ファンタシースターオンライン2 -銀色を包む琥珀色の星-
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第2話 突然の来訪者
前書き
登場人物が多くて、誰が何処を喋ってるか分からない事態が発生したので、喋ってる人の頭文字を付けときました。頭文字が被っている人は分かりやすいよう区別しときました。
ツ「お姉ちゃん達、助けてくれてありがとね!」
銀髪の少女、ツヴァイはバルバテス達にそう言う。
こ「ツヴァイちゃんだっけ?チームはどこに所属してるの?」
ツ「チーム?そんなの所属してないよ」
こ「そうなんだ。もし良かったらうちのチームに来る?マスターもいいよね?」
バ「もちろん大歓迎です!」
ツヴァイは立ち上がり、バルバテス達に向かって笑顔で言う。
ツ「折角のお誘いだけど、遠慮するよ。私、チームとか仲間とか信用してないの。じゃあね!」
そう言ってツヴァイはチームルームから立ち去ろうとする。が…
も「ちょっと待った」
ツヴァイの前にもみじさんが立ち塞がる。
ツ「なにお姉ちゃん?」
も「今の言い方、あんまりじゃないの?助けられた人間のセリフじゃないよね?」
ツ「助けてくれたことには感謝してるよ。でもチームや仲間なんか、私はいらない。仲間なんて、すぐに裏切る。いざって時はあっさりと…ね」
ツヴァイは笑顔のままそう話す。そしてもみじさんの横を通り過ぎ、チームルームを出る際に…
ツ「お姉ちゃん達も、切り捨てないとそうなるかもよ?」
そう言って消えていった。3人は何も言えず、そこに立ち尽くしていた。それもそのはずだ。このチームをやめていったメンバーを見てきたからだ。そんな時。
く「あれ?マスター達、なんでそんなとこで立ち尽くしてるの?」
チームメンバーが帰ってきた。
く「なんかあったのー?」
明るい声でそう言った彼女は、くれあ。クラスはテクター。少し天然な人。何故かもみじさんからはくれあ嬢と呼ばれている。
こ「…ううん、別になんでもないよ」
こにぃは無理に笑ってそう答える。が…
アザ「…無理に笑ってるのが見え見えだ、こにぃ」
彼女はアザトス。クラスはブレイバー。常に冷静でクールな性格。ファッションにはこだわりを持っている。
こ「…実は…」
チームメンバーに先程あった出来事を説明する。
わ「ええええ!?そんなこと言われたの!?私がその場にいたら私のウォンドでぶん殴っていたのにいいい!!」
彼女はわかば。クラスはテクター。チームのムードメイカー的立場にある。
こ「落ち着いてよわかば。私達、気にしてないから。ね?マスター?」
こにぃはマスターのほうを向く。
バ「ソウデスヨ キニシテマセンヨ」
マスターのほうはかなりダメージが深いようだった。
く「ありゃりゃ、マスターのほうはダメみたいだね」
も「そういえばくれあ嬢、調査の方はどうだったの??」
そう、最近ダーカーの様子がおかしいという情報が入っていた。くれあ、アザトス、わかばの3人はその調査のため出かけていたのだ。
く「うーん、それがさぁ…」
こ「え!?ダーカーが1匹も見当たらない!?」
く「うん…何故かどこ探してもいない」
も「なんかありそうだね…もう少し探してみようか。今度は私とこにぃ、マスター…は今はそっとしておこっかw」
そんな話をしていた時だった。
ヴァ「なんだ、皆戻っていたのか」
彼はヴァルキリー。クラスはレンジャー。アザトスと同じくクールな性格のキャスト。ヴァルさんと呼ばれることが多い。
ア「僕たちよりも早く帰ってきたみたいですね」
彼はアル。クラスはガンナー。未知の調査が趣味で情報部にも顔が効く。
え「まだメルティとめでぃあが帰ってきてないみたいだな。というか、なんでマスターはぐったりしてるんだ…?」
彼は煙。クラスはブレイバー。メンバーからは えん という名前で呼ばれている。バルバトス同様、ブーメランパンツを身につけることがある渋いイケメン。
アザ「それで、そっちの調査はどうだった?何か収穫はあったのか?」
え「それがさ、ダーカーの姿が全く見えなかったんだ。どこを探してもいやしない」
わ「そっちもなんだ…」
ア「そっちも…ってことは…」
く「ご想像通り、こっちも収穫なし」
ヴァ「広範囲に渡って起きているダーカーの一斉消失…不可解過ぎるな」
そこにいるほとんどのメンバーがうーん…と唸っていると…更に2人のメンバーが帰ってくる。
メ「あら?皆さん、そんなとこで唸って何をやっているんですの?」
彼女はメルティ。クラスはフォース。お嬢様系の口調が特徴。料理が出来たりと意外に器用な部分もある。
め「きっとああいう遊びなんですよお姉様」
彼女はめでぃあ。クラスはファイター。メルティの妹分。ふわふわしてるゆるふわ系な人。
こ「いやいや、そういう遊びじゃないから」
メ「まぁそんなことはどうでもいいですわ。マスターはいらっしゃる?」
わ「マスターならそこに死ん…ぶっ倒れてるよ?」
バ「わかばさん今私のこと殺そうとしませんでした!?」
わ「ソンナコトシテナイヨー」
バ「おいいい!?カタコトになってますぞ!」
メ「マスター?そんな漫才して私を無視しないでくださいません?」
わかばとバルバテスの漫才にメルティは割って入る。
バ「漫才て…」
メ「お客様ですわ。マスター、貴方に」
バ「お客?私に?」
メルティの後ろから姿を現したその人物に、バルバテス、こにぃ、もみじさんは驚きを隠せなかった。
「初めまして。いきなりですみませんが…ここに銀髪の子が来ませんでしたか?」
その人物は、先ほどまでいたツヴァイにそっくり過ぎる少女だったからだ。
-アークスシップ 管理室行き通路-
カツンッ…カツンッ…
アークスシップ管理室へ続く通路を進む1つの人影。その人影は、黒いフードを被っており、ゆっくりと管理室へと向かっていた。その時だ。
「おい、そこお前。止まれ」
1人の警備員が、フードを被った人物を引き止めた。
「ここは関係者以外立ち入り禁止だ」
「……ロビーは…どっち…?」
どうやらフードを被った人物はアークスロビーを探しているらしい。
「ロビーなら反対だ」
警備員にそう言われるとフードを被った人物は反対側を目指す。
「ん?おい待てお前!」
警備員は慌てて、その人物の肩を掴む。
「お前何処から迷い込んだ!ロビーからしか此処へは辿り着けないはずだ!」
「…私は…アークス…ここの…」
「なら尚更迷い込むのは不自然だ!お前怪しいな…アークスカードを見せてみろ!」
アークスカード…それはアークスならば誰もが持っている身分証明書のようなものだ。これを持っていない場合、アークスと証明できない。その人物はアークスカードを警備員に見せる…その瞬間!
ガッ!!
警備員の顔を黒い手のようなものが鷲掴んだ。
「ぐっ!!なん…だ…それは…」
警備員は見てしまう。その黒い腕はフードを被った人物から"生えて"いた。その人物の背中から、その黒い腕は生えていたのだ。黒い腕は鱗に覆われていて、頑丈そうに見えた。黒い腕は警備員を地面から引き離し、更に黒い腕を増やす。その黒い腕には見覚えがある。アークスの敵、ダーカーの一部に似ている。助けを呼ばなくては…。そう思い、警備員は声を出そうとする。
グサッ!!
その音を最後に、警備員が再び声を上げることはなかった。警備員の胸を黒い腕が一突きにしたからだ。心臓を潰され、警備員は息を引き取る。死んだことを確認すると、乱暴に地面に下ろす。
「…おいで…エサの時間ダヨ…」
フードを被った人物はそう言う。すると、色々な種類のダーカーが出現する。そして、警備員の死体を食べ始めた。ダーカーが食事をしている間に、フードを被った人物はそのフードを取り、ロビーがあるほうを見つめ…
「…早く…早くアイタイよ…マスター…」
その少女はそう言い、ロビーがあるほうへと歩み始めた…。
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