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STARDUST∮FLAMEHAZE

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第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#34
  星魔の絶戦 千変VS星の白金Ⅱ~Heart Of Connect~





【1】


「な、何、ですか……? コレ……?」
 今日何度目か解らなくなった台詞を震える口唇で漏らしながら、
『スタンド使い』 の少女は想わず後退(あとずさ)った。
 風もないのに吹き抜ける、山吹色の火の粉が花粉のようにたなびく気流が
リボン状に結ばれた民族衣装の腰帯を揺らす。
 その少女、吉田 一美の眼前、がっしりとした門構えの高層マンション、
近代的な光景に幻想の脅威が確固たる存在を以て絡み付いていた。
 舞い散る火の粉と同色に煌めく太い蔓、
ずるずるうねうねと大蛇のように蠢き
互いに纏わりながら形容(カタチ)を構成し
その天頂部に大輪の華を咲かす。
 コレが、紅世の美少女、 “愛染他” ティリエル絶対勝利の布陣、
その根幹を成す具現化法儀 “ピニオン” 
 特性に(しつら) えた “燐子” を触媒として、
込められた存在の力を貯蔵、供給、更には蠢く蔓を利用して
「補充」 まで行える複雑高等法儀。
 こんな巨大なモノはどこにも存在しない、
それ故に少女は自身の目的と困難を疑いなく認識した。
「こ、こんな巨大なモノを、5つも!? 
む、無理! 絶対、無理ですッ!」
 浮かぶ弱音をすぐ口に出してしまうのも無理からぬ事、
「戦士の世界」 に入門して日が浅いどころか数十分しか経っていない
彼女に多くを望むのは不当と云うもの。
 しかし無理を承知で通す事なくして、不条理に勝利する気概なくして、
この先の 『道』 を進むコト(まか)りならず。
 この試練は少女の未来を占う重要な試金石、分水嶺となるだろう、
その力量差は余りにも理不尽とはいえ。
「ど、ど、ど、どうしましょう? 
あの上の 「お花」 を切り取れば良いんですか?
それとも普通の植物みたいに根がなくなれば枯れるんですか?
あぁ~ん、解りません、助けてください! 空条君!」   
 子供がやるように、頭を抱えて小首を振る少女。
 しかし答える者は誰もなく、徒に焦燥が募るだけ。
 承太郎の 『幽波紋流法(スタンド・モード)』 、或いはシャナの “焔儀大系(ゾディアック)” なら
その巨大さを意に介さぬパワーで建物ごと撃ち砕く事も可能だが、
まだ 「成長」 していない彼女のスタンドではそこまでの
能 力(パフォーマンス)を発揮するのは不可能。
 試しに足下の石を拾ってスタンドに投げさせてみたが、
「花びらが、ぽよよん、って、揺れただけです。
何か寂しくなってきました」
妙に冷たい風が足下を通り抜けただけだった。 
「仕方ありません、建物の中から屋上まで昇って、
直接あのお花を摘み取ってみましょう。
聖 光 爆 裂 弾(スターライト・ブレイカー)』 なら、何とかなりますか?
ライトちゃん?」
 己の裡で眠る存在、姿を視せていないが確かにこくりと頷くの確認すると、
意を決して吉田 一美は黄靄に霞むエントランスをくぐった。
 その瞬間。
「――ッ!?」
 いきなり、足下に不可思議な紋章と紋字を鏤めた、
昔TVで観たミステリーサークルのような図形が上下左右前後、
無差別に浮かび上がりソコから、硬い石面と壁面を無視して水面から顔を出すように、
スタンドの形態(フォルム)とは明らかに違う異形のナニカが一斉に湧き出した。
「き、」
 悲鳴を発するより先に、少女の瞳はその存在をはっきりと認識、
ドロドロに溶けたチェスの駒、或いは悪趣味な蝋細工、
しかし片手に持った剣は明確な殺傷力をギラつかせて押し迫る。
 ガシガシガシィッ! 異界から伸びてきた無数の手が吉田 一美の躰を拘束した。
 振り向いてはいけない曲がり角、捨てるコトによっておっかぶるスタンド能力、
エントランスを踏み越えるコトがその発動条件、
未知の(トラップ) は相手の驚愕など微塵も斟酌せず
剥き身の刀身を大挙して振りかぶる。
「きゃあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!
ライトちゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!!!!」
 悲痛な叫びと共に零れ散る涙を呼び水として、
怒れる天使の形相となった守護者(スタンド)
聖 光 の 運 命(スターライト・デスティニー)』 が溶けた蝋人形を
両手で鷲掴みにしながら出現し、
ソレを魚雷なような勢いで少女を取り囲む異形の暴徒に投げつける。
 同類を投げつけられた同類は互いに木っ端微塵になりながら弾け跳び、
山吹色の火の粉が飛び散る破片に視界を覆われた一団に、
紗衣で包まれた両腕のラッシュが高速で炸裂する。
『―――――――――――――――――――――ッッ!!』
 声は発しない、しかし無言の圧力と強烈な破壊音を伴って、
異形の暴徒は携えた武器ごと粉々、及び、グチャグチャに撃ち砕かれていく。
 女性型の細腕とは想えぬ破壊力、瞬発力、
前方180°は繰り出される聖光の弾幕によって微塵の隙間なし、
背後に回り込んで飛び掛かろうとする数体にも、
背に携えた両翼が蹴撃さながらの膂力を発揮し
脚のない土台を残して上体を殺ぎ飛ばす。
 窮地に於ける僥倖、というのでもなかろうが
スタンド 「本体」 の精神状態が恐慌に陥ったため、
それに対する 「防衛本能」 が能力の底上げを可能せしめた。
 承太郎と同じ 『近距離パワー型』 ではあるが、
彼女、吉田 一美のスタンドは主動操作(マニュアル)ではなく半自律運動(セミ・オート)に近いので
精密性が薄れる分本体の意志を無視して咄嗟の事態にも対応できる。
 コレは彼女生来の人格、 「依存心」 が強い部分がスタンドの機能として
現れたモノだが長所と短所は表裏一体、小心なる者はそれ故に、
自身が傷つくことを何よりも厭う。
 スタンド操作の基本、そして重点は此処に、
「弱点」 は消そうとするのではなく受け入れるコトによって
初めてその解決策を見いだす事ができるのだ。
 最早明白なる燐子トラップ、法儀を構成する燐子(ピニオン)を護るのも同様に燐子。
 しかし生前、燐子造りの天才と呼ばれた
“狩人” フリアグネの 「遺作」 故に
その質、量共に他の徒の追随を許さない。
 第一陣が滅びれば息をつく間もなく二陣、三陣の同時展開、
再びサークルから次々と沸き出す異形の群が少女へと執拗に襲い掛かる。
「ひっ――!」
 安堵する暇も与えられず怯える少女をスタンドが抱き上げ、
両翼で大切に庇護しながら後方へ跳躍。
 発動してしまえば射程距離は関係ないので武器を振り上げた燐子の群は、
数の暴力に促されるまま統制の取れた動きでエントランス先の二人 (?) へ迫る。
 それを押し止めるように、一度 『聖 光 の 運 命(スターライト・デスティニー)』 が
拳を素振り、所謂空拳(くうけん)を撃つ。
 無論この数の前には威嚇にすらならないが、彼女(?)の思惑は別の処に、
“終わっているコト” に対する 「保険」 のようなモノだった。
 拳の軌跡、その威力が最大となる末端部にとぴしりと「固定」された瑠璃色の光。
 その表面にごく小さく、10と記された数字、9,8,7と時の流れと共に減っていき、
その現象と反比例して光はジワジワと膨張していく。
 さながら、時限式の 「爆弾」 を想起させる危うさ、
ソレと同様のモノが前方に多数、撃った数だけ、連打(ラッシュ)に織り交ぜた数だけ、
『時間差』 となって殺到する燐子達の中心でゼロを差す。





 ヴァッッッッッッッッッグオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォ
ォォォォォォォ―――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!




 瞬時に巻き起こった瑠璃色の累乗大誘爆。
 元の威力の分だけ、経過した時間の分だけ、
何より逃げ場のない内部爆発だった為、
本来の爆弾を遙かに上回る恐るべき殺傷力。
 コレが、少女吉田 一美の持つスタンド、
聖 光 の 運 命(スターライト・デスティニー)』 の能力。
 臆病であるが故に、気弱であるが為に、
「抑圧」 された感情はある日途轍もない爆発力を伴って
自分を傷つける一切を破壊する。
 善い、悪いは関係ない、ただ、追い詰められた “弱者の一撃” と云うモノは、
アノ統世王 『DIO』 をして侮れぬと云わしめる凄まじさだというコトだ。
 バラバラと、爆発で砕けた燐子の残骸が山吹色に爆ぜながら消えていく。
 外形はフリアグネが造ったものだが
内部に込められた力はティリエルのモノなので
炎の色彩は彼女の存在に準ずる属性となる。
 最後によろよろと、身体半分吹き飛ばされた燐子が
敗残兵のようにエントランスをくぐるが、
空拳の軌跡に触れて爆滅した。
「あ、ありがとうございます、ライトちゃん。助かりました」
 本質的には自分で自分にお礼を言ってるに等しい状態だが、
彼女 (?) を自分の分身とは認識してない少女は
傍に立つスタンドに深々と頭を下げた。
 対して言われたスタンドは頭を下げる宿主に小首を傾げ、
いつでも呼んでという思惑を残し消えていく。
 本当に、どっちが 「本体」 だが解らない光景だったが
スタンドとの関係性に答えなどないのでコレはコレで良いのだろう。
 再び静寂、想定外の爆発は有ったが破壊目標であるピニオンは
無傷で蔓を蠢かせ頭上から山吹色の火の粉を撒き散らす。
「さて、困りました。中に入れません。
入り口にあんなにたくさん敵の方がいるとなると、
中はもっとたくさんいるはずです。
上へ行けば行くほど、強くてたくさんの人達が」
 父の好きな映画、弟の好きなゲームを思い出す推測だったが、
概ね、間違っているとは想えなかった。
 目的の場所、相手にとっては一番近寄らせたくない所に
厳重な警備を敷くのは当たり前だ。
 さっきは 『聖 光 の 運 命(スターライト・デスティニー)』 の機転で事なきを得たが、
アレ以上の数の敵が迫ってきたら幾ら彼女でも持たないだろう。
何より自分が捕まってしまったら、彼女は何も出来ずにやられてしまう。
 スタンドと本体は一心同体で友人関係のソレとは違うのだが、
少女の心の裡で彼女は最初から単なる 「能力」 と呼べる存在として
認識されていなかった。
 どうしよう? 純粋で切実な局面、
しかしその最初の一歩すら踏み出せない緊縛の中で、唐突にある声が甦る。
「この主人公バカじゃないの? 
ボスが5階にいるのが解ってるなら、
ヘリとかはしご車使えばいいじゃん。
それかダイナマイトで塔ごと吹き飛ばすとかさ。
なんでわざわざ苦労して1階から昇ってくわけ?」
 半裸の武道家が激しいアクションを繰り広げる
映画を見ている時に、弟が発した言葉。
若干ヒネた所がある彼の言葉に父は男のロマンが解らないヤツだと笑っていたが、
その何気ない日常の記憶が少女の脳裡にある閃きを生み出した。
「――そうだ、ありがと、健」
 茫漠とした表情で、今は遠く離れた、たった一人の弟に感謝を告げる。
 自分が家を離れる、別れ際のその時まで怒ったように何も言わなかったが、
「はやく治して帰って来いよ!」
ドアが閉まる最後の最後、涙ぐみながらこちらに向かってそう叫んだ。
 そうだ、しっかりしなくちゃ、お姉さんなんだから。
 何の為に此処にいるのか、誰の為に此処に来たのか、
一番大切な事を忘れちゃいけない。
聖 光 の 運 命(スターライト・デスティニー)」 
 先刻と同一人物とは想えない、毅然とした声が静寂に響いた。
 空間を歪める音を発して、即座に現れるスタンド。
 宿主の瞳を映したように、舞い散る光は凛然として気高い。
「上手くいくかどうか、解りません。
でも、このまま放っておけば、
アノ花に中の人達がみんな食べられちゃいます。
残りの4つも同じコト。なら――ッ!」
 一か八かの賭け、戦闘の熟練者なら絶対選ばない無謀。
 しかし戦いの素人であるが故に、あらゆる制約に縛られず
度外れた発想へと少女は至る。
聖 光 爆 裂 弾(スターライト・ブレイカー)
 意を決して、小さくとも強い覚悟と共に発した言葉。
 握った拳に集束する光、だが流法(モード)はすぐ放たれず、
眩い光を称えたまま3分の秒 読 み(カウントダウン)と共に膨張していく。
(このまま、カウントダウンぎりぎりまで、状態を維持して待ちます。
そして3分ギリギリで撃って “もう一度” 能力を発動させれば……!)
 そう、撃たれた攻撃を 「時間差」 で発動出来る
聖 光 の 運 命(スターライト・デスティニー)』 の能力ならば、
上乗せ都合 “6分ぶん” の時間差強化も 「理論上は」 可能となるはず。
 成長に乏しい彼女のスタンドも、このような 「裏技的」 使い方をすれば、
瞬間的にはスタープラチナ、否、それ以上の破壊力を生み出すコトも可能となる。
 あくまで、 “成功すれば” だが。
 結果のリターンが大きい分だけ、生じるリスクもまた高い。
 一歩タイミングを誤れば、また目論見が外れれば、
宿した流法(モード)が自分の腕で炸裂してしまい跡形もなくなる、
少女自身も無事では済まない。
 一流の遣い手でも怯むリスクの高い方法を、
少女は躊躇なく堂々と実行した。
 気弱で臆病な彼女からは想像もつかない、
恐怖で感情が麻痺しているのではと錯覚する姿だった。
 しかし、そうではない。
 気弱で臆病で在るという心情は、大切なナニカを失いたくない
という心理から発するもの。
 その事実を明確に認識するなら、自身の傷は恐怖の対象ではなくなる。
 誰だって同じだから、その身を犠牲にしても、護りたい存在があるから。
 そのコトに、普通の人間も、スタンド使いも、ましてや紅世の徒も関係ない。
 遠い、或いは異なる未来、過去、現在。
 何ら特別な力など持たないのに、
余りにも圧倒的過ぎる、絶望的な戦力(チカラ)を持った存在に、
“たった一人で” 立ち向かっていった者達がいた。
 無様に泣きじゃくりながら、血と泥に塗れ、
抜き差しならない状況でのたうちまわりながら、
藻掻き、足掻き、這い擦るように醜態を晒しながら、
それでも自らの 『運命』 に抗い続けた。
 その結果、どうなったかは敢えて語るまい。
 ただ一つ確かなのは、その彼等彼女等が、
紛れもない 『美しいモノ』 だったというコト。
 暗闇の中で燦然と輝く、 “希望” そのものだったというコト。
 その 「気高さ」 こそが、人間を人間たらしめている 『精神』
「――ッ!」
 ソレと同色の、黄金なる光が、今、少女の瞳に。
 淡い胡桃色の双眸に、確かに。
 弱き者は強き者、臆病なる者は勇気ある者。
 この矛盾した二律背反は、こと人間の精神に限り成立し得る。
 何故なら、人は傷つけば傷つくほど、
絶望すれば絶望するほど、誰かに――
(みんな――ッ!)
 少女の精神の裡で、鮮やかに、護りたい者達の存在が浮かぶ。
 今は逢えないけれど、いつ戻れるかは解らないけれど、
でも、必ず帰るから、私の居場所はそこだから、だから――ッ!
 最後に、少女の 『決意』 を後押しする、青年の風貌。
 いつも、自分に勇気をくれた。
 忘れていても、見守ってくれていた。
 その想いに報いるために、アナタと同じ場所に辿り着けるように、
だから――ッ!
聖 光 爆 裂 弾(スターライト・ブレイカー)双 奏(カノン)ッッッッッ!!!!!』 
流法者名-吉田 一美
破壊力-AA++(成功時) スピード-AA++(成功時) 射程距離-C
持続力-B 精密動作性-D 成長性-不明(まだ未発動)



 運命の追復、星光の追想。
 渾心の想いを込めた少女の 『決意』 が、
光輝く新 流 法(ニュー・モード)と成って大気を震撼させた。 



←TOBE CONTINUED…


 
 

 
後書き

はいどうもこんにちは。
“看板に偽りあり”みたいな話になってますが、
「この娘」の話も書かないとストーリーが進まないのでご容赦ください。
(承太郎とシュドナイが戦ってる「裏側」みたいなモノです)

さて、今回はひとつ、ストーリー作品に於ける
「優しさ」というモノについて考えてみようと想います。
思い出すだけでも吐き気がするんですが、「灼眼のシャナ」原作では
主人公のアレが「優しい」とか言われてますけどはっきり言って
あんなのは「優しさ」でもなんでもありません。
この原作者の方は、「優しさ」と「女の子に気に入られようと媚びを売る」
という行為を取り違えているのではないでしょうか?
だって「美少女」相手なら、頼まれなくたって誰でも「優しく」するでしょう?
(○ートだって○キコモリだって・・・・('A`))
その行為自体が気持ちイイわけですから。
逆にシャナや吉田サンの容姿が○○○○だったなら、
果たしてアレは「優しく」出来るンでしょうか?
その時点でもう本来の「優しさ」からは乖離してしまっているのです。

まぁ毎度毎度「ジョジョ」を例に出して恐縮ですが(だって便利なんだもんw)
3部でポルナレフがネーナ(『女帝《エンプレス》』本体)に言い寄っている
いる所は「優しさ」ではなく(目的は自分の「下心」ですから)
ヴァニラ・アイス戦でズタボロの状態でこちらに向かってくるイギーに
「来るな! オレを助けるな!」と叫ぶのが本当の「優しさ」だというのは
解りますね?
5部でブチャラティが浮浪児同然のナランチャにスパゲティを無言で
差し出す所もそうですし、8部で定助が虹村さん(子供の頃が可愛過ぎるw)
のために自分の目的を諦める所もそうです。
つまり「自己満足」や「自己利益」のためではないというのは無論ですが、
一番重要なのはソレが後に『繫がって』いかなければいけないという所です。
一部のジョースター卿が本当は可愛がりたいのに
立派に成長させるため敢えてジョナサンに厳しく当たる。
ソレが『本当の優しさ』だからジョナサンは圧倒的な恐怖や絶望にも立ち向かって
いけたし最後に命を犠牲にしてもエリナさんを救う、恨んでいたディオも許すという
慈愛(やさしさ)」に至ったわけです。
(だからその精神が後の者に『受け継がれる』)
だからキツイ言い方になりますが「繫がって」いかないモノは
「本当の優しさ」ではなくスベテ「偽り」に過ぎないのです。
この拙作に於いてもソレは同様でシャナが「承太郎に優しくされて嬉しい」
で終わるのではなく、優しくされたらその分誰かに繋げて返す。
マージョリーやヴィルヘルミナも同様でただ性格に変化が訪れるだけではなく、
他の者に「繫がっていく」というのを重視して描いています。
コレは普遍的な人間の『倫理』であり、だから「人間賛歌」という
テーマは素晴らしくジョジョを『名作』足らしめている要素だと想います。
長くなりましたがソレでは。ノシ

 
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