八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第九十一話 戦艦大和その十
「そうした意見もです」
「ああ、今でも言う人いますね」
「強かったので」
「侵略戦争の象徴だからですか」
「三笠も廃棄しようと言われていたのです」
「どっちの戦争も勝たなかったら」
それこそだったと思う、特に日露戦争は。
「日本はどうなっていたか」
「自衛の戦争ですね」
「はい、本当に」
日清もそうだったけれど日露は余計にだ。何しろロシアは満洲に居座りそこから朝鮮半島をどんどん侵食していたからだ。
朝鮮半島が完全にロシアのものになればどうなるか、僕は当時の日本の状況を考えながらそのうえで言った。
「若し負けていたら」
「今の日本はなかったですね」
「そう思います」
日露戦争の中の会戦でどれか一つでも負けていたらと思うと怖いものがある。特に日本海海戦と奉天の戦いは。
「日露戦争なんか負けてたら」
「実際誰も勝てるとは思ってませんでした」
「あの時の日本の誰も」
「当時のロシアは巨大でしたから」
国土だけの問題じゃなかった、国力もだ。
「今でも大きな国ですが」
「日本と互角位ですからね、国力も」
「ですが当時は十倍でした」
「人口も向こうの方が多かったですね」
「技術も違いました」
言うまでもなくロシアの方が上だった。
「何もかもがです」
「ロシアの方がずっと上で」
「勝てる戦争ではありませんでした」
「それでも日本を守る為にですね」
「戦うしかなかったです」
どう考えても勝てない相手にだ、何しろ朝鮮半島の後は日本にとなることは当時は火を見るより明らかだったからだ。
「そうした相手でも」
「清も大きかったですし」
「そうした相手が目の前に迫っていましたから」
「戦争をするしかなかったですね」
「そういうことです」
「だからどう考えても」
それでというのだ。
「侵略戦争というのは」
「違いますね」
「僕はそう思います」
あの二つの戦争はだ、どちらも。
「学校の先生でそういうこと言ってる人いますけれど」
「活動家でもですね」
「はい」
「横須賀そういう人も多いんですよ」
「多いんですか」
「というか集まりやすいというか」
「ああ、軍港だったし防衛大学もありますし」
何故そうした人達が横須賀に集まるのか、僕もわかった。
「だからですね」
「はい、ですから」
「そうした人達も集まるんですね」
「催しとかすれば凄いですよ」
自衛隊のそれをというのだ。
「海に百隻単位で来ますから」
「そうした人達の船が」
「それで抗議活動とかしますから」
「日本中から来てですか」
「そうなんです、平日でも」
そうした人達は何の仕事をしているのだろうか、何で生計を立てているのかそうしたことも気になるところだ。
「集まってです」
「抗議してきますか」
「かなりの数が集まって」
「今もそうですよね」
「昔に比べたらかなり減ったとのことですが」
それでもというのだ。
「いますよ」
「そうなんですね」
「横須賀は多いです」
「日本で一番とかですか」
「そうかも知れませんね」
そうした人達の数はというのだ。
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