ドリトル先生と沖縄の蛇達
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第一幕その二
「けれどね」
「それでもなんだね」
「日本の暑さは湿気が凄いから」
「王子のお国の暑さとはまた違うからだね」
「あまりね」
どうにもと言うのでした。
「日本の、大阪や京都の夏は苦手だよ」
「そうなんだね」
「関西だと和歌山や三重の夏はいいけれどね」
「海が側にあるからだね」
「周りに山、そこの緑も多いから」
「いいんだね」
「過ごしやすいけれど」
それでもというのです。
「大阪や京都の暑さは苦手だよ、滋賀はよかったけれど」
「あそこはだね」
「琵琶湖があって涼しいから、あと奈良は」
最後はこの県でした。
「同じ盆地だよね」
「京都とね」
「けれど京都よりずっと涼しいね」
「それは盆地の広さの関係だよ」
「ああ、京都市って案外狭いからね」
「そうだね」
「街が山に囲まれている感じで」
それでというのです。
「奈良より暑くなるんだね」
「冬は寒くなるんだ」
「そういうことだね、奈良は北半分全体が盆地みたいだから」
「同じ盆地でも京都とは違うんだ」
「そうなんだね」
「そのこともわかったね」
「うん」
確かなお顔で、でした、王子は先生に答えました。
「日本は同じ関西でもそれぞれで気候が大きく違うね」
「そうしたところから学んでいっても面白い国なんだ」
「地理学からも」
「うん、面白い国だよ」
「そうなんだね」
「さて、それとね」
先生はあらためて王子に言いました。
「実はさっき沖縄の話が出たけれど」
「沖縄に行くのかな」
「うん、行くよ」
実際にというのです。
「学会があるからね」
「また学会なんだ」
「生物学の発表会でね」
「基地じゃないんだ」
「沖縄は基地が全部じゃないよ」
そこははっきりと断った先生でした。
「流石にね」
「テレビじゃ基地ばかりだね」
「あれはおかしいから」
「ああ、やっぱりそうなんだ」
「日本のマスコミのおかしさは際立ってるから」
「偏ってるんだね」
「世界で一番偏ってるんじゃないかな」
こうまで言う先生でした。
「マスコミの中でもね」
「だからだね」
「沖縄っていったらね」
「基地ばかりなんだ」
「政治の中でもね」
「政治って基地だけじゃないよ」
王子ははっきりと言いました。
「しかも基地もね」
「なくせだけだね」
「そうばかり言うのも変だよ」
「何か被害者とか言う人いるけれど」
「犠牲とかね」
「そんなことばかり言っても何にもならないよ」
それこそと言う先生でした。
「あの話はおかしいよ」
「何か知事さんもね」
「僕もあの人はおかしいと思うよ」
「そうだよね」
「おかしな人は何処にでもいるからね」
「日本でもイギリスでもだね」
「残念なことにね」
難しいお顔で言う先生でした。
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