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オズのビリーナ

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第六幕その五

「ちょっと行って来るわ」
「行って来るって?」
「何処に?」
「地下までよ」
 そこにとです、あっさりとして言うのでした。
「行って来るわ」
「また急ね」
 トロットはビリーナに目を瞬かせて問い返しました。
「とはいっても貴女らしいわね」
「思い立ったらその時よ」
 ビリーナは右手を挙げて言いました。
「まさにね」
「それが貴女だから」
「行ってくるわ」
「あっ、トロット」
 ビリーナが言い終えた瞬間にキャプテンが行ってきました。
「それじゃあね」
「ええ、そうね」
 トロットもキャプテンのその顔に頷きます。
「それじゃあ」
「言おうね」
「そうするわ、ねえビリーナ」
 トロットはキャプテンとの話をしてすぐにです、ビリーナに顔を戻して声をかけました。
「一つ提案があるけれど」
「提案って?」
「私達も一緒に行っていい?」
「菫の種を採りに」
「そうしていいかしら」
「ええ、いいわよ」
 ビリーナはトロット達のお願いに快諾で応えまっした。
「それじゃあね」
「今から一緒にね」
「そうしましょう、旅は多い方が楽しいし」
 それならと言うビリーナでした。
「一緒に行きましょう」
「それで決まりね」
「ええ、じゃああなた」
「うん、これからだね」
「行って来るわね」
「よい旅を」
 王様は奥さんに暖かい声をかけました。
「皆と一緒にね」
「そうさせてもらうわ」
「さて、僕はこのままね」
「この国を治めてくれるのね」
「そうするよ」
 こうビリーナに答えるのでした。
「引き続きね」
「それではね」
「それで種を手に入れたらすぐに戻って来るんだね」
「ええ、すぐによ」
 まさにというのです。
「そうするわ」
「じゃあ楽しみに待っているね」
「そうしてね、虹色の菫も植えたら」
 この鶏の国にというのです。
「この国はもっと奇麗になるから」
「いいね」
「ええ、だからね」 
 それだけにというのです。
「絶対に手に入れるわ」
「頑張ってきてね」
「途中悪いノームが出て来ても」
 地下の至るところにノーム族がいる可能性があります、そして彼等の前の王様であるラゲドーのことを意識してこう言ったのです。
「撃退するわ」
「その卵でだね」
「卵を産まなくてもよ」
 それでもというのです。
「私はノームには負けないわ」
「絶対にだね」
「そう、絶対によ」
 それこそというのです。 
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