート地点である東南から中心部である北西に向かって走っていた。
すると、砲手席に座る加埜はそう車内下の矢元に向かって言った。
「竜二。上手くなってんじゃん」
「当たり前さ。勉強もしたし、練習もしたからな。それに俺、実技は得意から」
矢元は少し嬉しい顔をしながら答えた。
この2週間程で、かなり練習もしたことで車輌は上手く操縦手である矢元の手によってスムーズに
走れるようになった。
「それに僕も教えたからねぇ。専門書とか分からないから竜二は」
反対側にある通信席に座る城ノ崎は戦車道関連の書籍を見ながらそう言った。
一方、装填手である早間は次弾の砲弾を用意しながら車長である天桐に向かい。
「先輩、こんなに堂々と何もない所を走って大丈夫ですか?」
そう心配された車長である天桐は、首に掛けている双眼鏡で周りを見回し答える。
「あぁ、けど、ここはあんま障害物がねぇし。隠れように隠れられんからなぁ」
このフィールドは、遮蔽物がほとんどなくある物といえば、何本かバラバラに生えた木や大きな岩、
それとそんなに生い茂っていない林やそれほど広くない森程度だ。
また、障害物以外に障害となりうる小さい丘やバンカー、小さい池と言った物しかなかった。
そもそもこの練習場は、教室が開かれる前の15年前はゴルフ場だったらしく来客が少なくなり経営
悪化の為、潰れて放置されていた土地だった。それを岡野は、ここを格安で手に入れることが出来て
戦車道教室を開いたのだ。広さが300ヘクタール以上もあるここは、戦車道関連で試合や練習などで貸し出されることもあるらしい。
早間の心配事を聞いた加埜は天桐に聞いた。
「なぁ、士良。このまま、ずっと中心を真っ直ぐ進んで良いのか?」
「少し危険だが、先にあいつを見つけないとこちらが不利だ」
天桐は、戦車の性能も経験もあっちが上であるハルナ達を先に見つけて先制攻撃を掛けることにした。これは、プロと素人が戦うと時間が長ければ長いほど経験者であるプロが勝ちやすくなることや先手
必勝や奇襲攻撃が一番効果的にいい戦法と今まで映画漫画を見て読んで習った天桐や戦車を始めとする軍事関係に詳しい早間、そして一番学のある城ノ崎とで考えたある作戦の為だ。
ハルナ達を先に見つける為にも危険を承知で彼女たちの居る方へ堂々と向かっていると
ポツポツと怪しげだった雲行きから雨が降り始めた。
雨に気づいた天桐は見上げた。
「チッ、もう降ってきやがったか」
今はまだ小雨だが、この雨は次第に強まり視界が悪くなってしまう。それを考えた上で天桐は相手を
早く見つけたかった。
「仕方ない。急いであいつらを」
ドォン
突然、砲撃音らしい音が天桐の耳に入った。
「!」
ドガァァァン
Ⅲ号の右側2メートルの地点が爆発した。
「うわっ」
突然のことで天桐は驚いた。車内の4人も凄く驚いている。
焦った天桐はすぐに周りに目をやった。
「どこだ」
車輌前方に双眼鏡を向けて確認し、そのまま右へと向きを変えそれでも居なかった為、後ろを見ると
天桐は目を見開いた。車輌の後方1キロもない程の距離にそれは居た。
「くそ、後ろだ」
と天桐は叫んだ。ハルナ達のシャーマンを確認した。それも天桐達が通ってきた方向、敵が来るはずの方向とは逆からだ。
それを聞き早間も驚いた。
「な、なぜ後方に」
なぜハルナ達が後ろから来たのか天桐はそう考えていると
ドォン
再びシャーマンから発砲音が鳴り響き、
ドガァァァン
今度はシャーマン左側1メートルに着弾した。
「ぐぅ」
天桐は空に舞い上がった土を頭から浴びた。
操縦席で操縦する矢元は慌てて
「おいおい、撃ってきたぞ」
「当たり前だろ!おい、士良!」
加埜はそう怒鳴り天桐に向かって言った。
「ッ、反撃するぞ!」
天桐が指示した。
「砲塔を後ろに向けろ」
「おう」
加埜は天桐に指示された通り、レバーを使い砲塔を後ろに回す。
矢元は操縦しながら聞いた。
「おい、このまま真っ直ぐ走るのか?」
「あぁ、今少しでも側面を向けたり停まったりすると当たっちまう。このままだ」
「わかった」
ドガァァァン
また側に砲弾が着弾した。
「クッ。加埜まだか」
「もうちょいだ」
加埜はそう答えるとやっと砲塔が後ろに向き終えた。
「よし、いいぞ」
「狙え」
「・・・OKだ」
「撃て」
天桐の掛け声と共に加埜は引き金を引く。
ドガァン
Ⅲ号の24口径75mm砲KwK37が火を噴く、大きな轟音と共に鉄の矢が飛び出し相手に向かっていったが、
ドガァァァン
外れた。
「くそ、外れた」
シャーマンの右側に逸れ、後方の地面に着弾した。
「次、装填だ」
「は、はい」
加埜の声に呼応し、早間は次弾を装填する。
「OKです」
「加埜、狙ったら撃て」
「おう」
ドガァン
さっき外したことを計算して少し左へと修正したことで、狙いはさっきより良かった。
しかし、シャーマンはこちらが撃ったと同時に左へと多少向きを向けたことで左へと躱し、
またも外れてしまった。
「くそ、躱された。やっぱ、うめーなアイツら」
「そりゃ、そうだろ。俺らより先輩だぜ」
加埜と天桐はそう話していると
「けど、このままだと不味くない?」
城ノ崎は天桐に向かって言った。
「あぁ、確かにそうだ」
天桐はポケットから地図を出し、この先のルートを確認した。
「この先は」
ここからは上り坂になっていて、その幅が10mもない道のりになっている。
その道の左右には木々が生えているため、登るなら真っ直ぐしかない。その地形を知った天桐は、
「よし、ここならいけるか。例の作戦やるぞ」
天桐は皆に向かってと言った。
「プランBだ」
それを聞いた4人はそれぞれ返答した。
「了解」「おう」「わかった」「いくぜ」
天桐達は、この日の為にいくつか作戦を考えてきた。相手は、実力も経験が上な為、練習不足で経験が無いに等しい彼らが勝つためには、不意を突くことが最も効果的だと判断した。
「よし、竜二。このまま上がって行け。そして、上についたらそのまま見えないように旋回して停車だ」
「あぁ」
Ⅲ号は、そのまま上り坂を登っていった。
彼らが考えたプランBの内容は、こうだ。
相手より先に、上り坂を登って行き、上についたら相手の視界から消える。そこを狙うのだ。
シャーマンの視界から消えている内に、登りきったらすぐさまシャーマンの方に向かって旋回し、
その場で待ち構える。そして、追ってくるシャーマンが登ってきて上がった瞬間、こちらは、相手を
近距離で撃って撃破するというシンプルな手だ。
Ⅲ号が登りきると一旦停止し、その場で180度旋回した。それから坂から10メートル程の距離を
取り、その場で停車して静かに待った。
そして、待ち構えているⅢ号のハッチから顔を出した天桐は、耳を立てた。
(よしよし、上がってきてるな)
段々、シャーマンのエンジン音が近づいているのが分かる。おそらく、こちらに向かって真っ直ぐ登ってきているのだろう。そう考えた天桐は、早間と加埜に発射準備をさせた。
「用意はいいか」
「装填完了です」
「おう」
それから下り坂の方からシャーマンの砲身と思われる鉄の棒が生えてきたのが見えた。それは段々
伸びていき、次第に履帯のようなのも見えてきた。そして、シャーマンが登りきろうとした時だ。
天桐はそれを見て、
(今だ)「撃てぇ!」
天桐は叫んだ。
ドガァン
Ⅲ号の砲口から発射された。爆炎と轟音で視界や音が塞がれた。
加埜、早間は成功したと思ってそう叫んだ。
「よっしゃ!」
「やった」
一方、矢元と城ノ崎じゃ成功したのか分からなかったので。
「やったのか?」
「多分」
天桐は、成功を願って
「・・・やったか?」
と呟く。
次第に爆炎で見えなかった先が煙が薄れていくことで見えてきた。
そして、先を見た天桐は声を漏らした。加埜と矢元も前を見ながらそういう言った。
「え?!」
「な」
「なんで」
撃破出来たと思ったシャーマンは、なんと健在だった。全く撃破されていなく白旗すら上がって
いなかった。それを見た天桐は、声を漏らした。
「嘘だろ?」
なぜシャーマンを撃破出来ていないのか天桐を含め5人は理解できなかった。今のⅢ号による発射タイミングが完璧だったはず。加埜の狙いも悪いことはなかったはず。それに、この距離なら外れること
無く命中し、撃破できるはずなのだ。だが、実際は出来てはいない。
Ⅲ号車内で理解出来ない天桐達。
それに対して、シャーマンのハルナ達はというと。
車長であるハルナは、砲塔内でペリスコープからⅢ号を見ていた。
「そんな手が通用すると思った?」
ハルナは睨みつけるようにⅢ号に向かって言った。
「アンタ達の考えることなんて。私には分かるわよ。姑息な男の考えなんて」
その答えは単純だった。上り坂を登りきったシャーマンに向かってⅢ号は発射したのは、天桐達も
分かっている。問題は、ここからだ。シャーマンは、登りきったと同時に、すぐさま停車と後退した
からだ。そのせいで、発射のタイミングがズレてしまい装甲の傾斜で砲弾は掠れたのだ。
それは、天桐達の狙いが分かっていなければ中々出来ないことだが、彼女達は出来た。そう、
なぜなら彼女は、天桐達が、そう仕掛けてくることを予測出来た。いや、分かりきっていたのだ。
続いてハルナはミアキに対し指示を出した。それと同時に天桐は矢元に指示を出した。
「撃て」「後退!」
シャーマンの発砲と同時にⅢ号は後退した。すると、シャーマンの砲弾はⅢの砲塔右の装甲をギリギリ掠めた。それを見たハルナは冷静にすぐさま指示を出し、そのまま次弾発泡の準備に取り掛かった。
「次弾、急げ」
シャーマンの攻撃をギリギリ躱したⅢ号は、後方へ全速後退で逃げていく。
「ど、どうする?」
「不味いねこれ」
「先輩、どうしますか?」
「い、一時撤退だ」
すると天桐は、ハッチから顔を出し周辺を見回した。それから矢元に指示を出した。
「10時方向の森に入れ」
「おう」
すぐさま森へと方向転換させ、全速力で走り森へ入って行く。
それ見た、シャーマン側の砲手であるミアキは照準器を除きながら
「あらあら逃げますわ」
操縦席に座るナツコも同様に言った。
「逃げるよ」
砲弾を持ちながらチフユは車長であるハルナに聞く。
「・・・追う?」
「追撃はいいわ。停車」
ハルナは指示を出すと、ナツコはブレーキを掛け停めた。
「いいの?」
「ええ、いいわ」
ハルナは一息をついてから左手で顎を擦りながら少しニヤついて。
「このまま、あいつらを徐々に追い込んでいくわよ。そして、ヒーヒー言わせて白旗を立たせてやる」


天桐達は、森に入った。森の中は、木々で真っ直ぐ走れないのでジグザクに走行した。
そのまま30メートル程進むと、反対側から外に出た。
「よし、そのまま奥の森にも入って中で停車だ」
「あぁ」
Ⅲ号戦車はそのまま更に奥の森に入って行き、途中で停車した。
天桐はすぐさま後方を向き、双眼鏡で後方を確認した。
「追ってきては・・・いないか」
天桐がそう言うと、息を吹いた。
「ふぅー、危なかった」
加埜は汗だくになった額を手で拭き取り、城ノ崎はハンドタオルで自分の顔を拭きながら
「ほんとだぜ」
「もし、あの時後退してなかったら、今頃やられていたのはこっちだったね」
早間は次弾を装填しながら
「そうですね」
それぞれがそう言うと、スポーツドリンクを飲んだ矢元が皆に聞いた。
「でも、なんで撃破出来てなかったんだ?」
その言葉にいち早く加埜が反応した。
「そ、そうだぜ。なんであの時撃破出来てなかったんだ?撃った俺がいうのも何だがタイミングは
バッチリだった」
早間と天桐もそれに対して、
「確かに、加埜さんの射撃タイミングは合っていたはずなのに」
「確かにそうだ」
天桐達は、なぜあの絶好のタイミングで撃ったはずの砲弾が外れていたのか考えていると矢元が、
口を開いた。
「あのさぁ、気のせいかもしれないけどよぉ。撃った瞬間だ。相手が少し下がったように見えたんだ」
そう聞いた早間と天桐は
「え?」「下がった?」
「あぁ。シャーマンが上り坂を登りきった時、ブレーキを掛けて同時に後退を始めたように見えたんだよ。まるでこちらが撃つのに合わせたかのようによぉ」
そう言った加埜の言葉を理解した早間は、
「けど、それがほんとだとしたら。自分達の作戦を知っていたってことになりますよね」
そう言うと天桐も
「おそらく、分かってたんだ。俺らの手が」
「え?」
「あいつらは、今までに何度も試合をしてきた経験がある。なら分かっても不思議じゃない」
そう言った城ノ崎と早間も天桐の言うことに少し納得した。
「確かに、経験者ならそれくらい出来るかも」
「確かに。相手は、大会で優秀な成績を残す程ですからね」
加埜は理解して拳で壁を殴った。
「やっぱ読まれていたか。・・・くそ」
すると矢元と城ノ崎は天桐に聞いた。
「なぁ、士良。どうする?」
「あとプランはCとDしかないけど」
天桐は二人に言われると
「それも、おそらく使い物にならないだろう」
「やっぱ、そうだよね。同じ様な手出しバレるか」
「そうか」
「じゃあ、どうする?これから」
彼らは、ただ悩むしか無かった。
まだ戦車経験の浅い彼らが作戦を考えれる物には限度がある。たとえ、難しい作戦を考えても彼らの
腕で出来る可能性は低い、それに相手は実力も経験もある為、その分失敗するリスクも高かった。
つまり、出来る勝つための手が元から少ないのだ。
悩んでいる天桐は、今の時間を知ろうと左上の時計を見ると
「時間は、あ」
腕時計を見て反応した。時計のガラスが割れていた。おそらく、先程の戦闘でどこかにぶつけたの
だろう。壊れて時間が分からないので天桐は、壊れた腕時計を城ノ崎に見せて時間を聞いた。
「賢太、今の時間は?」
「え?あぁ、うん。今は、9時36分だね」
「開始して25分程か」
「まだ、そんだけか。もう1時間以上やってる気分だぜ」
彼らは、少しくたびれたのもあり、車内は負のオーラが漂い始めた。
それから周囲を加埜に見張らせ、いつでも出られるように操縦席で待機している矢元。
そして、車内で天桐、早間、城ノ崎の3人で今後の作戦を考えることにした。
今日のために作った作戦ノートや色々な情報をまとめたノートと地図に目をやつ3人は話し合った。
「やはり、プランDだろ。相手が後ろから追ってくると考えれば」
「けど、あの子達なら気付いてしまうリスクがあるよ」
「ここの地形を活かしてプランCでどうですか。リスクはありますが」
「うーーーん」
天桐が難しい顔で考えている
ザーーー
大きな音が外から聞こえてきた。降ってくる雨の量が段々増えだしたのだ。次第に雨の勢いは増して
いき本降りとなったことで、車内からでも十分に分かる雨音になった。天桐は車内なのに上を見ながら言った。
「雨が酷くなってきたな」
すると、ハッチが開いて雨が車内に入ると加埜が中に戻ってきた。
「うわ、ひでー雨だぜ。おい、見張りはいいだろ」
ハッチを閉めてから加埜は頭の雨水を払った。
「あぁ」
「これでお互い視界が悪くなったことで発見しづらくなりましたね」
「あぁ、だが先に見つけられるのはあちらだろうな。経験上だと」
「だよね」
その間に加埜が入ってきて。
「どうだ作戦は?」
早間は、それに対して答えた。
「いや、それが中々いい案が思いつかなくて」
「お前さん。俺たちより戦車に詳しいだと何か作戦とか色々知ってるだろ」
加埜から言われた早間は、反論した。
「いや、僕のは戦車についてと戦車道関連のことぐらいでして、作戦とかまだ詳しくないんです。
それに、戦車での1対1による作戦なんてほとんどありませんから知りません」
それを言われた加埜は腕を組んながら言った。
「せめてあいつらが動けなくしたら俺が一発で仕留めるのになぁ」
天桐は突っ込んだ。
「それが出来たら苦労しないねぇよ」
「そうだよ。お前、アルベルトの時にやった手でいけば」
「あの時とは全然違う場所だし、あんなことは実際には危なくて出来ねーよ」
天桐と加埜が言っていると。矢元が冗談で言ったのか
「もう穴でも掘って落とし穴を作るか」
そう言った。それを聞いて早間は、説明をした
「あのシャーマンを落とすとなれば、3メートル以上の深さが必要です。バンカーを掘るにもこの人数と時間的に」
それに合わせて天桐も言った。
「そうだよ。そんな時間があったら、・・・」(うん?待てよ)
すると天桐は何かを思ったのか地図を見始めた。
それに気付いた城ノ崎は聞いた。
「どうしたの士良?」
「わりー、少し一人で考えさせてくれ」
天桐はそれから一人で考え出した。
それから、他の3人は天桐が考えている間に次の作戦を話し合っていた。
それから5分位が経っただろうか。3人は色々話し合ってはいたが、まだまとまった結果は出せて
いなかった。
「ここでプランDはどうだ」
「けど、雨が降っている為成功率は低いですよ」
「ここは作戦なしで一気に真正面からカチコんだら」
突然、天桐が言い出した。
「よし、この作戦でいくぞ」
その言葉に早間は直ぐに反応して聞いた。
「何かいい作戦でも思いついたんですか?」
「あぁ、皆いいかよく聞いてくれ。これは、全員が同意しないとしないつもりだ」
天桐は真剣な目をして皆に言ったせいか、車内が一気に緊張が走った。
それから天桐は作戦を皆に説明を始めた。
3分が過ぎただろうか、説明が終わると天桐は皆に向かって言った。
「これでいこうと思う。勿論、これで大丈夫とは言い切れん。先程のこともあって、バレるかもしれ
ない。けど、これしかないと思ったんだ。少し危険な手だが、皆・・・いいか?」
天桐は4人の顔を見て確認する。
すると、4人は互いの顔を一度見てから迷いなく賛成した。
「もち」「うん」「おう」「はい」
天桐は4人の了解を確認すると、
「よし」
両手で自分の頬を叩いた。
「では、いくぞ。作戦開始だ」
そして、天桐達は腹を決めた。
 
 

 
後書き
続きのCパート後半は、予定では27日か28日に掲載予定です。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧