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オズのビリーナ

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第五幕その一

                 第五幕  鶏の国
 一行はビリーナと王様の案内を受けて王宮を出たうえで鶏の国を観て回ることになりました。そのお国を観て回りますと。
 すぐにです、カルロスが言いました。
「小人の国みたいだね」
「小さいからね、僕達と比べると」
「鶏はね」
 ジョージと神宝がカルロスに応えます。
「どうしてもね」
「そんな感じになるね」
「そうだね」
「あとね」
 恵梨香は見ていてあることに気付きました、そのあることはといいますと。
「羽毛が沢山落ちてるわね」
「その羽毛を集めているんだ」
 ご主人が恵梨香に答えて言うことはといいますと。
「それを集めて枕やベッドにね」
「使うのね」
「そうだよ、羽毛の枕やベッドにする為に」
 まさにというのです。
「集めているんだ」
「そうなのね」
「いいものだよ」
 その羽毛はというのです。
「僕達のそれはね」
「鶏の羽毛っていいの」
「特に僕達のものはね」
「この国の鶏さんのものは」
「そうだよ、凄くよくてね」
 それでというのです。
「皆からも好評なんだ」
「何しろ羽毛は次から次に出るから」
 ビリーナもお話します。
「お掃除のついでに集めて」
「そしてなのね」
 ナターシャも聞いていて頷いています。
「皆よくお掃除してるのね」
「そうよ」
 まさにという返事でした、ビリーナの今のそれは。
「そうしてるの」
「成程ね」
「そしてね」
「そして?」
「お外には畑があって」
「その畑で食べものを作ってるのね」
「そうよ、勿論畑も柵で覆ってるわ」
 そちらもというのです。
「門の一つから出てすぐにね」
「畑に行けるのね」
「柵に囲まれたね」
「警護は厳重なの」
「厳重というか私達の国ってことよ」
 柵はというのです。
「柵の中が私達の国」
「それを見せているのね」
「そうなの、勿論国の護りでもあるわ」
「やっぱり柵はそうよね」
「これでも厳重な柵なのよ」
 只の木の柵かというと違うというのです。
「二重でしかも弾力があって燃えないし」
「木なのに燃えないの」
「魔法使いさんにかけてもらってね」
 燃えない様にというのです。
「そうなっているの」
「それはいいわね」
「そう、あと運動場も広いのがあるから」
 この国にはというのです。
「運動も出来るわ」
「結構色々揃ってるのね」 
 お話を聞いてです、トロットもしみじみとして頷きます。
「この国は」
「鶏が楽しく過ごせる場所よ」
「そういう風に作ってるのね」
「そうよ、あとね」
「あと?」
「一つ大事なことは」
 その大事なことはといいますと。
「この国は皆家族だから」
「ビリーナのご主人の子供さんとお孫さんと」
「ひ孫でね」
「血縁者なのね」
「お婿さんやお嫁さんもいて」
 その鶏さん達もというのです。 
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