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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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436部分:第六十一話 対話その一


第六十一話 対話その一

                       対話
「今下界はどうなっているか」
「はい」
「まずは海皇ポセイドンですが」
 豪奢な宮殿の中であった。そこで高貴な者達が話をしていた。玉座に座る一人の神々しい男を前にしてそのうえで話をしていた。
「間も無く目覚めようとしております」
「まずはあの者だな」
「そしてです」
「次に冥皇ハーデスですが」
 次に述べられるのは彼についてであった。
「間も無くかと」
「その封印が解かれるのは」
「間も無くか」
 玉座の男はそれを聞いて静かに述べたのだった。
「そういえばもうそれだけの時が経ったのか」
「二百年が過ぎました」
「実にです」
「二百年」
 男はその歳月を聞いて述べた。
「その時期か」
「はい、そうです」
「それにより御二方がです」
「面白いことになりそうだな」
 男の声がここで笑った。
「これはまたな」
「面白いですか」
「今は」
「そうだ。面白い」
 その声はさらに笑みを含ませてきていた。
「あの者達が蘇りだ」
「そして今は」
「アーレスが蘇ろうとしている」
 ここでアーレスの名前が出された。
「狂闘士達は既にこの世に出て来ている」
「そしてアテナ側はです」
「黄金聖闘士が全て揃っています」
 聖域のことも話されるのであった。
「十二人全てが」
「揃っています」
「そうだ。全て揃っている」
 男はこのこともわかっているようであった。返答が強い。
「それが今の聖域の力だな」
「白銀及び青銅の者達もその数は多いです」
「先の冥皇ハーデスとの聖戦の傷は癒えています」
「二百年以上の歳月をかけてだな」
 こう言う男であった。
「そうしてだな」
「あの時残ったのは僅か二人でした」
「それがです」
 男の前に控えるこれまた神々しい者達の言葉である。
「今やそれ程までにです」
「そのうえでアーレスと」
「アテナはまだか」
 男が今度問うた言葉はこれであった。
「アテナはまだなのか」
「はい、それも間も無くです」
「間も無く地上に転生してきます」
「そうだな。聖戦が起こるならばアテナは必ず降臨する」
 男はそれもわかっているようであった。そうした言葉であった。
「間違いなくだ」
「では我々もまた」
「アテナと」
「いや、待て」
 男は前に控える者達に対して言うのであった。そのうえで制止する。
「まずは彼等とアーレスの戦いがある」
「聖域とトラキアの」
「それですか」
「そうだ。アーレスは確実に冥府から出る」
 次にこうも言った。
「確実に地上に戻って来る」
「そうしてそのうえで」
「聖域に対して本格的な戦いを挑むのですね」
「今の聖域とトラキアの戦いは余興に過ぎぬ」
 まさに高みにいる、そうした言葉であった。
「所詮はな」
「ではその後で」
「アーレスとの戦いが終わっても」
「ポセイドンもいる」
 次にこの神の名をまた出してみせた。
「そしてハーデスもだ」
「その御二方との戦いとなると」
「例えアーレスとの戦いに勝利を収めようとも」
「聖域はもつまい」
 男の言葉はここでは極めて冷徹なものであった。
 
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