オズのビリーナ
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第三幕その二
「だからよね」
「そう、それでね」
「あの人絶対に近寄らないのね」
「あとね」
さらに言うビリーナでした。
「ノームの人達自体がよ」
「近寄らないのね」
「そうなの、私達が大嫌いだから」
もう鶏自体がというのです。
「そうしてるの」
「よくわかったわ」
「けれど他の皆は来てくれるわよ」
「私達みたいに」
「そうよ、ただ悪いことは絶対にしないこと」
このことは断りを入れたビリーナでした。
「いいわね」
「あんたの国の法律?」
「そうよ」
その通りという返事でした。
「そこはちゃんと守ってね」
「わかってるわよ、ただね」
「目の前で動かれると」
「私は自然に前足は出るわよ」
このことは自分でもどうしようもないというのです。
「猫だからね」
「猫の習性ね」
「そうよ」
まさにそうなってしまうというのです。
「このことはどうしようもないから」
「だから目の前で雛達が動かないで欲しい」
「本当に触らずにいられないから」
「それは私もよ」
ガラスの猫もでした。
「猫だからね」
「目の前で何かが動いたら」
「悪気がなくてもね」
それでもというのです。
「前足が出るのよ」
「このことはどうしようもないのね」
「自分でもね」
「習性は難しいわね」
「何とかしようと思ったこともないけれど」
ガラスの猫もエリカもです、二匹共そうしたことは積極的に変えようという性格ではないです。
「どうしようもないわよ」
「そうなのね」
「そうよ、だからあんた達で気をつけてね」
「仕方ないわね」
「猫はそうしたものってことでね」
「よくわかったわ、けれど」
また言ったビリーナでした。
「猫は外の世界じゃ鶏の天敵なのよね」
「ええ、猫は鳥も好きだから」
エリカの言葉です。
「鼠やお魚と同じくね」
「だからね」
「けれど猫は満腹だと何もしないわ」
それも一切というのです。
「目の前で動かない限りね」
「あんたいつも満腹だからね」
「美味しいキャットフードを食べてね」
「それでよね」
「ええ、あんた達を襲ったりしないから」
目の前で動かれない限りはです。
「本当にね」
「じゃあいいわ、一緒に来てね」
「あんたの国にね」
「今からね」
「それじゃあね」
「しかし、あんたも変わったわね」
エリカにこうも言ったビリーナでした。
「本当に」
「キャットフードを食べるから?」
「ええ、昔は魔法使いさんの子豚を狙ったりもしてたわね」
「それで騒動も起こしたわ」
「その頃と比べたら」
「キャットフードがオズの国にも入ってきてね」
そしてというのです。
「変わったのよ」
「そっちの方が美味しいから?」
「そうよ、ずっと美味しいから」
だからというのです。
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