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チートな筈なのにそんな気がしない

作者:セリウム
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番外編:ドキッ?水泳大会前編

 
前書き
もはや俺得でしかない 

 
水の中は良い、外の音は一切遮断され、聞こえるのは水を掻く音と自身の呼吸音のみだ。

冷たい水の感覚を全身に感じる。まるで何かに包まれているようだ。

普段感じる重さという概念もここにはない。『自由』という2文字がここには相応しいのだろう。思うままに水中を進む。

「ふう…」

今俺は最初に来た(正確には落ちて来ただが)湖に来ている。理由は簡単。泳ぐ為だ。
実は水泳は俺の趣味であり、特技でもある。学校でも水泳部に所属していた。
泳ぐことは気分転換にもなり、日常となった箱庭での非日常な生活を一時的に忘れられる。

しばらく泳いでいなかったので体が鈍っていると思ったが箱庭での生活が俺の身体能力を上げたようで以前よりも調子がかえって良いように思える。

少し休憩を挟もうと水から上がり、着替えると、

「ナナシさーん!」

俺を呼ぶ声がする。

「誰だ…ってリリじゃないか。」

何故俺の心の癒しであるリリがここへ?←ロリry

「私もいるぞ。」

こちらに向かってくるリリの後ろからレティシアの姿もあった。

「2人ともどうしたんだ?」

「そろそろお昼ご飯の時間なので呼びにきました。」

「リリだけでは危ないからな、私も来たわけだ。」

「そっか、ありがとな2人とも。」

俺は2人の頭を撫でる。リリの撫で心地もさることながら、レティシアの撫で心地も良い。髪がサラサラで上質なシルクのようだ。

「ふぁ」

「んッ」

おっといかんいかん。

撫でていたら2人の顔が紅潮していき声もちょっとイケナイ感じになってしまった。←お巡りさんコイツです。

「それじゃあ戻るか。」




「ナナシさんは何をしていたんですか?」

「少し泳いでたんだ。」

「ナナシは泳げるのか。」

「ああ、一応な。」




昼飯を食った後俺や十六夜達はジンに呼び出された。

「一体どうしたの?ジン君?」

「実は明日サウザンドアイズ、というより白夜叉様が個人的に開いたギフトゲームが開催されるんです。」

「へえ、どんなゲームなんだ御チビ?」

「水泳大会です。」

「楽しそう。」

「それがかなりレベルが高いものになりそうなんです。」

「というと?」

「今回のゲームの優勝者はは白夜叉様に願いを叶えてもらえるようなんです。」

「太っ腹だな。」

「Yes,白夜叉様個人が主催なので参加者集めも白夜叉様自身がダシになる。との事なのですよ。」

「今回のギフトゲームはかなり特殊で、1つの条件があるんです。」

「条件?」

「今回のゲームにおいてギフトの使用が禁止のようです。」

「それじゃあギフトゲームじゃないんじゃ…」

「でもそのおかげで公平に戦いができ、参加者も多くなるそうです。」

「でもそれだと十六夜君の身体能力もダメなんじゃ?」

「はい…そうなってしまいます。」

「このゲーム案外厄介だな。」

「誰か泳ぎに自信がある人がいれば良いのですが…」

「私、泳ぎなんてロクにやってないわよ。」

「私も」

「黒ウサギはどうなんだ?」

「私はそのゲームのジャッジを依頼されているので参加はできないのです。」

そこへリリがお茶を持ってやって来た。
ひとまずお茶を飲んで落ち着くことにした。

「みんな何を悩んでいるの?」

リリが聞いてくる。

「実は…」

ジンが内容をかいつまんで話す。

「それじゃあナナシさんにお願いすればいいんじゃあ」

「「「「「えっ?」」」」」

あ…

「「「「「えーーーーーーーー⁉︎」」」」」

おっふやべ。

「ナナシさん泳げたんですか?」

「ナナシさんは泳ぎが得意じゃないですか?」

「初耳なんだけれども…」

これはマズイな。

「ナナシさん!なんで言ってくれないんですか⁉︎」

………

「聞かれなかったから?」

「「「「「…」」」」」

「えっと、リリは言ってはいけないことを言ってしまったのでしょうか?」

いや、リリは悪くない、悪くないんだが…

マズったなぁ〜

こうして今回のゲームの参加者は俺になったのであった。
 
 

 
後書き
何故か前後編となった 
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