| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハイスクールD×D暁の滅龍魔導師が守りたいもの

作者:零宮龍夜
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

2章戦闘校舎のフェニックス
  1話招かれざる客と宣戦布告

 
前書き
どうも、2章やっと入ることができました。

今話はいよいよあいつが出てきます

ではとうぞ 

 



夢を見ていた



山の奥にひっそりと立つ《里》で一人の少年の両手を両親が握り夕焼けが照らす道を自宅へと帰っている風景

何の変哲もない普通の幸せな家族の帰り道の姿がそこに映し出されていた

そして、真ん中にいる少年は左右にいる両親に明るい声で何かを話している、それに応えるように優しい笑顔を浮かべる両親

ああ、忘れるわけがない

こんなの忘れるわけがない

俺の・・・僕の家族との温かいひと時なんだから

だけど、この後風景は一変する

緑豊かで住宅が立ち並ぶ《里》が一夜にして業火に包まれ、そこに住んでいる人たちを何者かが次々と殺していく惨状へと

俺の両親もその何者かと戦った、だけど、両親はそいつに負けて二人とも殺された

そして、家が爆破される寸前

僕が最後に見たのは

僕をかばう両親の悲しい笑顔と

その背後にいる不敵な笑みを浮かべた黒い『何か』だった






『ある・・・ま!ーーーー主様!!』


ッ!?


俺はメルの声で目を覚ました


・・・ああ、そうか、俺はまたあの時の夢を見ていたんだな

いつもだ

いつも目を瞑ると最初から最後まで何度も何度も映像のように流れていく

この10年、一度もそれは変わったことがない

まだ頭に張り付いて離れ無い

両親のあの悲しい笑顔とあの狂気に満ちた三日月に歪んだ口はずっと俺の記憶にこびりついている

『主様、夢を見ていたようですが、うなされていたので無理やり起こさせてもらいました。迷惑でしたか?』

いや、助かったよ、ありがとう

俺はベッドから起き上がり、キッチンで水を一杯飲み干す

はぁ、もうあれから10年になるのか

あの地獄から運悪く生き延びた俺はもう10年も無様に生きているのか

両親と生きた時間よりも孤独に生きた時間の方が長いなんてな

ハハッ、笑えるな

何も救えなかった俺が今更何かを守ろうだなんてさ

『・・・主様、私は主様の記憶でしか、10年前のことを知りません、ですから、私は何も言いません・・・ですが自分を責めないでください、そのままだと、いつか体を壊してしまいます』

メルが、俺を励ましてくれる

ああ、ありがとう、もう大丈夫だ

俺はメルにそう応える



確かにいつまでもめそめそしちゃダメだな


メル、ありがとう、少し楽になった


『いいえ、気にしないでください、私はあなたの相棒なのですから、当然のことです』

そうか

本当にありがとうな



さてと、今日も朝からトレーニングと行きますか!!

そして俺はジャージに着替え、下に降りて、ランニングを始めた



ーーーーーーーー



放課後になった

まぁ、今日も特に何も変化はなく平和に時間が過ぎていった

今、俺は屋上で適当に寝そべっていた

ここは人があまりこないし、静かでのんびりするにはもってこいの場所だからなー

しかし、今日は眠いな

『おそらく鍛錬のせいだと思いますよ?主様は普段やってる鍛錬だけでなくティアとの体一つでの特訓をこなしているのですから、しかも、主様の鍛錬量は並の人なら半日で死ぬレベルなんですよ?それを毎日こなしてるんですから、いずれ疲れはくるのは当然です』

そう・・俺は最近俺の使い魔になった五大龍王最強のドランンである天魔の業龍ティアマットに鍛錬の相手をしてもらっている

伝説のドラゴンとの修行はとても有意義で、環境もいい。ただの雑魚魔物より何百倍も効率がいい

だが、そのことで俺は一つ気になっていることがある

確かに俺は彼女と鍛錬をする、だが、ティアはなぜか俺には甘々なんだ

なんでだ?

『おそらくですが、ティアは主様に好意を抱いているのでは?』

いや、それはないだろ?

だって相手はあの龍王だぜ?

『主様・・・女の恋に種族は関係ないと思いますよ?』



・・・マジっすか?



『ええ、おそらく。それに主様は異形の生物に特にドラゴンに好かれる才能があると思います。これは誇っていいことですよ』

まあ、否定はしないな

いま、俺の周りには計4体のドラゴンがいる、まず始創神龍であるメル、天魔の業龍ティア、そして緋炎龍のカレン、翠風龍のエルフィー

ちなみにティアはカレンとエルフィーの面倒を見ているらしい

あの二匹は俺にとってはまさに癒しだ

たまーに召喚して遊び相手になったり、ご飯を食べさせたりしている。ちなみに人間の飯をドラゴンが食べても大丈夫なのかと聞いたら、全然大丈夫だそうだ。

そういえばティアはこんなこと言ってたな

「こいつらは、私が鍛えよう。将来性が豊かな子達だからな、鍛えたら、強いドラゴンになるぞ」

と、二匹は将来有望らしく、ティアも張り切っていた

あと、二匹はまだ子供だから、話すことはできないが、もう少ししたらメルやティアみたいに人間の言葉を話せたり、人型の姿をとることができるらしい

どんな姿になるのか、少し楽しみだったりする

それはそうと最近俺は気になっていることがある

部長の様子がおかしいのだ

なんと言えばいいのか、今の部長は部長らしくないって感じだ

最近はずっと上の空で何回か声をかけてやっと気づくぐらいだった

いったい何があったのだろうか?

ただ、イッセーも気づいているらしく

それと、なんの冗談だろうか?イッセーが部長に昨夜夜這いされたと言うのだ

そろそろ本格的に頭がおかしくなってきたのかな?

とりあえずは部室に向かうか

そして俺は屋上から部室に向かい、旧校舎前まで来た時に祐斗、アーシア、イッセーと合流した

すると、三人は何か話している様子だった

「お、祐斗にイッセー、アーシア」

「やあ、アレン君」

「よっ、アレン」

「こんにちは、アレンさん」

「ああ、それでお前らなんの話ししてたんだ?」

俺は三人が話していた内容が気になりそう聞く

「ああ、最近部長の様子がおかしいんだ、前にも話しただろ?」

「ああ、そのことか確かにおかしいな、祐斗お前なら何か知ってるんじゃないのか?」

「うーん、僕は分からないね、でも、朱乃さんなら何か知ってるんじゃないかな?『女王』で部直の懐刀だからね」

どうやら、祐斗もわからないらしい、これは部長か朱乃さんに聞かないとわからないな

そして俺たちが部室の近くまで来た時・・・祐斗が何かに気づいた

「・・・まさか僕がここまで来て初めて気配に気付くなんて・・・」

・・・祐斗は気づいたようだな

アーシアとイッセーは首を傾げてるけど

「まあ、入ろうぜ、別に大丈夫だろ」

「え?もしかして、君は気づいていて・・・」

「まあな」

俺は祐斗の言葉にそう答え、部室の扉を開ける

部室にいたのは、不機嫌な形相をしている部長と、どこか冷たいオーラを漂わせている朱乃さん、そして部長の前に立つ銀髪のメイド、扉を開けた瞬間に俺に抱きついてきた小猫ちゃん

小猫ちゃんは部長たちの様子が怖かったのか、ここに痛くないという雰囲気を出していた

そして、目の前にいる銀髪メイド・・・結構強いな

おそらくは上級悪魔・・・いや、それ以上あるか

『はい、あのものは今までの悪魔とはレベルが違います』

ああ、身にまとう威圧感、それに魔力・・・正直言ってこれほどの悪魔は今まであったことがない

そう思えるほど彼女は強い

「全員そろったわね・・・でも部活を始める前に少し、話があるの」

「お嬢様、私がお話しましょうか?」

部長はメイドの申し出を断ると、席を立って何かを言おうとした。

「実はねーー」

部長が口を開いた瞬間、部室の床に描かれた魔法陣が光りだす

それと同時に魔法陣から炎が巻き起こる

そして形を変え魔法陣の紋様はグレモリーのものじゃない、これは

「・・・フェニックス」

隣で祐斗がそう呟く

そうだ、あれはフェニックスの紋様

そして炎の中心に一人の男が佇んでいた

「ふぅ、人間界は久しぶりだ」

そこにいたのは、赤いスーツを着た男

確かに整った顔たちだが、俺から言わせて貰えば貴族とは思えないような印象だ

「愛しのリアス。会いに来たぜ」

そしてそいつは部長を捉えるとにやけながらそういう

「おい、あんた誰だよ?」

「おいおい、リアス、下僕の教育がなってないじゃないか?まさか、この俺を知らないとは・・・ちょっと待て、なぜここに人間がいる?」

「彼はこの部の部員よ、それにあなたのことはみんなに教える必要なんてないもの」

「へー、まあ、別に人間がいても構わないさ」

部長はそうキッパリと断言した

「お嬢様、こちらの男性は?」

「彼は暁亜蓮よ、前にも話したでしょ?」

「そうですか・・・彼が」

銀髪のメイドは俺を興味深そうに見る

すると、銀髪のメイドは俺たちの前に来ていた

「暁亜蓮様、兵藤一誠様」

「何ですか?」

「は、はい」

「私はグレイフィアと申します。それと、この方はライザー・フェニックス様。純潔の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家のご三男であらせられます。」

グレイフィアさんは「そして」と付け加える

「グレモリー家次期当主・・・つまり、リアスお嬢様の婚約者であらせられます」


・・・・・こ、婚約者!?

『ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッッ!!!!!』

あまりにも予想外なことに俺を含めたイッセー、祐斗、アーシア、小猫ちゃんが一斉に驚愕の表情を浮かべて絶叫した


ーーーーーーーー


「いやー、リアスの『女王』が入れてくれたお茶は美味しいものだな」

「痛み入りますわ」

朱乃さんはいつものニコニコ顔で答えるものの、「あらあら」や「うふふ」がなく形式張ったほほえみだった

そして部長の隣に座るライザーは軽々しく部長の方を抱いたり、綺麗な太ももや紅の髪を触っている

部長は不機嫌な表情で腕を組んでいる

無理もない、あんな変態じみたことされたら普通嫌がるに決まってる

『確かにそうですね、それにあれが貴族とは思えません、下品すぎます』

俺の中の相棒も嫌悪感丸出しだった

まあ、メルの言う通り、俺もあれは貴族とは思えねぇな

部長が美しい紅の薔薇なら、ライザーはそこらへんにあるような雑草

何度もなんども復活することしか能がない植物だな

「いい加減にしてちょうだい、ライザー、私は以前にも言ったはずよ!私はあなたと結婚なんてしないし、婿養子だって迎え入れるつもりよ」

部長はライザーの手を払いソファーから立ち上がりライザーを鋭く睨む、だが、当の本人は変わらずにやけた表情を浮かべている

「しかしな、リアス、君のお父様もサーゼクス様も心配なんだよ。それに先の戦争で純血悪魔である72柱の大半が消えた。戦争を脱したとはいえ今も、神と堕天使陣営とも拮抗状態、だからこそ、純血な悪魔を減らさぬよう、俺の父や君の父、サーゼクス様の総意なんだ。それに君のお家事情はそんなことを言えるほど、余裕ではないだろ?」

「ええ、でも、ライザー、私は私がいいと思ったものと結婚する。古い家柄の悪魔にだってそれぐらいの権利はあるわ」

ライザーに部長はハッキリ言った、するとライザーは部長の目の前に立って睨み付けると舌打ちをする

「・・・俺もな、リアス。フェニックス家の看板背負った悪魔なんだよ。この名前に泥をかけられるわけにもいかないんだ。こんな狭くてボロい人間界の建物なんかに来たくなかったしな。というか、俺は人間界があまり好きじゃない。この世界の炎と風は汚い。炎と風を司る悪魔としては耐え難いんだよ!」

その言葉と同時にライザーの周囲を炎が駆け巡り、チリチリと火の粉が周囲に舞う

「俺は君の下僕を全部燃やし尽くしてでも君を冥界に連れ帰ーーーッ!?」

ライザーが最後まで言葉を発する前に、ライザーが放った炎を全て凍らせる

「ごちゃごちゃウルセェな。焼き鳥野郎、部室が燃えるだろうが」

「・・・ただの人間が俺を誰だかわかっての行動か?」

「はっ、知るかよ。ただ再生することしか能がない焼き鳥野郎がリアス・グレモリーと同価値なわけがねぇだろうが、それにお前はさっきこういったよな?」

俺はそう言いながら、魔力を解放する

その瞬間、俺の周りを黒と銀のオーラが立ち上る

「俺の仲間を燃やし尽くすって、俺の大切な仲間に手を出すつもりなら、命を摘もうってならーーーー俺は容赦しない、お前の血の一滴まで魂の一片まで殺し尽くしてやるよ」

「・・・はっははは!!粋がるなよ?人間がぁ!!」

その言葉とともにライザーは炎をさらに噴射させる

俺もそれに対抗するように全身から冷気と雷を放出する

しかし、次の瞬間、途端に俺の近くからライザーとは別の強大な魔力が放出されるのを感じた

「おやめください、暁亜蓮様、ライザー・フェニックス様」

それは俺とライザーの真横に立つグレイフィアさんから放たれたものだった

グレイフィアさんから放出される魔力はかなり強大なものだ

「私はサーゼクス様の命により、ここにいますが故、私は一切の遠慮をするつもりはありません」

「・・・最強の女王と称されるあなたにそんなことを言われたら俺も怖いよ」

「・・・悪いが、俺は魔王の命令でもこの拳を収める気はない」

ライザーはグレイフィアさんの魔力をみて肩をすくめて魔力を収める、俺も魔力を収めると拳を握りしめグレイフィアさんの前に立つ

「もし、俺を止めたいならば納得のいく説明をしてみろよ」

「・・・グレモリー家もフェニックス家も当人の意見が食い違うことは重々承知でした。ですので、もしこの場で話が終わらなかった場合のことを皆様方は予測し、最終手段を用意しました」

「最終手段?どういうこと、グレイフィア」

「お嬢様、ご自分の意志を通すのでしたら、ライザー様と『レーティングゲーム』にて決着をつけるのはいかがでしょうか?」

「ーーーッ!?」

『レーティングゲーム』という単語を聞いて俺は少なからず驚いてしまった

レーティングゲームというのは爵位持ちの上級悪魔が自分の下僕とともに戦うゲームだ

そして、さらに言えばレーティングゲームは成人した悪魔しかできない

非公式なら別だがな

「いいのか?俺は構わない。ただ、俺はすでに成熟しているし、公式のゲームも何度かやっている。今の所勝ち星の方が多い。それでもやるのか、リアス?」

「ええ、やるわ。ライザー、あなたを消し飛ばしてあげる!」

「いいだろう、そちらが勝てば好きにすればいい。俺が勝てばリアスは俺と即結婚してもらう」

「承知いたしました。お二人のご意思は私グレイフィアが確認させていただきました。ご両家の立会人として、私がこのゲームの指揮をとらせてもらいます。よろしいですね?」

「ええ」

「ああ」

グレイフィアさんの問いに両者は了承した

だけど、このゲーム、明らかにこちら側の不利だ

ライザーは公式戦でのゲーム経験があるが、それに対して部長は経験ゼロ、それだけでもかなり不利なのに、もう一つ問題がーーー

「おい、リアス、まさか、ここにいるメンツが君の下僕全員なのか?」

「ええ、そうだけど?」

「ははは!!これじゃ、話にならないんじゃないか?君の『女王』である『雷の巫女』ぐらいしか俺の可愛い下僕に対抗できそうにないな」

ライザーはそう得意げに言うと、指をパチンと鳴らす

すると、部室の床にフェニックスの魔法陣が現れ、その中から炎に包まれ15の人影があった

「と、まあ俺の眷属は15名フルでいる・・・この人数相手にたった5人しかいないメンバーでどうやって戦うって言うんだ?」

俺は15の人影を見るが、その全てが美女や美少女ばかりだった

そう、これがもう一つの問題、公式戦を何度も経験しているライザーは眷属が15名フルでいる、しかし対するこちらは五人、経験、戦力共に不利な状況なのだ

そして、次の瞬間、隣にいたイッセーが号泣していた

「お、おい、リアス・・・。この下僕君、俺を見て大号泣しているんだが」

「その子の夢がハーレムなの、きっと、ライザーの下僕悪魔たちを感動したんだと思うわ」

本気で引いているライザーに部長は困ったようにそういう

「きもーい」

「ライザーさまー、この人、気持ちわるーい」

まあ、そういうのが普通の反応だよ

本当にごめんね、うちの変態が

すると、ライザーはとんでもないことを始めやがった

近くにいた眷属の女と濃厚なディープキスを始め、さらには舌まで入れて胸をいじる

ライザーは一旦唇を離すと他の女ともディープキスを始めやがった

俺はそれを見て形容しがたい『何か』が心の底からふつふつと湧いてくるのを感じた

そして二回戦を終えたライザーは嘲笑しながらイッセーを見下す

「お前じゃ、こんなこと一生できまい。下級悪魔君」

「俺が思っていること、そのまま言うな!ちくしょう!ブーステッド・ギア!」

イッセーは左腕を天にかざし『赤龍帝の籠手』を出現させ、ライザーに指を突きつける

「お前みたいな女ったらしと部長は不釣り合いだ!」

「は?お前、その女ったらしの俺に憧れているんだろう?」

イッセーは痛いとこを突かれて、言葉を詰まらせる

「うっ、うるせぇ!それと部長のことは別だ!そんな調子じゃ、部長と結婚した後も女の子とイチャイチャしまくるんだろう?」

「英雄、色を好む。確か、人間界のことわざだよな?それだよ、それ」

「・・・それは違うな。ただ単に己の欲望を満たすの間違いだろ?ライザー・フェニックス」

俺はイッセーが何か言う前にライザーの言葉を否定する。

イッセーが何か言おうとしたが、俺が視線で黙らす

「お前は英雄とはかけ離れている存在だ。それにお前は英雄というものを勘違いしている。英雄というのはなりたくてなるものじゃない、善の心と気高い信念を持つものが周りの異性を魅了させ、引き寄せる、そんな意味からできた言葉なんだよ。だからお前は英雄じゃない、ただの下種だ」

「・・・貴様、俺をどこまで怒らせる気だ?」

「なんだ、怒ってるのか?それはただ単に思い当たる節があるってだけだろ?」

俺は部長の横に立ち、ライザーを睨みつけながら小馬鹿にしたような口調で話す

「・・・・・ミラ、やれ」

「はい、ライザー様。」

ライザーは近くにいた棍を持った小柄な女の子にそう命令する

すると、その子はライザーの言葉に頷き俺に向けて棍を突き立ててくる

だけど、そんなの避ける必要ねぇな

俺はそのまま何もせずに自然体でその棍を受け止める、棍は俺の腹部に直撃したが、全然効かないな

「その程度か?ならお返しだ」

「ガハァッ!?」

俺は棍を掴むと棍ごと女の子を持ち上げ地面へと床が砕ける勢いで叩きつける

床は案の定砕き割れ、女の子は呻き声を上げて動かなくなった、どうやら気絶したようだ

「き、貴様!!俺の可愛い下僕を!!」

「そっちが売った喧嘩だろ?それにまだやるってんなら、お前が来いよ、容赦なく叩き潰してやる!!」

「ただの人間風情がぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ライザーは叫びながら俺に巨大な炎の玉を放とうとする

だが

「その炎をお納め下さい」

いつの間にか俺とライザーの間にグレイフィアさんが立っていた

「し、しかし!グレイフィア殿!こいつは俺の下僕を傷つけたんですぞ!!」

「それはそちらが先にやったから、彼はお返ししただけではありませんか。ーーーそれにお嬢様の部活の部員を殺すことはお控え下さい、これ以上するなら、魔王サーゼクス様の女王として、あなたを粛清します」

グレイフィアさんの本気の殺気と魔力が部室に広がる

まるでそこから突風が発生したかのような感覚だ。俺はその感覚にゾクゾクとなった

こんなに強い人ならば、全力で戦える、と

だが、他のみんなはそうではないらしく、アーシアは恐怖に顔を青ざめガタガタと体を震わせていた

イッセーや、小猫ちゃん、祐斗も同じく顔を青ざめ恐怖に体を震わしていた

「・・・くっ!おい、そこの人間!お前もゲームに出ろ!!そこでお前を焼き殺してやる!!」

ライザーは名案とばかりに俺にそう言ってくる

まあ、普通なら断れば終わりなんだが、俺もこいつは個人的に叩きのめしたくなった

「いいぜ、やってやるよ」

「だ、ダメよ!アレンは関係ないわ!!巻き込まないで!!ライザー!!」

部長は途中で慌てたように口を挟んでくる

全く、どこまで優しいんだよ、この人は

「部長、俺はあなた達のことを仲間だと思っている。だからこそ、仲間の危機に駆けつけないなんてことは絶対しない。俺は護りたいものを護るためにこの拳を振るうだけだ」

そうだ、俺は仲間を護りたい。俺の覚悟のためにも、それに、せっかく相手からお誘いが来たんだ、こんな楽しそうなもの、断る理由がない!!

「・・・そうね、あなたはイッセーよりも諦めが悪かったわね。わかったわ、じゃあ、みんなでライザーを消しとばしましょう!!」

「ああ!!」

「では、ゲーメは10日後の深夜にて全ての決着をつけさせていただきます、両者それで構いませんね?」

グレイフィアさんの言葉に二人とも頷き、ライザーは魔法陣を展開してその中にさっき気絶した女の子を眷属に持たせ、他の眷属とともに入ると俺を睨みつけてくる

「そこの人間。10日後に貴様をフェニックスの炎で焼き殺してやる、いいな、逃げるなよ?」

「逃げるわけねぇだろ、そっちこそ、俺に殺されないよう気をつけろよ?」

ライザーはそのまま魔法陣から消える

・・・10日、それはグレモリー眷属の準備期間だ。

俺一人ならあんな奴らに負けることはない

だけど、これはリアス・グレモリーとその眷属の戦いだ。まだ未熟なこいつらへの準備期間だ。

「部長、もちろん特訓するんですよね?」

「ええ、当然、アレンも参加してもらうわ」

「ええ、もちろんですよ」

ああ、やってやるよ

部長はなんとしてでも勝たせてやる

そして、ライザー・フェニックス、お前は俺が叩き潰してやる

龍狩りの力を見せてやるよ


 
 

 
後書き
今回はライザー・フェニックスが登場しました

アレンは素手でも十分に強いですね

そして次回は修行編です

・・・ただ、アレンの修行相手・・・誰にしようかな

普通の相手だと逆に相手がくたばると思うし

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧