| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

進路指導のウィザード
  襲撃後の会議×深夜の駅前

襲撃後の放課後、オカ研と生徒会のメンバーを人間界本家に集結していた。本来の悪魔稼業を休みにし、俺らが進行していくけどアグニ達も来てくれた。一応保険だが、この先で強敵と出会いそうな予感がした。

悪魔側はサーゼクスとグレイフィアを呼んだけど、魔王の仕事よりも襲撃されたと報告を受けた事でソッコーだったか。全員リビングへ集結後、ヴァーリチームと英雄チームと住んでいる者らも居た。

「これより駒王学園襲撃事件に関する報告と今後の事に関する相談をする。まず襲撃時刻だが、昼休み中に一般人を眠らせて周辺一帯に結界を張らせた。俺の結界により、転移魔法陣発動させても逃げられないようにしといた。学園の破損箇所はグラウンドのみで、記憶改竄後に全校生徒は襲撃前の記憶となり昼休みが終わってそれぞれ授業を受けてたからな。グラウンドは所々穴だらけとなっていたが、グラウンドだけタイムリバースさせて穴だらけ前まで戻した。お陰で疲労困憊になりそうだ」

「敵に関しては魔法使いで『禍の団』所属とはね、それもはぐれとしてテロリストに加担するとは思わなかったよ。メフィスト側からは何か混乱はしてないのかな?」

俺らの机に立体映像とされている魔法陣にて、椅子に座っているメフィスト。次元パトロール隊も知っているが、今回に限ってはそちらで管理している魔法使い達が問題起こした事だからな。

『いやはや申し訳ない。まさか「はぐれ魔法使い」の者達がそちらを襲うとは、一応マークしてはいたのだが「禍の団」所属とはね。で、今は処罰と言う処刑を行っています。無期懲役クラスとして、二度と魔法が使えないよう牢屋へ入れておりますし脱走させたとしてもすぐに捕える事も。数が多かったので僕も驚きではあるけど』

「こちらもだ。ま、ほとんどが雑魚に近い感じだったし一般人を巻き込まないで済んだのが一番良かった。記憶書き換えよりも襲撃前にしたし、メフィスト側は引き続き処刑が終わり次第でいい。冥界に強制送還の方がいいよな?」

『それは勿論だし、もしまた捕縛したとしても「禍の団」所属なら冥界へ送った方がいいですな。サーゼクス様も宜しいでしょうか?』

「私もそう思っていた所だよ。一誠君の言う通り、無期懲役クラスにして一生外に出ないようしとくよ」

『ではそのように後程言っておくよ。こちらが済めば送還しますんで、私はこれにて失礼させて頂きます』

メフィスト側の処刑が終わり次第、冥界魔王領にて裁くがすぐに牢屋へ入るだろう。立体映像が消えてサーゼクスに感謝されたが、俺の瞬時な対応したお陰で学園襲撃が無かったかのように過ごした一般生徒と教師。堕天使特有の機械で記憶改竄も出来る用だけど、そんなのが無くとも解決したしショックを受けた生徒もいない。

「とりあえず駒王学園が、一般人に偽って運営している事自体も知られてないし人質も取られていない。レイヴェル狙いで来た者も居たが、白音とレイヴェルによる後方支援が役に立った。同じ一年生であるギャスパーも良くやったと思うが、まさか三大勢力が同盟した場所を狙われるとは思わなかったぜ」

「そうですね。例のフェニックス関連で狙ってたと語ってましたし、概ね一誠さんの言う通りではありますが問題は奴らがどこから来たかについてですが・・・・」

そこまで言い掛けて室内にケータイの着信音が鳴り響く。俺らCB側はスマホだが切ってるし、グレモリーとシトリーも端末を切っているはずだけど取り出した者はロスヴァイセだった。

「すいません、切っていたつもりなのですが『構わんよ、そのまま切るよりも出た方がいいだろ』では失礼して、コホン。もしもし・・・・」

どうやらバイブにしてたつもりがオフだったらしい、まあ鳴ってしまったのはしょうがないので話を一時中断させた。

「あ、お祖母ちゃん!どした?何かあったの?」

ふむ、相手は祖母らしいが今言葉が訛ったような気がする。気の所為か?と思うとロスヴァイセは標準語から方言で話し始めた。

「んだ、今大事な会議中だからんな。え?仕事?心配すなくとも、わたす元気にやってってからね。お祖母ちゃんが心配すっ事なーんにも無いんだってば」

『ロスヴァイセの方言だらけの会話に皆が驚愕しているな』

『会議を一時中断して良かったけど、都会で似合うクールビューティーなのに方言で話すのはとてもレアな光景です。なのでカメラに収めておきました』

仕事が早いねぇーと思いながら、俺らCB側もだがサーゼクスも皆が驚き目を丸くしている。ちなみにカメラで記録しているのはシーグヴァイラであり、素早くカメラで収めるのは良い事だ。

「今の仕事先の上司さんは、えんらい良いヒトだから、お給金も前のとこよりいっぺぇ出してくれてんのよ?だっから、そっちさ仕送り出せんだから。ええからええから!田舎さ何もねぇでしょ?送った金で何か買って、ぬくくしてくれたら、わたすはそれで充分だかんね?」

目をパチクリさせている皆であったが、確かグレモリーとシトリーには情報が無かったのでシーグヴァイラとソーナで簡単に伝えた。俺とヴァーリにはイリナだったけどさ、まさかの方言オンパレードとは思わなかった。流石のサーゼクスでも驚愕しているが、グレイフィアだけは知ってる様子なので簡単に伝えていた。

「確かロスヴァイセの故郷に仕送りをしていて、故郷は何もないド田舎らしいんだって。お祖母さんが一人暮らしで、悪魔の仕事で得たお金を仕送りにしているのよ」

「なるほど、確か両親は北欧の神々に仕える戦士らしいな。実家に帰る事が希らしく、ほぼ祖母に育てられたと端末に載っている。お祖母ちゃんっ子で、田舎に何でも揃うディスカウントストアを建てるのが夢と」

「だからお金には少々執着していた訳か。それなら蒼い翼に嘆願書持って行けば良いのでは?」

端末を見るとそれぞれの眷属に詳細なプロフィールを載せたページを見た事で納得したが、ヴァーリの言う通り我ら蒼い翼に嘆願書を持って行けば建てられると思う。修学旅行の時、ホテル前で余り無駄遣いしないような事を言ってたとイリナの報告書にな。オーディンよ、こんなに良い娘なのに何故捨てたのやら未だに分からん。電話を終えたロスヴァイセが再び咳払いをする。

「・・・・すいません。まさか実家からいきなり電話が掛かってくる何て・・・・どこまで言ってたか忘れてしまいました」

「丁度奴らがどこから来たかについてだが、俺らには魔法使いであるルフェイとゲオルグに聞いてみた。強固なセキュリティーを突破可能な術式に関してで、まあかなり厳しい顔してたけど可能性としてあると俺は思う」

「その可能性とは?」

「この中に裏切り者が居ると言う事だが、決してここに居る者が裏切り者と思っていない。駒王学園辺りの地域一帯は三大勢力の同盟関係であり、グレモリーやシトリー以外にも数多くのスタッフが存在してる。あの学園を中心に町全体を強力な結界が張られてるし、もし怪しい輩が足を踏み入れたとして誰かが察知するはずだしな」

「もし侵入されたとしても姿を晦ましたとしても、すぐに察知されているのは小型偵察機によってですが。駒王学園に入るにはいくつかの可能性が絞られておりますが、どれも察知されてしまいますね」

匙が可能性について尋ねてきたので、俺とソーナが簡単に分かるように説明したが一つは無理矢理の侵入。力があったとしても俺らが張った結界を破る者など居ないし、駒王町に住む者かスタッフが結界外に出掛けて敵対組織に捕らわれて洗脳操作されるのがオチだ。住民・全校生徒・スタッフに反応が無いって事は、裏切り者による仲介をした侵入の可能性が高い。

「魔法陣で現れる前に結界張りやがったから、誰も気付かずに侵入してきた。結界を問題無く通れるのは中核メンバークラスじゃないと無理だが、こんなにも分かりやすい襲撃をした事で捕縛した魔法使い達の記憶を拝見させてもらった。するとソイツらが来た場所が判明したよ」

「どうやって調べたんだ?」

「魔法の痕跡も調べるよりも気やら記憶を見た方が早いと思ってね。確証が無いので見させてもらったが、奴らはリアス達が夏休みに使った地下にある駅ホームからのようだな。俺は行った事ないから知らんけど」

「あそことは盲点だったね。しかも悪魔専用の冥界行ルートからとは」

「なので売られた喧嘩を買うのが俺らCB側である。今夜、駒王学園から最寄駅地下に設けられた場所に行こうと思っている。メンバーは俺と恋姫・大江戸・IS・ヴァーリ・英雄の五チーム、ルシファー達とシャルロットとアグニとオーフィスに人間界本家組とグレモリーとシトリーの両眷属も来てもらうが宜しいかな?ソーナ」

「畏まりました一誠さん。丁度試したい事があったのでね、それよりもレイヴェルも連れて行くつもりですか?」

「フェニックス関連が狙われているのなら尚更だが、目的が分からない以上は連れて行くさ。ガードは黒歌と白音に任したい」

それに連れて行かないと言っても付いて行くと知っているし、どうしてフェニックス関連が狙われている確かめるチャンスでもある。サーゼクスには冥界側で待機してもらいたいし、堕天使領には朱乃からバラキエルに伝えてもらう予定。

この会議終了後、早めの夕食を摂る事となったので全員食べてから仮眠を取るよう命じた。頭をスッキリさせた方がいいし、両龍神を連れて行くのは俺の勘=直感が告げている。深夜になってから、俺達CB側+グレモリーとシトリーの両眷属は最寄駅に来ていた。

はぐれ魔法使いの記憶を見て、この前夏休みの時に使った悪魔ルートからの地下ホームだとはな。地下ホームは最寄駅地下にあって、冥界行きのルートとされているが俺達はそんなの使わなくとも冥界に行ける独自ルートを持っている。でだ、あの場所は駒王町には悪魔専用の空間がある。

「まさかここを使っているとは思いませんでしたが、他の悪魔専用地下空間には既に調査済みとなっています。魔法の痕跡から一時的な潜伏場所として利用されてたようですが、裏切り者を捕縛するだけですね」

「だな。グレモリーやシトリーでも知らない間に使用したとして、一体裏切り者が誰なのか後程分かるだろう」

「冥界側、次元の狭間を通ったとしても俺らのセンサーに引っ掛かる程な愚か者ではなさそうだ。もし冥界グレモリー領からなら、グレモリーが侵入を許した事になっちまう事がややこしくなる」

「この駅周辺を天界・冥界のスタッフが囲んでいて、更にCB所属のブラック・シャーク隊が展開してますしね。冥界グレモリー領の列車用次元の穴も封鎖しましたが、相手が何を考えてるか分かりませんけど真意が判明しない事ですけどね」

ソーナ達悪魔側はエレベーター前に集合していたが、CB側はその隣で集結しつつも俺とソーナが皆を見渡すように言っていた。グレモリーとシトリーのメンツは知っていると思うが、黒神眷属と言うよりCBメンバーとしてのメンツ紹介をしよう。

CB側だと俺、ドライグ、サマエル、ティア・両龍神・前四大魔王&元神・ソーナ、シーグヴァイラ、レイヴェル、イリナ、朱乃、黒歌、白音とされている。ハイブリッド・ピース&カードを入れてな。

ヴァーリチーム(ヴァーリ、美猴、アーサー、ルフェイ)

英雄チーム(曹操、ジーク、ゲオルグ、ジャンヌ、ヘラクレス、レオナルド)

恋姫チーム(愛紗・鈴々・星・翠・紫苑・蒲公英・桔梗・焔耶・恋・春蘭・季衣・流琉・霞・真桜・雪蓮・蓮華・思春・明命)

大江戸チーム(吉音・詠美・朱金・想・桃子・真留・平良・はじめ)

ISチーム(箒、セシリア、鈴、シャル、ラウラ、千冬、楯無、簪、ナターシャ)

なおここに新たに粋怜と梨晏が追加されたが、今回は俺達の戦い方を見学する為なのだと冥琳から頼まれた。梨晏は槍で戦うんで雪蓮の指示に従いながらで、粋怜は事務的なタイプだけど我らの戦い方を学んで来いとの事で今回は軍師側としてな。

『と言う事なのでな、儂らは今回行けぬがお館様の戦い方を学ばせるのは良い機会』

『だそうよ一真君「粋怜?」あ、ごめんなさい。かず・・・・一真様』

『いい加減慣れろとは言わんが、せめて様付けであれば説教は免れよう。だが今後も呼ぶようであれば、月からの説教が待っているとでも思え』

『そうするよ~何せ私ら新参者は、今回の戦い方を学べばいいんだし。お館でいいんだよね?』

『まあね~だけど戦闘中は名前で呼んでいいらしいから、私は最前線に行ってるお館を追うような感じだから気楽に行けば大丈夫よ』

と祭と冥琳からの会話だったが、俺との呼び方を変えている最中なので未だに名前で呼んではハリセンで叩かれている。戦闘中なら呼んでも構わんが、公私混同しないよう今はどちらでも構わんと言ってある。

量産型聖剣エクスカリバーを所持しているが、ISチーム以外の者達で箒達と女性隊員らはエヴォルトシステム搭載機としての初陣。皆それぞれの得意な間合いを持ち、近距離だとインジャスで遠距離だとサバーニャである。

「俺達の服装はバラバラだが、グレモリーとシトリーは制服姿なのだな。ま、俺達も動きやすい格好であるが」

「グレモリーとシトリーは必然的に駒王学園の制服姿が正装ですから。CB側もチーム毎に統一されているから宜しいかと」

「準備万端となったし、相手がどれぐらい居るか知らんけどアグニ達が居るからな。どんな強敵が出て来ようとも問題あるまい」

「ま、私達ハイブリッドの者らもCB側として合せておりますしね」

朱乃の言う通り、グレモリーとシトリーの中で俺らのような戦闘服姿なのは朱乃と白音とソーナだけだ。相手は袋のネズミだが俺らが来る事など知らんし、逃げる要素が無いから待ち構えているんだろうよ。天界側のジョーカーが居るようにこちらのジョーカーは赤白龍神皇帝。

「そう言えば疑問に思っていたが、私達グレモリーは誰が指揮を執る?」

「本来なら俺が、と言いたい所だが雑魚程度のはそちら側に任せる。こちら側の指揮で手一杯だし、今はリアスと祐斗とアザゼルが居ないがソーナかシーグヴァイラがやってくれるか?」

「そう言うと思って既に戦術を練っていた所ではあります。CB側は五チーム様々な指揮系統がある為、混乱防止にてグレモリーは私とシーグヴァイラが指揮を執ります。一誠さんは気楽になってくれていいですよ」

「助かる。と言う事でグレモリーはソーナとシーグヴァイラの指揮を執る・・・・『王』不在で当惑するかもしれんがソーナとシーグヴァイラの指示に従ってくれるか?」

『はい!』

グレモリー眷属は気合を入れた返事をするが、この前地下深くで鍛錬させたのか確実にパワーアップしている。二人はいくつか質問していくが、ゼノヴィアのエクス・デュランダルの力は七つの内四つ。

破壊・擬態・透明・天閃だが、たまに上手くいかないのが癪で夢幻と祝福は能力的に相性が悪い。ま、鍛錬と本番では力が出せるので期待させておく。問題は支配だが、ぶっつけ本番なら大丈夫だろうな。

「今回は町の地下がバトルフィールドなので、いつもの戦い方では確実に制限付きとなるでしょう。大きな破壊と共に崩落・地盤沈下の影響を受けてしまいますが、余程の派手な攻撃をしなければ大丈夫かと」

「そうね。状況的に見えば威力を抑える事ぐらいしか言えないけど、必要な威力出すのならこちらから指示を出すと。朱乃と白音も私らに聞く事があれば今の内よ」

ソーナとシーグヴァイラでの即興戦術を練っていたが、俺達は俺達で戦えば問題ないのでな。それに必要以上なパワーを出さずに出来る剣士が居るし、能力も全て使えてフェンリル親子がオマケとして付いて来る。と言うより俺付近で待機している番犬、神をも喰らう狼だったとしても、今では神をも従う従順なペット化となっている。

「ところでソーナ、コイツは誰だ?」

「私も気になっていたんだけど、どちら様?」

シトリー側に見知らぬ巨躯の男が一人立っていて、外国男性のようで灰色の髪をして前髪が長く目元を隠すような髪型だ。体格はヘラクレスみたいだし、顔も良さそうな感じだった。

「そう言えば紹介が遅れましたね、こちらの男性は駒王学園大学部に在籍する大学生の方で。シトリーの新たな『戦車』です」

「・・・・黒神の『王』である兵藤一誠様。お初にお目に掛かる、我が名はルー・ガルーであり皆からはルガールと呼ばれている。気軽に呼んで欲しい」

「ルガールさんがこんなに喋る姿は見た事がないですね。やはり黒神の『王』相手だからでしょうか?私達もそう呼ばれているので一誠さん達もルガールさんと呼んで下さいな」

「そうなのか?ルガールだったか、よろしく頼む」

俺が握手しようと手を出すと素直に握り返したので、コイツは良い奴だと感じたのは同じシトリーでも思っただろう。シトリーに新たな『戦車』でも体格的に納得出来るしな、大学生って事は肉体年齢だと同じなのか?俺はこれでも二十四だが、中身は数千~数億と生き続けているから本当の歳などとっくに忘れている。無骨そうだと情報で知っていたが、こんなに喋るのなら修正しなければ。

「ルガールさんとこんなに早く打ち明けてるとは、今回は外でバックアップをお願いします。ブラック・シャークと連携を」

「・・・・ああ」

あれ?俺と話した時よりも無骨そうに話したから情報通りなのか。ルガールはこの場を離れていくし、ブラック・シャーク地上部隊と一緒に外回りだ。立派な任務だし、敵は外よりも内からかもしれん。周辺警護って奴か。

《マスター、周辺の準備は整ったようですぜ》

聞き覚えのない声がするけど、グレモリーだけは声の主を探していたが俺らは情報により一点を見ていると駅天井にな。シトリーの魔法陣が出現し、逆さに頭が飛び出てくる辺りからしてコイツは死神か。ドクロの仮面被った小柄の容姿、もしかしてルシファーが冥府に居た死神を倒したらしいからか。俺とルシファーはそう思っていた。

「コイツは死神(グリム・リッパー)だよな。それも死者蘇生させた奴か?」

「そう言えば一誠さんが居ない時、冥府に居た死神を全てルシファー様が倒した直後に死者蘇生させましたね。いえ、その前にこちらに来たので大丈夫なのですが。こちらは私の新たな『騎士』・・・・」

《あっしはベンニーアと申します。にしてもあっしが冥府を出た後、珍しくクソ親父から連絡があったんで聞くとルシファー様が冥府中に居た死神全てを葬ったと聞きまして。マスターに聞くと納得はしたんですが、クソ親父からの連絡が死者蘇生後だったんで》

なるほど、あの事件前に冥府を抜け出してからの眷属入りか。だからルシファーが死神とハーデスを滅ぼした後、死者蘇生させてもルシファーの力に関しては知らずに済んだ訳ね。天井から小柄の死神が降りて静かに着地後と同時に仮面を外すと、中学生女子の顔をしていて眠そうな目をしている可愛い女の子。

深い紫色の長髪と金色の瞳、ウチのはわわ&あわわ軍師みたいだ。手に持つ死神の印、鎌はまるで華琳が持つ絶のような装飾をしていて可愛いドクロな。

「通常『悪魔の駒』は神を転生させる事が不可能だったはず、すると半神と想定して人間とのハーフか?」

「その通り。最上級死神の一角、オルクスの娘だそうだ。兵藤達以外なら驚きで一杯なのだろうけどよ」

「・・・・新しい『騎士』と『戦車』のアテがあると聞いていましたが、まさか死神とは・・・・」

俺の分析通りとなり、更に匙からの追加情報で一致したがグレモリーはとても驚愕している様子。新たな眷属紹介で、ロスヴァイセも目を丸くしていた。だがCB側にとってソーナからの情報提供により既に把握済み。

驚くと言うより、情報提供に一致したと言う納得。死神を仲間に加えるとは思わないけどよ、ソーナは否定するかのように首を横に振っていた。

「『騎士』のアテは本来他のヒトだったのです。しかしその方と都合が付かなくなりましたら、ベンニーアが現れまして・・・・」

《ハーデス様のやり方について行けなくなったので、こっちに寝返る事にしやした。最も黒鐵の旦那が消滅前だったんですが、そんで言ってみたのですよ。「あっしを眷属にしませんか」とね》

「怪しさ抜群で凄まじいが、とある一点により信頼を勝ち取る事が出来ました」

《黒鐵の旦那、あっしは旦那の大ファンですぜ。ほら、マント裏に黒鐵改とCBの旗を刺繍したでさ。早速で悪いんだがサインを一つお願い出来ませんかね?》

と交渉して来て、一瞬ハーデス側のスパイかと思ったそうだがロリ死神のような大胆と怪しさ一杯のスパイは居ないだろうと判断。そんで証拠として当時まだ黒神眷属としての旗を刺繍してた事で、一発で信頼する事になったんだったか。そう推測していながら、色紙を突き出していたのでサインを書いていく俺。その刺繍には新たに黒鐵改頭部と獅子のな。

「俺のファンは三大勢力や他勢力に各神話も居るが、まさか冥府に居る死神までが俺のファンになっているとは世の末だな」

《クソ親父とハーデス様のやり方が気に入らないし、黒鐵の旦那を倒そうと陰からそう指示が飛んでたんでさ》

「ソーナからの情報には『騎士』の駒一つで足りたそうだな。母方の人間の血が濃いからなのか、ベンニーア自身は大した事はなさそうだが眷属側にとっては良かったと思うぞ。と言う事でベンニーアもルガール同様、外でのバックアップを頼む」

《イエッサーですぜ、一誠の旦那。同期の大柄アンちゃんとブラック・シャークのメンツと共に待機してやす》

本来ならソーナからの指令だが、CB総司令官である俺の指令を飛ばしてベンニーアは足元に魔法陣展開後、潜って消えていくのを見たグレモリー達は見慣れない魔法陣の通り方だろう。飛ぶのではなく潜ると言うのは、俺らで言うゲートを潜れば目的地に到着みたいな。

「今回の策前に眷属紹介させましたが、グレモリー眷属にとっては緊張が解れたようですね」

「いいさ。俺らの出番はまだ先にあるし、気長にやらせてもらうから心配はいらん。以前なら俺らが前に行くが、今回は匙達の新たな戦力のお披露目でもある」

「おうよ!俺らもたまにはカッコイイとこを見せないと修行した意味が無くなる。ゲームでは目標だが、実戦では強敵以外は俺達が露払いしてやるさ」

『任せろ一誠。我と我が分身とのコンビを見せつける時だ』

ま、こちらはこちらでやらせてもらうがまだ出番が無いので気長に待たせてもらう。グレモリーとシトリーの両眷属は駅のエレベーターから地下へ降りて行くが、俺らCB側は空間切断によって地下空間へ到着。強敵が居る事を願い、俺らは小型偵察機をばら撒いて各チームは互いに通信機で確認して進む。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧