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おぢばにおかえり

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第三十七話 三年生なのでその十五

「少ないわね」
「はい、奥華でもですよね」
「九州の人はおられるけれど」
 そのホークスの今の地元のです。
「大阪と広島の教会が多いから」
「阪神か広島ですね」
「どちらかが多いわね」
 実際のところです。
「巨人ファンの人も少ないけれどおられるけれどね」
「ああ、巨人は大嫌いなんで」
 阿波野君はこのチームには露骨に嫌悪感を出してきました。
「別にいいです」
「いいのね」
「はい、昨日はヤクルトに三十三対四で負けました」
 何か今年も凄い負けてるみたいです。
「これで晴れて二十連敗ですね」
「いいことね」
「はい、僕もそう思います」
「いいことね、それにしても阪神負けたのなら」
 このことからまた言った私でした。
「何かね」
「何か?」
「スポーツ欄は読みたくないわね」
 新聞のそこをです。
「今日は」
「そうですよね、僕もホークスが負けたら」
「スポーツ欄見たくないわね」
「どうしてもそうですね」
「本当にね、広島に弱いわね」
 私はやれやれとなりました、溜息は出さないまでも。
「どうしてかしらね」
「もう伝統ですね」
「嫌な伝統ね、ところでね」
「ところでっていいますと」
「阿波野君図書館にはよく行くの?」
「結構、暇だったり放課後勉強したり」
「あら、放課後もなの」
 これは意外でした、私もお話を聞いて目を瞬かせてしまいました。 
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