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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第九十二話 ホテルに帰ってその十二

「それもかなりのものにな」
「やっぱり大丈夫じゃないんじゃ」
「それを大丈夫にする」
「お風呂で、ですね」
「一気に抜く」
「それで朝からですね」
「励む、そして明日だが」
 主将は僕達に明日、最後の一日のことも話した。
「呉市だ」
「はい、呉の海自さんの港ですね」
「行くことになる」
「ですね、あそこは去年も行きましたけれど」
「あそこも勉強になるな」
「あそこに世界の皆を案内することも」
「いいことだ、ありのままの海自を見てもらうこともな」
 それもとだ、僕達に話してくれた。
「だからその為にもな」
「今日どれだけ酔っても」
「朝で復活するぞ」
「わかりました」
 二日酔いはお風呂で解消する、こう話してだった。
 僕達は楽しく飲んだ、そして皆かなり飲んで主将も飲みたいだけ飲んだ自分の場所に戻った。僕もだった。
 バスケ部の主将からだ、こう言われた。
「じゃあ今日はな」
「はい、これで」
「終わろうな」
「そうですね、それじゃあ」
「解散だ」
 僕達バスケ部の面々に言った、その時には。
 僕の左右で飲んでいた留美さんと円香さんもだ、二人共何とか意識を保っている状況だった。そしてその状況でだった。
 留美さんからだ、円香さんに言った。
「もう今日はな」
「もうこれで終わって」
「それぞれの部屋に戻ろう」
「ですわね、お酒も牡蠣もなくなりましたし」
 見れば食べものは全部なくなっていた、それでだった。
 二人も他の八条荘の皆もそれぞれの場所に戻った、今日の夜もこれで終わった。僕は全部見届けてから撤退する軍隊の後詰みたいな気持ちで宴会場を後にした。明日の二日酔いのことを思いながら。


第九十二話   完


                        2016・5・15 
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