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エクリプス(機動戦士ガンダムSEED編 )

作者:cipher
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第20話 運命の出会い

Side アスラン・ザラ

クルーゼ隊は、ナスカ級1、ローラシア級3で大気圏降下軌道を目指していた。

オペレータ
「ジブラルタルサービス。晴、気温12、湿度45、風西北西27、バナローナ沖に低気圧警報。」

ローラシア級の1艦が艦体下部に備えられた楕円状カプセルを切り離した。

Sideout



Side 地球連合軍軍・軌道往還監視センター

オペレータ
「エンダーベリーアンテナ、降下アラーム、対象、モビルスーツコンテナ。
現在、ヤップ島オーバー、チョモランマルートを降下中。」

司令
「やれやれ、アラームの休まる間もないな。」

副官
「ジブラルタル便ですか?あのルートじゃどうにもなりません。
くそー、こっちに制空権がないと思って。」

司令
「やはり近々ザフトが大規模作戦を発動すると言う噂、噂だけではないようだな。」

副官
「パナマですか?」

司令
「奴等は我等の宇宙港を全て奪わねば落ち着かんのだろうよ。
カオシュン、ビクトリア、残るはパナマだ。
だが、パナマは落とさせんわ!」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

マリューとフラガは廊下を歩きながら話していた。

マリュー
「ボズゴロフ級潜水空母…、と言うこと?」

フラガ
「ミスリルからの情報を信じられるならな。
うん…、少なくても、カーペンタリアから直接は無理だ。
こっちだって動いてんだしさ。ギリギリ来て戦えたって、帰れないからなぁ。」

マリュー
「ハァ…。」

フラガ
「洋上艦や航空機なら、いくらなんでも見逃さないだろうけど、水中はこっちも慣れてないからねぇ。」

マリュー
「でも、捕獲作戦の囮役か?」

フラガ
「今度来たら、そっちも叩かないと。下手すりゃずっと追い回されるぜ。」

マリュー
「ですわねぇ…。しかし…。」

フラガ
「ガンバガンバ!」

マリュー
「うわぁ…。」

フラガ
「どうにかなるよー。これまでだって、どうにかなってきたんだから。」

マリュー
「まーた根拠なくそんなこと!」

フラガ
「それが励ましってもんでしょ。」

マリュー
「あっ。」

フラガ
「あはははっ。」

マリュー
「もう…!くすっ。」

Sideout



Side カガリ・ユラ・アスハ

カズイ
「やっぱ駄目かなぁ。」

サイ
「だって、目的地はアラスカだぜ?オーブへ寄るなんて、大回りになるだけじゃないか。」

ミリアリア
「大体寄ってどうすんの?私達今はアークエンジェルの護衛よ?
作戦行動中は除隊できないって言われたじゃない。」

カズイ
「でもこんな予定じゃなかったじゃないか?
アラスカへ降りるだけだって…、だったらって僕もさぁ!」

カガリとキサカは食堂を出る。

キサカ
「カガリ!」

カガリ
「分かっている、何も言うな。私は何も言ってないぞ!」

キサカ
「なら、いいですが。」

カガリ
「そりゃ、何かあれば、と思ってはいるが。」

キサカ
「カガリ!」

カガリ
「しょうがないだろ?いきさつも分かってはいるが、
この(ふね)とあいつは沈めちゃいけないって、どうしてもそんな気がするんだから…。」

キサカ
「んー。」

カガリ
「きっとハウメアお導きなんだろ?うん。
よ、キラ!」

キラ
「やぁ。」

Sideout



ジブラルタル基地。

Side アスラン・ザラ

ニコル
「アスラン!クルーゼ隊は第二ブリーフィングルームに集合ですって。」

アスラン
「ああ。」

イザーク
「お願いします隊長!あいつを追わせて下さい!」

クルーゼ
「イザーク、感情的になりすぎだぞ。」

イザーク
「ですが…。」

アスラン
「失礼します!」

アスラン、ニコル
「ぁ。」

アスラン
「イザーク?」

イザーク
「ふん!」

ディアッカ
「よう、お久しぶり。」

クルーゼ
「足つきがデータを持ってアラスカに入るのは、なんとしても阻止せねばならん。
だがそれは既にカーペンタリアの任務となっている。」

イザーク
「我々の仕事です隊長!あいつは最期まで我々の手で!」

ディアッカ
「私も同じ気持ちです隊長!」

ニコル
「ディアッカ…?」

ディアッカ
「ふん!俺もね、散々屈辱を味合わされたんだよ。」

クルーゼ
「無論私とて、想いは同じだ。
スピットブレイクの準備もあるため、私は動けんが…。
そうまで言うなら君達だけでやってみるかね?」

イザーク
「はい!」

クルーゼ
「ではイザーク、ディアッカ、ニコル、アスランで隊を結成し、
指揮は…、そうだな…、アスラン、君に任せよう。」

アスラン
「えぇ!?」

ディアッカ
「うっ!」

クルーゼ
「カーペンタリアで母艦を受領できるよう手配する。直ちに移動準備にかかれ!」

イザーク
「ぅ…ぅ…。」

アスラン
「隊長…、私が?」

クルーゼ
「いろいろと因縁のある(ふね)だ。難しいとは思うが、君に期待する。アスラン。」

ディアッカ
「ザラ隊ね…。」

イザーク
「ふん!お手並み拝見と行こうじゃない。」


~~回想~~

クルーゼ
「ストライク…、討たねば次に討たれるのは君かもしれんぞ。」

光輝
「もし君がアークエンジェルを追って来ても、その時は私が相手になる。」

~~回想終了~~


アスラン
「ぅ…。」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

トノムラ
「ソナーに感。7時の方向。モビルスーツです。」

ナタル
「間違いないか?」

マリュー
「数は?」

トノムラ
「音紋照合、グーン2、それと、不明1ですが、間違いありません!」

マリュー
「総員、第一戦闘配備!」

パル
「総員、第一戦闘配備!繰り返す!総員、第一戦闘配備!」

Sideout



Side キラ・ヤマト

ミリアリア、サイ、カズイ
「ぁ!」

キラ
「ぁ!」

サイ
「…頼むな。」

キラ
「ぁ…、うん。」

ミリアリア、サイ、カズイはブリッジへ、キラは格納庫に向かった。

マードック
「ソードストライカーで?」

キラ
「はい!ビームを切れば、実剣(じっけん)として使えますから。」

マードック
「分かった!」

光輝
「キラ君、エールストライカーで出るんだ。
今回は3機いる、ストライクの足止めと、アークエンジェル攻撃の二手分かれる筈。
エールストライカーなら、アークエンジェルを土台代わりに使えば、
短時間なら空中戦が出来る。
敵モビルスーツは海上に腕を出さないと、攻撃出来ない。」

カガリ
「だからなんで機体を遊ばせておくんだよ!私は乗れるんだぞ!」

マードック
「でもあんたは…?」

カガリ
「アークエンジェルが沈んだらみんな終わりだろ?
なのに何もさせないでやられたら、化けて出てやるぞ!」

マードック
「いぃ!?」

フラガ
「はっはっは。お嬢ちゃんの勝ちだなぁ、曹長。2号機、用意してやれよ。」

光輝
「いや、カガリは私と、母艦をやりに行く。2号機は補充のパイロットを乗せろ。
フラガ達はストライクの護衛だ。グーン達を牽制してくれ。
エールストライカーは短時間しか飛行出来ない。
その間は、グーンにアークエンジェルを攻撃させるなよ。」

フラガ
「分かった。」

マードック
「えぇぃ…。」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

ミリアリア
「バルキリー、コウキ機、発進位置へ!」
バルキリー。進路クリアー。発進どうぞ!」

カガリ
『カガリ、コウキ、バルキリー発進!』

マリュー
「え?」

ミリアリア
「カガリさんとコウキさんがバルキリーに乗っているそうです。」

マリュー
「どういうつもり?」

「「…」」

「スカイグラスパー1号、フラガ機、発進位置へ。進路クリアー、フラガ機、どうぞ!
APU起動。カタパルト、接続。ストライカーパックはエールを装備します。
エールストライカー、スタンバイ。」

マリュー
「エール…?」

フラガ
『出るぞ!』

ミリアリア
「システム、オールグリーン。続いてストライク、どうぞ!」

キラ
『キラ・ヤマト、行きます!』

「スカイグラスパー2号、補充パイロットA機、発進位置へ。進路クリアー、補充パイロットA機、どうぞ!」

補充パイロットA
(ちきしょう!どうせ俺は、補充パイロットAだ。名前ぐらいつけてくれよ)
「補充パイロットA、発進します。」

トノムラ
「魚雷接近!雷数8!」

マリュー
「離水!上昇!」

ノイマン
「くっ…くっ!」

ナタル
「底部イーゲルシュテルン、迎撃開始!バリアント、照準、てぇ!」

マリュー
「ランダム回避運動!」

Sideout



Side アスラン・ザラ

アスラン
「待機室、アスラン・ザラ。」

オペレータ
「すまんな、君の機体を乗せた機は、航法機材のトラブルで少し出発が遅れる。
通達あるまで、そこで待機してくれ。」

アスラン
「分かりました。」

Sideout



Side マルコ・モラシム

モラシム
「チッ!浅い海を通ると思っていたが、このゾノには不好都合だが。
クルーゼも降りてきているからな、今日こそ沈めてやるぞ!
ストライクは私がやる!お前達は(ふね)を!
今日こそその機体、バラバラにしてくれるわ!このゾノがな!」

グーンパイロットA
『隊長、ストライクはアークエンジェルの甲板にいます。』

モラシム
「え!?降りてこないのか?」

グーンパイロットB
『ストライクと艦載機の攻撃で、アークエンジェルを狙えません。』

モラシム
「チッ!分かった、そっちへ合流する。」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

マリュー
「え?」

ナタル
「コウキ殿は流石です。
エールストライカーで、上空と上部甲板を移動して攻撃させるとは。」

キラ
『水中用モビルスーツは、上部を海面から出さないと攻撃出来ません。
コウキさんは、相手の土俵で戦う必要はない。
もぐら叩きと呼んで言ってました。』

マリュー
「もぐら叩き…。」

ナタル
「言い得て妙ですね。相手が頭を出したら、それを叩く。」

「「あっはっはっは…。」」

環境のクルー達は笑い出した。

Sideout



Side マルコ・モラシム

グーンパイロットA
『うっわぁ!』

グーンパイロットB
『何?』

モラシム
「な、なんだ?」

グーンパイロットA
『動かない!』

モラシム
「うわぁ!!
くそ!動け!」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

トノムラ
「魚雷接近!雷数3!
海中で爆発音!数3!」

マリュー
「また生け捕りにしたのね…。
あの魚雷、前方に向けて衝撃波が凄く、
食らったら中のパイロットは気絶するって。」

ナタル
「無駄に殺さない、コウキ殿らしい。」

ノイマン
「下手に装甲が丈夫だから、衝撃波を吸収しないで中に伝わるって、
発想が…、ゲスぃいや素晴らしいですよね。
しかも、ザフト軍のコックピットの衝撃吸収度合まで計算してました。」

トノムラ
「自分は新規開発中の小判鮫(こばんざめ)魚雷の話を聞きました。
何でも相手の(ふね)に引っ付いて、大音量で音楽を流すらしいです。
敵のソナーを無効果した上で、味方には敵の位置が丸分かりだそうです。
魚雷自体は完成しいて、後は選曲だけだそうですが、悩んでいました。」

マリュー
「相手の弱点を見事に突いているのだけれど、
同じ技術者として素直に納得出来ないのは、何でしょうね…。」

ナタル
「心理戦ではないですか。
食らった方は憎しみや悔しさより、バカバカしく思うでしょう。

Sideout



Side カガリ・ユラ・アスハ

光輝
「ソノブイ投下!どこだい子猫ちゃんは?」
(『子猫ちゃんと同伴、ルンルールン♪』カガリの情操教育上、言えないけど。
のだめカンタービレ、シュトレーゼマン作詞作曲、さすがエロ巨匠)

カガリ
「子猫ちゃん?」

光輝
「砂漠の虎よりずっと弱いからね。」

Sideout



Side アスラン・ザラ

輸送機機長
「すまんな、お待たせ。」

アスラン
「いいえ。」

Sideout



Side モンロー(クストー艦長)

モンロー
「よーし!ディン隊出すぞ!浮上!」

クストーオペレータ
「海上レーダーに感!機影1!モビルアーマー擬きです。」

モンロー
「なにっ!」

Sideout



Side カガリ・ユラ・アスハ

光輝
「見つけた!
カガリ、敵艦後方でガウォークに変形宜しく。」

カガリ
「やった変形だ!」

Sideout



Side  モンロー(クストー艦長)

クストーオペレータ
「後方海面に着弾、推進音です。魚雷接近!」

クストー艦長
「回避!」

クストーオペレータ
「間に合いません!」

クストーブリッジ一同
「うわぁ!」

クストーオペレータ
「推進装置に被弾!故障!」

クストー艦長
「くっそー!浮上してディンを出せ!叩き落とすんだ!」

Sideout



Side カガリ・ユラ・アスハ

光輝
「さぁ出てくるぞ。このままホバリング!」

カガリ
「ああ!」

光輝
「火器管制を譲る。硬化剤ミサイルをディンの射出口にぶちかませ!」

カガリ
「ミサイル発射!行けー!」

光輝
「このまま対空ミサイルポッドを潰すぞ!」

カガリ
「ミサイル連続発射!」

光輝
「これで推進器と対空攻撃は出来ない。」

カガリ
「やった!」

光輝
「カガリ、レーダーをワイドレンジに切り替えて。」

カガリ
「え、ザフトの…、輸送機?」

Sideout



Side アスラン・ザラ

輸送機機長
「おい!」

副操縦士
「ああ、でもこんなところで誰が?」

アスラン
「どうしたんです?」

輸送機機長
「前方海上に戦闘らしき反応があるんだ。」

アスラン
「え?」

輸送機機長
「巻き込まれたら厄介だな?グゥル積んでないんだ。あんたの機体落っこっちまう!」

副操縦士
「地球軍機?」

輸送機機長
「くっそー!なんでこんなところに?」

副操縦士
「敵機、機銃掃射です。」

輸送機機長
「君はモビルスーツのコックピットへ、いざとなったら機体はパージする!」

アスラン
「しかし…?」

輸送機機長
「積荷ごと落ちたら俺達の恥なんだよ!早く!」

アスラン
「分かった。」

輸送機機長
「くっそー!制空権内と思って油断した!駄目だ、保たない、高度を下げてパージする!」

アスラン
「あなた方は?」

輸送機機長
「そのあと脱出するさ。気遣いは要らん。」

アスラン
「はい。」

Sideout



Side カガリ・ユラ・アスハ

カガリ
「何で中ててはいけない!」

光輝
「中てなくても、脅すだけでいい。
ミサイルも近接でリモート起爆させている。
そろそろモビルスーツをパージする筈だ。」

カガリ
「あっ本当だ。」

光輝
「右の小島に着陸する。
一度上空を通過して反対側の岸に降りてくれ。」

カガリ
「分かった。」

光輝とカガリは島に降り立った。

光輝
「ECS(電磁迷彩システム)作動。」

カガリ
「おお!消えたぞ!」

光輝
「電磁迷彩で見えなくなっているだけだ。
カガリ、歩くぞ。ヘルメットのバイザーを上げるなよ。
声が外には漏れない。」

カガリ
「小さい島なんだな…、無人島か?あっ!」

光輝
「あれはヘリオポリスで略奪された、イージスだ。」

カガリ
「あれはザフト兵!」

光輝
「合図をしたらザフト兵の足元に銃弾を撃つんだ。
中てる必要はない。」

カガリは合図で銃を撃つ。

アスラン
「あ!」

カガリ
「動くな!」

光輝
(くー!五月蠅い。バイザーを閉めたまま叫んでも外には聞こえないぞ)

Sideout

 
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