狸囃子
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第二章
「けれど大体こんな感じっていうね」
「真似もなの」
「いいわ、けれどね」
「そこからなのね」
「やっていくものだから」
「じゃあ」
奈々は母の言葉を聞いて言った。
「お父さんが好きなAKBの曲も」
「いいのよ」
最初はというのだ。
「真似て」
「そうなのね」
「そう、けれどよ」
「そこから」
「奈々ちゃん自身の作詞作曲をしていってね」
「わかったわ」
奈々は母の言葉に頷いた、そして実際に彼女はまずはAKBの曲を真似て作詞してだ、作曲も覚えたての楽符を楽譜に書いていってだった。AKBの曲のそれを見つつそうしていった。、そして発表すると。その評価は。
「コピーみたいだって」
「言われてるのね」
「実際にね」
「やっぱりそうね」
「予想通り?」
「そうなると思ったわ」
香枝にしてもというのだ。
「やっぱりね」
「そうなの」
「ええ、けれどね」
「あくまでなのね」
「真似からよ」
「私自身の曲をなのね」
「そもそも小学四年生で作詞作曲を」
それをしているということは。
「凄いことだし」
「やっぱり早いのね」
「よくやってるわ」
こう言うのだった。
「歌うだけじゃなくて」
「うん、やってみたらって言われて」
「それで実際にやってみて」
「一曲でも出来たことはね」
「凄いのね」
「それだけでもよ」
まさにというのだ。
「充分立派よ」
「そうだったの」
「けれどよ」
それでもとだ、さらに言った母だった。
「ここからどうするのか」
「私自身を出すかどうか」
「作詞と作曲をしていきたい?」
娘の目を見てた、香枝いは尋ねた。
「そうしたい?」
「そう言われると」
「したいのね」
「やっぱりね」
実際にとだ、奈々は答えた。
「最初の曲作るのに一月かかったけれど」
「それでもなのね」
「楽しかったから」
だからというのだ。
「またね」
「だったらね」
「作詞と作曲していって」
「奈々ちゃん自身を出せばいいの」
「そうなの」
「まあ色々音楽も聴いて」
これまで通りだ、そうしたこともしてというのだ。
「考えていってね」
「何か大変ね」
「何かを生み出すのは大変なのよ」
「そうなの」
「作詞も作曲も子供を作ることと同じよ」
奈々にこうも言ったのだった。
「それとね」
「子供って」
「私も奈々ちゃん産むの大変だったから」
くすりと笑ってだ、香枝は奈々にこうも言った。
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