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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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628部分:第九十話 封印の前でその五


第九十話 封印の前でその五

 見ればそれはだ。銀色の髪と目をしていた。サガはその彼を見て言った。
「恐怖の神デイモスだな」
「如何にも」
 その男デイモスはにやりと笑って彼が言ったその名前に応えてきた。
「それが私だ」
「やはりそうか」
「そしてだ。この機会にだ」
「我等も名乗っておこう」
「いいな、それではだ」
「ここでだ」
 他の三人も出て来た。そうしてそれぞれ名乗ってきたのであった。
「敗走の神ポポス」
 金色の髪と目をしている。
「混乱の神キュドイモス」
 白い髪と目である。
「戦死の神ケーレス」
 黒い髪と目だ。その彼等が四闘神であった。
 そのうちのデイモスがであった。右手をゆっくりと自分の肩の高さに掲げてだ。そのうえでまた自信に満ちた声で言ってきたのである。
「この程度の空間なぞだ」
「貴様一人で充分だというのか」
「如何にも」
 まさにその通りだというのだった。サガに対しても返す。
「この程度のことはだ」
「デイモスに出番を取られたか」
「全くだ」
 他の三人はその彼を見て薄く笑うだけだった。
「仕方がない。では見させてもらおう」
「今地上がどうなっているかをな」
 その言葉と共にであった。デイモスがその手から赤い光を放った。そのうえで言うのであった。
「元の世界に」
「!?技ではないのか」
「それだけだというのか」
 これにはサガもアイオロスも驚きの声をあげた。しかしであった。
 技の名前なぞ言わなかった。デイモスはそのまま手から光を放っただけだ。それだけで。
 彼等は祭壇ごと別世界に移った。元の地下神殿であった。
「元のあの場所にか」
「戻ったというのか」
「その通りだ」
 二人にデイモスが告げてきた。彼等も四騎士もそのままである。
 そしてエリスもまた。悠然と笑いながらまた二人に話してきた。
「さて」
「ここでか」
「我等を倒すというのか」
「それも一興か」
 エリスは二人の言葉を聞いてこう返してきた。
「ここで汝達を倒すのもだ」
「生憎だが倒されるつもりはない」
「我等もだ」
 サガもアイオロスもその言葉を強くさせて返した。
「何があろうともだ」
「貴様等を倒すことはあってもだ」
「ふむ」
 エリスは二人の言葉を聞いてまた述べた。
「見事な心じゃ。流石は黄金聖闘士だけはある」
「確かに」
「思えば思い出します」
「あの時を」
 四闘神もここで言ってきた。
「あの時もこの者達は決して諦めませんでした」
「例え何があろうとも」
「決して」
「そうじゃな。何もかもが同じよ」
 エリスもまた悠然と笑って返してきた。
「それではじゃ」
「はい、それではここは」
「一体」
「楽しみは後に取っておくもの」
 だが。ここでのエリスの言葉はこうしたものであった。
 
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