ヒカリアン・フォーエバー
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第一話「九龍から来た女」
”九龍から来た女”5
つばさ「うぐげげ・・・っ!!ザマアネエ・・・。」
チェン「あ痛たたたたた・・・。」
二人は尻をさすりながら茂みから出てきた。さっきの公園の入り口から80メートルほど先まで行ってしまったらしい。
その証拠に目の前には・・・。
チェン「あら・・・団子鼻君・・・。」
つばさ「よう、元気か・・・。」
この公園北口では、0系新幹線が図書館として活用されているのだ。
つばさ「いつだって、苦労知らずな呑気面だな0系。」
つばさはぼやきながら再び・・・今度はチェンを置いて、上空へと上がり、南口へ戻って行った。
が、数分後、虚しく戻ってきた。
つばさ「空から探してもオートバイが見えなくなっちまった。消えちまったよ。」
チェン「消えたって・・・トラックか何かにでも・・・。」
ケータイ「ブーブー・・・♪」(新幹線ブギ)
チェン「はい。」
?「マダム、それにミニ新幹線君。大丈夫ですか。0系の場所まで飛んでいったような・・・。」
つばさ「ああ、その通りだお前に振り回されて・・・。」
?「まあまあ・・・おかげでもう一つ、ヒントを教える手間が省けましたよ。何せあなた達の目の前にあるんですから。
では、最後まで頑張ってください。」
つばさ「ざけんじゃね・・・。」
チェン「切れた・・・もう一つのヒントが目の前に・・・まさか。」
チェンとつばさは0系を見上げる。
チェン「あのライダーはここで雲隠れするつもりだったとすると、ここにある何かを見せるためにチェイスを仕掛けた。」
つばさ「それが・・・この0系だってのか?」
つばさは納得できないような顔をしている。
チェン「0系・・・『青から緑、そして青に戻る』・・・0系は青いひかり・・・ハッ。」
つばさ「どうした?」
チェン「・・・東京都内に、0系が展示してある場所、ここの他にもう一か所ありますよね?」
つばさ「あ・・・ああ、青梅鉄道公園か?」
チェン「そこですよ!急ぎましょう!」
つばさとチェンは線路を使わず、上空から青梅へと向かった。
途中、のぞみやポリスウィンたちから連絡が入る。
のぞみ「ブラッチャーは片づけたが、そちらは?」
つばさ「つつじヶ丘でバイクを見失った。それで、何でか知らねえが、チェンが青梅鉄道公園へ行けとか言い出して・・・。」
PW「青梅鉄道公園だと?」
チェン「ライダーは私達をつつじヶ丘公園の0系まで誘導したんです。『青から緑、青に戻る』っていうヒントを残して・・・。」
PW「青から緑・・・。」
テツユキ「0系が緑・・・そうか・・・そういうことですか!?」
チェン「青梅鉄道公園。あそこの0系は一時期、青じゃなくて緑のラインになっていたことがあったんですよ!」
のぞみ「そして今は青に戻されている。青から緑、最後は青に戻った。」
つばさ「その0系があのライダーの狙いか・・・。チェン、しっかりつかまってろ!」
チェン「はい!」
住宅地の上空を抜け、青梅鉄道公園に着いた。
正面入り口を入るとすぐそこにSLが並んでいる。そこを通り過ぎると、下り階段。
目当ての0系はその先に展示してあった。
つばさ「まずは車内を探そう。」
チェン「OK。」
つばさとチェンは0系の車内を探し回った。3+2列席、運転室、ATC装置内、その他もろもろ・・・。
チェン「見つかりません。車内の方が隠しやすいと思うんですか・・・。」
つばさ「となると外か。あのクソライダー、午後だなんて大雑把に言いやがって、正確な時間言っとけっての・・・。」
ふたりは車外に出る。と、
「にゃあ!」
つばさ「ワッ!なんだお前、のらかよ。驚かすんじゃねえよ。」
「にゃーん。」
猫は0系の下に戻っていく・・・。
つばさ「ここに住み着いていたノラなんだが、今じゃ猫駅長だとさ。」
チェン「へえ、かわいい・・・ん?つばささん・・・下回りをちょっと見てください。」
つばさ「ん?」
車体の下をのぞき込む。電子機器が内蔵されていると思われる金属製のボックスが一個だけついていた・・・が、
チェン「おかしいですよ。ここの0系は、車体の下にあった機械は全て外してしまってあるはずです。もしかして・・・。」
チェンはいきなり0系の下に潜り込み、目当てのボックスに手を伸ばす。
ボックスに鍵は付いておらず、やすやすと開いた。その中身は・・・
チェン「これ・・・かも。」
チェンが取り出したのは、お菓子の缶箱だった。
チェン「つばささん・・・。」
つばさ「お、おう・・・。」
ちょうづかいのある缶箱だった。大きさは小さな裁縫セット程度。それをつばさが受け取った。
チェン「これを安全な場所に。」
つばさ「おう・・・。」
その時だった。突然ひとりでに箱がパカッと開いた。そして・・・
バアーーーーーーーーーーーン・・・。
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