ドリトル先生の名監督
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第十一幕その八
「ですから」
「皆で、ですか」
「しませんか」
「それもイギリスのお考えですか」
「いえ、僕の考えです」
先生の、というのです。
「むしろイギリスですと」
「貴族だからですか」
「使用人の人達が何でもすることが多いです」
実はというのです。
「ですが僕はそうした考えではなく」
「皆でする」
「そう考えています」
「だからちゃんこ鍋もですね」
「皆で作りませんか、各自出来ることをして」
「わかりました」
ここまで聞いてです、親方も頷きました。
そしてでした、皆がお風呂に入ってからです。ちゃんこ鍋となりましたが。
先生の提案通り皆で作ります、上級生の人も親方も入れて。
先生も動いていまが食材や道具を出すだけです、しかも落としても割れない様なものばかりです。それは動物の皆が指定しています。
「先生はガラスコップとか持たないでね」
「落とすからね」
「だからそこは注意して」
「絶対にね」
「ううん、何かね」
その先生は少し苦笑いで言います。
「僕ってこうしたこともね」
「だって先生だから」
「実際にもの落としたりするから」
「見ているこっちが心配になるから」
「どうしてもね」
雑用についてもというのです。
「落としても大丈夫なものしか持って欲しくないよ」
「包丁も持たないでね」
「先生お料理も出来ないから」
「出来るだけのことをしてね」
「いい?先生はね」
ガブガブが言うにはです。
「出来ることだけをしてくれたらいいの」
「そう、動くなとは言わないけれど」
チーチーは少し厳しい口調でした。
「出来るだけのことをしてね」
「先生は鈍臭いからね」
「それもかなりね」
チープサイドの家族が見てもです。
「すぐにもの落とすし」
「つまづいたりも多いから」
「それで身体も大きいから」
ジップは先生の大柄な身体のことも言います。
「目立つしね」
「先生はお鍋とか持って来てくれるかな」
トートーは先生に具体的にして欲しいことを言いました。
「落としても大丈夫なものをね」
「お豆腐とかお魚は持たないでね」
ポリネシアもかなり具体的に言います。
「落としたら形が崩れたり汚れて食べられなくなるから」
「先生、僕と一緒にお鍋を運ぼう」
ダブダブは先生にお誘いをかけました。
「そうしようね」
「僕も出来ることをして」
ホワイティも言います。
「手伝ってるから」
「出来ることをする」
「自分のね」
オシツオサレツはそのホワイティが自分の背中に運び込む小さな道具だけでなく大きな道具も背中に乗せてもらって運んでいます。
「先生がいつも言ってる通りね」
「そうしたらいいし」
「じゃあ先生、出来ることをして」
最後に老婆が先生に声をかけます。
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