転生とらぶる
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ガンダムW
1533話
扉を開けた部屋の中で真っ先に目に入ったのは、数人の軍人。
まず真っ先に目に入ってきたのは、軍人の中でも中心人物と思しき相手。
髪の毛は白髪になっているが、態度は堂々としており、それでいて居丈高な様子はない。
その顔は、この世界の事を調べた時に当然見ている。
俺が接触したかった相手……ノベンタだ。
俺に向けてくる視線には、不思議なことに敵意の類はない。
だからといって油断しているのかというと、そうでもない。
へぇ……予想はしてたけど、中々の人物だな。
そしてノベンタの近くには額が後退してM字型になっている黒髪の男がいて、俺に敵意に満ちた視線を向けている。
この男の事も、当然俺は前もって調べていた。
連合軍の中でもタカ派の代表人物で、将来的にはトレーズに使い捨てにされて殺される人物。……まぁ、直接手を下したのはレディ・アンだが。
将軍の地位にある、セプテム。
このセプテムの父親と息子はそれなりに有能な人物なんだがな。
他にも大勢の軍人がいるが、やはりと言うべきか、トレーズやスペシャルズの姿はない。
やはりこの演習は連合軍だけで行われていたのだろう。
もっとも、それを知っていたからこそ、こうやって堂々とトールギスを使用して演習に乱入したのだが。
この2人以外にもテーブルに座っている軍人が10人程おり、壁際には護衛の軍人がずらっと並んでいた。
……うん? ノベンタが連合軍の元帥で、セプテムが宇宙軍のトップ。けど、本来ならここにいてもおかしくない地球方面軍のトップのベンティの姿がないな。
ともあれ、部屋の中に俺が入ると沈黙で満ちる。
そんな中で、最初に口を開いたのは当然ながらノベンタだった。
「さて、まずは自己紹介をしようか。私はノベンタ。連合軍で元帥の座にある」
「……セプテム。宇宙方面軍司令官だ」
ノベンタに続いてセプテムが不愉快そうにしながらも、そう呟く。
そして他の連合軍の幹部も、それぞれ自己紹介をしていく。
殆どがセプテム程に敵意を露わにしてはいないものの、それでも不承不承といった風なのは見て分かった。
いや、その辺は当然なのか。俺に対して色々と思うところがあるのは。
そうして自己紹介が終わると、その場にいる全員の視線が俺に向けられる。
「一応演習前の名残で君の名前は知っているが、改めて自己紹介をお願いしてもいいかな?」
ノベンタに促され、頷いて口を開く。
「アクセル・アルマーだ。シャドウミラーという傭兵団の代表をしている。……まぁ、今はそんなに大きくない傭兵団だがな」
俺の事を知っている者がいれば、間違いなく驚くだろう言葉。
けど、こうして俺が関わっていく以上、集団の名前はやっぱりシャドウミラーというのが一番しっくりとくる。
それに、もしホワイトスターと連絡が取れるようになった場合、当然ながら俺はシャドウミラーとして行動するのだ。
であれば、シャドウミラーの代表という立場にしておいた方がいいだろう。
「あのMS、あれをどこで手に入れた?」
俺が名乗り終わったと同時に、セプテムが鋭い視線を向け、そう尋ねてくる。
あのMSというのは、当然トールギスの事だろう。
「あのMSは、リーオーの原型となったMSだ。調べてみたところ、コルシカ基地に保存されていたらしい。……そしてコルシカ基地はコロニーのMS、ガンダムによって壊滅した。アクセルと言ったな。お前はもしかしてガンダムのパイロットなのではないか?」
……なるほど。確かに何も知らない者にとってみれば、そういう風に考えてもおかしくはないのか。
俺がコルシカ基地からトールギスを盗んだのは、オペレーション・メテオが始まるよりも随分と前だ。
だが、どうやらセプテムはその件を知らないらしい。
OZが情報を自分達の中で仕舞い込んで外に出さなかったのか、それとも単純にセプテムが情報収集に熱心ではなかったのか……
ともあれ、セプテムの言葉には一応の説得力がある。
事実、それを聞いた他の軍人――護衛含む――の視線が鋭くなったのだから。
だが、俺はそれに対して馬鹿らしいと言わんばかりに肩を竦めてみせた。
「まさか、そんな事ある訳がないだろ? もし俺がガンダムのパイロットなら、何でわざわざこうして表に出てくる必要がある? 問答無用でこの演習を襲撃すれば良かったと思わないか? 事実、機体の損傷はあるし、怪我人も多少は出てるかもしれないが……死者はいないんだろう?」
そう告げると、セプテムの顔が苦々しげなものになる。
俺の言い分に一理あると認めたのだろう。
「そもそも、あの機体……トールギスを俺が入手したのは、傭兵なら知っているMS売り場で入手したものだ。そのコルシカ基地から盗まれたというのなら、それを盗んだ奴が売ったんじゃないのか?」
傭兵用にMSを売る市場があるというのは、前もって調べて知っていた。
もっとも、そういうのが元々あるというのは予想していたが。
そうでもなければ、トロワが傭兵時代にリーオーをどうやって入手したのかという問題になるだろう。
その辺りの情報は、多少調べれば出て来た。
実際、リーオーとかも売られていたので、俺の言葉に矛盾はないだろう。
……もっとも、少し詳細に調べればボロが出てくる程度の取り繕い方だが。
そもそも、トールギス……プロトタイプ・リーオーのような存在が市場に出れば、嫌でも話題になる筈だった。
それが話題にもなっていないのだから、もし本当に調べたら俺を怪しむのは当然だろう。
それこそ、ガンダムのパイロットだと改めて認識する可能性もあった。
まぁ、似て非なる者ではあるのだが。
「その辺りの事はいいだろう。市場で買ったというのであれば、少し調べれば分かる筈」
セプテムがそう呟く。
あ、これは本気で調べる気だな。
いや、正体不明の俺の存在を思えば、それは不思議でも何でもない……寧ろ、当然の事なのだろうが。
「まぁ、落ち着きたまえセプテム将軍。それで、アクセル君と言ったね。君は何故あのような真似を? 通信では傭兵として雇って欲しいと言っていたが、それなら別にこのような真似をする必要はないだろう? それこそ、普通に連合軍の基地に傭兵として雇われればいいだけなのだから」
落ち着いた声音で尋ねてくるノベンタに、小さく肩を竦めてから口を開く。
「そうだな。そうすれば傭兵として雇われるのに手っ取り早いのは事実だ。けど……俺が傭兵として雇われたかったのは、連合軍じゃない。連合軍の頂点に立つノベンタ元帥、あんただ」
『な!?』
俺の言葉に、ノベンタ以外の全員……それこそ護衛の軍人達までもが驚愕の声を出す。
「馬鹿な!」
そうして最初に怒鳴ったのは、予想通りセプテムだった。
怒鳴るだけではなく、先程までより更に厳しい視線で俺を睨み付けている。
「ただの傭兵が、連合軍のトップに立つノベンタ元帥に直接雇われたいだと? 貴様、何様のつもりだ?」
ここで、大魔王様のつもりだが? とか返せば色々と面白い展開になりそうだが、今はそんな風に茶化している場合じゃないか。
「そんなにおかしな事か? 見ての通り、俺は……俺達は十分以上に強い。だからこそ、その力を握る人物もしっかりと選ぶ必要がある。好戦的なだけの人物が俺達の力を自由に使えるようになった場合、悲劇が訪れる可能性もあるしな」
セプテムの方を見ながら告げたのだから、当然自分を当て擦っていると理解したのだろう。セプテムがその広い額に血管を浮かび上がらせながら口を開きそうになり……
「ふむ、では私ならば悲劇は訪れないと……そう言いたいのかな?」
セプテムが口を開くよりも前に、ノベンタがそう告げてくる。
これはセプテムの暴発を抑えたのか、それとも単純に俺の力に興味を持ったのか。
どっちなのかは分からないが、それでもノベンタがこうして乗り気に見えるというのは助かる。
「ああ。コロニーとの宥和政策を進めているあんたなら、もし俺達の力を得ても力のない民間人を相手に振るうような真似はしないだろう?」
民間人云々というのは正確には建前でしかない。
いや、もし本当に何の罪もない民間人に攻撃をしろと言われれば、恐らく俺は傭兵の契約を打ち切るだろう。
今更人を殺すことに罪悪を覚えるような事はないが、だからって何もしていない民間人を虐殺するような真似をしたいとは思えないのだから。
もっとも、穏健派のノベンタがそんな真似をするとは思えない。
それもまた、俺がノベンタに雇われようと思った理由の1つだ。
「貴様!」
うん? 何故かセプテムが先程よりも厳しい視線で俺を睨み付けている。
何でだ? 一瞬そう思ったが、今の俺の話だと、受け取り方によってはセプテムなら一般人を殺しそうだとも受け取れるか。
……まぁ、実際セプテムの場合は通常ならそういう事をしそうにないんだが、熱くなりやすいだけに暴走状態になるとそういう命令を出しそうなんだよな。
「それに……今の連合軍は、少しでも戦力を欲しいんだろう?」
「……知っているのかね」
俺が何の事を言っているのか分かったのだろう。ノベンタは憂いを込めた視線を向けてくる。
さっきのノベンタの言葉でその辺の事情は薄らと出て来たのだから、俺が知っていてもおかしくないと思うんだがな。
「当然だろ。連合軍の施設がこのところ謎の勢力に襲われているというのは、表向きはともかく、裏の世界じゃ有名な話だ」
これは別に嘘でも何でもない。
そもそも、1件や2件であればまだしも、5機のガンダムが好き放題に暴れているのだ。
……ウイングガンダムは地球に降下早々海中に沈んでいたのでそこまで派手に暴れてはいないが、それでも海中に沈んだ機体を破壊しようとした時に基地で騒動を起こしているし。
そう考えれば、5機のガンダムが起こしている騒動の全てを隠し通せる訳がない。
今は表向きにはそれなりに隠し通せているようだが、裏ではそうもいかない。
そもそも、ガンダムが連合軍の……いや、OZの基地を破壊しても、そこにいる軍人全員を完全に殺している訳じゃない。
中には当然生き残った者もいるし、そこから情報が漏れるというのは当然だろう。
OZの人間だけじゃなくて、連合軍の軍人とかは特にその辺の情報を流しそうだよな。
完全にOZだけの基地であればそこまで気にする必要もないのかもしれないが、中には連合軍の人間もいる基地があるのは当然だろうし。
「……そうか」
連合軍の基地が襲われているという情報は、当然知ってはいたのだろう。ノベンタが深い溜息と共に短くそう告げる。
実際問題、連合軍にとってこの情報が広まるというのは嬉しくない。
何だかんだと、この世界が現在大きな騒動もなく――ガンダムは除く――治まっているのは、連合軍の存在が大きいのだから。
……連合軍成立に際して、サンクキングダムを始めとして色々と強引な手法があったのも事実だが。
もっとも、今の連合軍は色々と動きが鈍くなってきており、それがOZが勇名を馳せる原因ともなっている。
その結果として、最終的に行われるのがOZの……いや、ロームフェラ財団が地球の支配者となるべくして起こされるオペレーション・デイブレイク。
その過程でノベンタが死に、コロニーと地球の関係は絶望的になる。
一応レディ・アンが宇宙に行くが、それが理由で再び大きな騒動が起きたりするし。
「とにかく、連合軍の基地が襲われるという事が連続している以上、連合軍側にも強力なMSを操る傭兵部隊というのはあった方がいいと思うが?」
「馬鹿な、それならば連合軍の戦力を動かせば……」
セプテムの近くに座っていた軍人のお偉いさんと思われる人物がそう言い掛けるが、途中でセプテムに腕を掴まれて言葉が窄まる。
それはそうだろう。正規軍を動かすとなれば、色々と細かな手続きが必要となる。
勿論自分の基地が襲撃されれば対応する為にすぐ出撃も出来るだろうが、他の基地が襲撃されたとして、応援に駆け付けるには色々と手続きが必要なのだ。
それに比べると、傭兵として雇われている場合……それも連合軍のトップに雇われている場合は、ノベンタの一存ですぐにでも出撃出来る。
勿論それは契約の仕方によるし、戦闘一度ずつという契約をしていれば話は別だろうが……俺はそんな契約をするつもりはない。
そもそも、俺が傭兵として雇われるのはノベンタをヒイロの攻撃から守る為に必要だからというのが大きい。
最終的には、連合軍、ロームフェラ財団、コロニーと3つの勢力にしてしまえば色々と物事が進めやすくなる。
当然最後まで3つの勢力で進んで、三竦みのまま話が終わるとは考えていない。
最終的にはどこかの勢力がこのW世界の支配権を握る事になるだろう。
……宇宙には宇宙で、一般のコロニー以外にホワイトファングとかが結成される可能性もあるし、バートン財団とかもいるが。
「ま、とにかくだ。俺達の戦力は少数精鋭だけにフットワークも軽い。それこそ、どこかで基地が襲われるような事にでもなれば、すぐに駆け付ける事が出来るだろう。……どうだ? 自分で言うのも何だけど、お勧めだと思うんだが」
そう告げ、後はそっち次第だとじっとノベンタに視線を向ける。
周囲は静まり返り……やがて数分後、ノベンタは口を開く。
「分かった。君達を雇おう」
こうして、俺達は連合軍のノベンタ元帥直属の傭兵団として活動をする事になる。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1213
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