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アンジュリーゼ物語

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第18話 裏切りの同盟

 
前書き
アルゼナルでヴィルキスを入手し、ミスルギ皇国に戻って来たアンジュリーゼ。
そしてそのヴィルキスはエンブリヲに奪われ、アンジェラの手に渡ったのであった。 

 
アウローラにて、通信が入った。
ターニャ「アルゼナルの諸君。こちらはネオ・アルゼナルだ。我々と手を組んで、この世界を壊さないかい?」
ジャスミン「世界を壊すだって?どうしてあたしらがあんた達と手を組むと言うんだい?」
ターニャ「旧世界の人間たちは、奪い合ったり怒り合ったりと野蛮で好戦的な性格だった。
そこでエンブリヲ様は、高度情報ネットワークで結ばれたこの平穏な世界を作った。
しかしその反面、人間たちは与えられることになれ自ら考えることを放棄し、命じられればどんな酷いことも平気でしでかすようになった。
アルゼナルでの人間たちとの戦いで見ただろう。
命じられれば平気で虐殺する、マナの使える人間の腐った本性を。
人間は何も変わっていないのだ。
そこでこの世界を壊し、出来損ないの人間たちを抹殺することにし、新たな人類を作り出すことにしたのだ。
いかがなものかな?

ジャスミン「教養があるねえ。それが真のリベルタスということかね。」
イルマ「そうなの。人間たちをぶっ潰し、住み心地のいい世界を作るのよ。エンブリヲ様って素敵!」
ロザリー「で、どうやって世界を壊すんだよ。」
ターニャ「統一理論。この地球ともう1つの地球を1つに融合する。それを時空融合というのだ。」
ロザリー「もう1つの地球って、どんな地球だ?」
ターニャ「ドラゴン達の住む地球だ。旧世界の人間達が住んでいた世界だ。」

こうしてアウローラの乗員と、ネオ・アルゼナルとが同盟を結んだのであった。
マリカはそのことをジルに話した。
マリカ「エンブリヲがこの世界を壊すのですって。」
ジル「エンブリヲがこの世界を壊すだって?嘘くさい話だな。」
マリカ「エンブリヲは、マナが使えるようになっても愚かなままでいる人間に見切りをつけたようです。それでこの地球ともう1つの地球とを時空融合で1つにすることで、人間もドラゴンも抹殺するとのことです。」
ジル「ドラゴンも人間も抹殺か。まあ、私はこの世界に未練などない。」

アンジュリーゼは、未だにモモカに服を着せてもらっていた。
アルゼナルにいた頃は、サリアに服を着せてもらっていたのだ。
未だに服を自分で着れないのである。

暁ノ御柱の地下深く。
3つのラグナメイルと、4つのシャドウメイルがアウラの前で床に立っている。
エンブリヲ「ラグナメイルコネクター、パージ。」
3人のラグナメイルパイロット「了解。」
エンブリヲ「制御系を、暁ノ御柱に移行。」
3人のラグナメイルパイロット「了解。」
エンブリヲ「耐圧殻展開。」
3人のラグナメイルパイロット「了解。」
エンブリヲ「ドラグニウムリアクター、エンゲージ。」
3人のラグナメイルパイロット「了解。」
エンブリヲ「Dブレーン共振器、接続。」
3人のラグナメイルパイロット「了解。」
エンブリヲ「全出力、供給開始。」
3人のラグナメイルパイロット「了解。」
ドラグニウムのエネルギーが、暁ノ御柱の下から上へと行き渡っていく。
そして御柱の天辺にてエネルギーが周囲に散らばっていく。
エンブリヲ「準備は整った。」

そしてアウラからマナの光が放たれなくなり、世界は大混乱に陥った。
自動車は動力を失って動かなくなり、道路はあちこちで大渋滞を起こした。
マナの光を照らす街頭・室内灯は全て消灯。
航空機はマナの光で飛んでいたため、不時着を起こしたり空港で立ち往生したりした。
エレベーターも電力ではなくマナの光で動いていたため、中に閉じ込められる人が出てきた。

各国元首は国際会議サーバーに身体ごとアクセスして、緊急会議を開いた。
ガリア帝国の皇帝「始まったのですな、世界の破壊と創造が。さて、如何にして我々は新世界に向かえばいいのですかな。」
ヴェルダ王朝の女王「早くしないと私たちは時空融合に巻き込まれてしまいますわ。」
エンデラント連合の大統領「我々元首のみならず、民をもお救いくださいませ。」
すると後ろを向いているエンブリヲは、振り向いて元首達を鋭い目で見る。
エンブリヲ「誰が諸君らを連れて行くといったかね。新しい世界は新たな人類のもの。」
ローゼンブルム王国の国王「なら時空融合を止めてくださいませんか?」
エンブリヲ「そうはいかない、私は一度始めたことを途中でやめない主義なのでね。それに今は亡き皇帝ジュリオは時空融合に賛成した。諸君らも賛成しただろう。」
シルヴィア「まさか、ジュリオお兄様が…⁉」
エンブリヲ「若き女帝シルヴィアよ、兄がとんでもない案に賛成したことなど思っていなかっただろう。哀れな妹だね。」
シルヴィア「時空融合であんな惨いことをするなんて、私は認められません!」
エンブリヲ「惨い?世界を混沌させた諸君らの方がもっと惨いだろう。」
シルヴィア「確かに私たちは、マナが使えるようになっても誰かを差別し憎む心は残っていました。しかしそれだけで、人々を見捨てるなんてあまりにも酷いではありませんか!」
エンブリヲ「出来損ないの言うことなど、聞く耳が持たないね。さらばだ、出来損ないども。」
各国元首は強制ログアウトさせられた。

こちらは鳳凰院幼稚園。
エルシャがアルゼナルに連れてきたノーマの幼児たちは、マナの光が急に消えたことを疑問に思っていた。
ヴェロニカ「急に暗くなっちゃった。」
ジェイミー「マナの光、どうして急に消えちゃったのかな。」
シェリー「マナの光が無かったころを思い出して!」

ミスルギ宮から、黒い雲の下で大混乱に陥っている市街地を見つめるアンジュリーゼ達。
室内灯はマナの光が無いので光らない状態であり、サリアとクリスが懐中電灯で部屋を照らしていた。
モモカ「マナが突然使えなくなったのにはびっくりしました。」
シルヴィア「マナが使えなくなる前に歩けるようになってよかったです。リハビリして努力して、歩けるようになったのです。」
サリア「そうです、シルヴィア様。何かに頼ってばかりでなく、自分の力でやり遂げる方がいいのですよ!」
モモカ「マナの光。それは頼るものだけでなく、希望を象徴する光でもあるのです。マナの光は私たちの思いに応えてくれます。そんな光を奪うなんて、許せませんね!」
アンジュリーゼ「マナの使えない私達には、この指輪があります。その指輪は人の思いに応えます。」

そしてアンジュリーゼ達の無線機に通信が入った。
アンジェラ「ようこそ、ダイヤモンドローズ騎士団の諸君。」
アンジュリーゼ「誰ですか、貴女は。」
アンジェラ「私はアンジェラ。指輪を託され、ビルキスを操縦できるようになった兵士よ。」
アンジュリーゼ「兵士ですって!?」
アンジェラ「私はかつてはアルゼナルの兵士だったの。だが私は仲間にいびられ、海に落とされた。そんな中、エンブリヲ様は私を拾ってくれた。それはさておき諸君、マナの光を取り返してほしければ、ラグナメイルに乗って暁ノ御柱の前に来なさい!」
アンジュリーゼは、ヴィルキスを奪われているのでラグナメイルに乗れない状態であった。

仕方なく、サリア、エルシャ、クリスの3人だけがラグナメイルに乗って暁ノ御柱の前に行った。
アンジェラ「よく来たね。前と同じと思っていない?」
サリア「そんなことはどうでもいいわ、ヴィルキスとマナの光を返しなさい!」
エルシャ「マナの光が無いことで、街がどれだけ混乱しているのかわからないの!?」
アンジェラ「この世界はもうじき滅びるの。なので街がどうなろうと私達には関係ないわ。」

そして、3機のラグナメイル同士との戦いが始まった。
御柱を傷つけないよう、ラグナメイルは慎重に弾を撃ち合っていく。
剣を用いての接近戦もあったこと。

そんな中、ヒルダ機、ロザリー機、メアリー機、マリカ機、ノンナ機の5つのパラメイルがやってきた。
エルシャのレイジアは、それらの機体に顔を向ける。
エルシャ「一緒に戦ってくれるのね!」
するとロザリー機は、レイジアに対して威嚇射撃を放つ。
サリアとクリスは驚いた。
エルシャ「どうしたの、仲間なのでしょ!」
アーキバスであるヒルダ機のコックピットから、ヒルダが顔を出した。
ヒルダ「仲間?ちげえよ。あたいらは、ネオ・アルゼナルと手を組んだんだよ。この世界をぶっ壊すためにな!」
ロザリー「クリス、あんたが敵とはな。あのイタ姫のせいでな。どうした、あたし達の仲間になって、この世界をぶっ壊さねえか?」
クリス「私の仲間は、サリアやエンブリヲくんだけ。君達はもう仲間じゃないよ…。私を見捨てたんだから!」

こちらミスルギ宮。
アンジュリーゼの所へ、近衛長官のリィザが数人の近衛兵と共にやってきた。
アンジュリーゼ「リィザさん、どうしたのですか。」
するとリィザは、手のひらから紫色の光を出し、それをアンジュリーゼに向ける。
リィザ「私はリザーディア。これよりエンブリヲ様の命令により、貴女を拘束する!」
アンジュリーゼはリィザに手錠をかけられ、連行される。

ダイヤモンドローズ騎士団のラグナメイル3機は、パラメイル5機に対し攻撃をしてない。
憎くてもかつての仲間を攻撃することができないからだ。
そしてパラメイル5機からの射撃をビームシールドで防いでいく。

そして、アーキバスAX1機、グレイブAX3機が現れた。
アンジェラ「マナの光が使えないのに、何故その機体を操縦できる!?」
モモカ「この機体には、マナの光を生み出す力があるからです。アンジュリーゼ様の代わりに、私たちが戦います!」
サリア「さあ、私達と一緒に戦うわよ!」
モモカ、アキホ、レイカ、マキ「イエス・ナイトマスター!」 
 

 
後書き
・次回予告
龍神器4機も登場。
時空融合が進む中、戦いはさらに熾烈を極めていくだろう。 
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