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役職?召喚魔術師ですがなにか?

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兎と出会った日

光陰矢のごとしとはよく言ったもので、俺がこの世界に来て3年の月日が流れた。
アイズちゃんとベート君はレベルも上がり、俺も一応レベル2として過ごしている。
まぁ、レベルアップを使っただけだが。
俺たちソーマ・ファミリアは、信用の回復を達成し、胸を張ってダンジョンに潜っている。
とは言っても、未だに四人から増えていないため、潜るのは俺とリリ、チャンドラとケビン君の2チームで行っている。
最近リリの対応がドライになってきたこともあり、能力をツ使うことが出来てないが、稼ぎはそんなに悪くないので納得はしている。

「は?入団希望者が来た?」

何時ものようにエイナの奴からお小言を貰って帰宅したら、ケビン君が報告してきた。
何でも白い髪に紅色(ルベライト)の瞳。要するに兎みたいな少年だったらしい。
一応団長である俺が留守だった為、日を改めてと言うことでお帰り戴いたらしい。

「まぁ帰っちゃったなら仕方ない。また来たらその時にってことでいんじゃね?」

まぁ確かに零細ファミリアでも団員4は少ないだろうか。
募集を掛けてみるのも出なのかもしれないな。

「タケル、ギルドはどうだったんですか?」

「リリ!聞いてくれよ!エイナのやつ、未だに難癖付けてくるんだぜ?レベル1じゃ心配って言うからレベル2にしたのに、これじゃあ意味がねぇよ!」

「まずレベルをそんな簡単に上下できることがおかしいことに気づいてください」

頭を横に振るリリ。
いつ頃だったか、様つけとか俺に対してめんどくさいということだったので、 「ならそれでいんじゃね?」と言ったところから呼び捨てになった。

「チャンドラはどこ行った?」
「チャンドラさんなら今日は店番です」

そうですか。
じゃあ今日は何しようかな…?

「そう言えばアイズ様方は居ないんですね」
「遠征とやらで長期休暇でございます。あの落ち込んだ顔は俺のせいじゃないのに罪悪感が酷い」
「先生も大変ですね…」

と言うわけで今日一日がフリーになった。
俺は外へと繰り出し、露店を見て回ることに。
そう言えばアストレアの人達はどうしたんだろ。最近みないし、遠征でもしてるのかな?
「そこな少年!じゃが丸君はいらないかい?」
不意に声をかけられる。
一応周囲を見回し、少年に該当する姿を探してみたが、どうやら俺しかいないようで、声のした方へと振り向くと、そこにいたのは--ーーー
「なんだ、ロリ巨乳か」
「何だとヒトデ頭!」
反射的な感じで口に出してしまったが、目の前にいるのは神の一人、ヘスティアである。
小柄な体にツインテール。そして何よりも目立つ双丘。
人は彼女をロリ巨乳と呼ぶ。

「誰がヒトデだ駄目神」
「人の身体的特徴を弄るからだろう!これでもボクは気づついているんだ!」
お前だってしたじゃねえか。
「それで?何かようか?酒代なら何時でも良いぞ」
「く…それはありがたいけど、タケル君は誰かフリーな子を知らないかい?」
「フリー?知らなくはないけど、なんで?」
「ほら、ボクだって神だからね。ファミリアを立ち上げたいのさ」
まぁ、知り合ったのが最近でも、彼女の身の上話は知ってるからな。大方ヘファイストスさんとケンカでもして見栄を切ったのだろう。
「とは言ってもなぁ…そもそもホームがない神がファミリアを立ち上げるってどう言うことだよ」
「ホームならあるさ!馬鹿にしないでおくれよ!」
「いや、あの廃教会はホームとは言わないだろう。まぁ団員の一人でも入ったのなら、 場所を見繕っても良いんだけどな」
「ホントかい!?よぉし見てろよ!絶対にボクの子供を見つけて見せるよ!」
その意気込みが続くと良いけどな。
「さて、今日のバイトはもう終わりだね。タケル君はこれから何処かへ行くのかい?用事がないならボクとーーー」
ご飯でも、とでも言おうとしたのだろう。俺たちがいる場所の近くから、扉を強引に閉める音が聞こえてきた。
「何だろうね?」
「さぁ?見に行くか?」
「うん」



僕は2週間ほど前から、このオラリオにやって来た。
当初思い描いていた計画とは裏腹に、すぐに冒険者になることは出来ず、ギルド担当者のエイナさんの教えの元、ファミリアを探すことになった。
今日まで行ったファミリアは全部門前払いされた。水をかけられたり、罵声を浴びせられたこともあった。
あ、でもソーマ・ファミリアだけは後日って言ってくれたっけ。エイナさんは苦い顔をしてたけれど。

僕は、きっと今日と言う日を忘れない。
訪問したファミリアに追い出され、途方にくれていた 僕を拾い、これから先を導いてくれる存在に出会えたこの日を。
「ん?兎みたいな少年…入団希望者の子か」
「君はファミリアを探しているのかい?」
この二人を、 僕と言う存在を変えてくれる。この二人との出会いを。



「さて、何か言いたいことはありますか?」
「いや、売り言葉に買い言葉と言いますか…」
ヘスティアと少年をホームへ連れ帰った矢先、リリからお説教を貰ったのは仕方ないことだった。 
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