オズのビリーナ
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第四幕その三
「今日はカツカレーなのね」
「そうよね」
恵梨香もそのカレーを食べながら応えます。
「サラダとゆで卵と牛乳で」
「カツカレーなのね」
「ナターシャもカツカレー好きよね」
「好きよ、ただね」
「ただ?」
「このカレーは日本だけね」
あるのはというのです。
「本来は」
「そうよね、アメリカにも入ってるから私達も今食べているけれど」
「こうしたカレーもあるなんて」
ナターシャはしみじみとして言うのでした。
「日本に来て最初驚いたわ」
「こうしたカレーもあるって」
「そうなの」
実際にという返事でした。
「カレーのことは知っていて日本のカツもだけれど」
「それでもなのね」
「驚いたわ、両方を合わせているなんて」
それこそというのです。
「面白いと思ったわ」
「カツカレーはね」
そのカレーについてです、恵梨香はナターシャにこうお話しました。
「何でも日本のプロ野球選手が考えたらしいのよ」
「日本の」
「ええ、巨人の選手だったらしいのが嫌だけれど」
「巨人?」
巨人と聞いてです、ナターシャだけでなく男の子三人も嫌なお顔になりました。四人共関西の学校にいるせいか巨人は嫌いなのです。
「あのチームの選手?」
「そうなの」
「嫌なチームね」
「そのチームの人だったらしいけれど」
「その人が考えたのね」
「何でも洋食が好きだったらしくて」
それでというのです。
「カツとカレーを一緒に食べるにはどうすればいいのか」
「そう考えてなのね」
「作ったらしいのよ」
「それがカツカレーなのね」
「そうなの」
「成程ね、巨人の選手っていうのが気に入らないけれど」
五人共、勿論ナターシャもそのことが気になります。けれどなのです。
「美味しいことは美味しいわね」
「そうよね」
「一緒に食べると」
「また違うのよね」
「カレーだけでもカツだけでも」
そのどちらkだけでもというのです。
「美味しいけれど」
「それを一緒に食べると」
「また違うわ」
「御飯とルーとカツの三つが合わさって」
まさに同時にです。
「凄く美味しいのよね」
「そうよね」
「私も好きよ」
トロットも笑顔で食べています。
「カツカレーはね」
「トロットさんもですね」
「だから今夜はこれにしようって思ったの」
カツカレーにというのです。
「是非ね」
「そういうことですね」
「あとカレーにはサラダよね」
「いい組み合わせですよね」
サラダについてもです、ナターシャは応えました。
「カレーには」
「だからこれにしたの」
「和風サラダですね」
海草も入っていてあっさりとしたぽん酢のドレッシングのです。
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