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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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431部分:第五十九話 盆地での戦いその六


第五十九話 盆地での戦いその六

「何っ、我等の拳が」
「すり抜けられる!?」
「どういうこと!?これは」
「貴様等の拳は見切った」
 四人の攻撃を全てかわしてみせてから答えるミロだった。
「ならばだ。こうして紙一重でかわせば済むことだ」
「くっ、それでだというのか」
「我等の攻撃を」
「こうしてかわしたのだ」
 そうだというのだった。
「それだけだ」
「やはり黄金聖闘士ということか」
「だからか」
 狂闘士達はここでまた言った。
「我等の拳は何の問題もないというのか」
「そういうことだな」
「その通りだ。拳はだ」
 あくまで拳に限定した言葉だった。
「どうということはない」
「そうか。ならばだ」
「話は違う」
 ミロの前に対峙した四人はミロのその言葉を受けてまた言ってみせた。
「技を見せてやろう」
「それもいいだろう」
 ミロは四人の言葉をまずは受けてみせた。
「しかしだ」
「まだ言うのか?」
「何だというのだ、一体」
「来たか」
 ミロは今は狂闘士達に対して言ってはいなかった。
「どうやらな」
「来ただと!?」
「何がだ!?」
「御前達の仲間がだ」
 それがだというのだった。
「今来たのだ」
「むっ!?」
「御前達は」
「生きていたな、フォルスよ」
 ここでフォルスに対して何者かが声をかけてきた。
「四人共健在で何よりだ」
「インプ達は残念だったがな」
「来たというのか」
 フォルスはその彼等の姿を確認してその眉をやや顰めさせた。
「御前達も」
「後で来るつもりだった」
「しかしな。嫌な予感がしてだ」
 だからだというのだった。
「早く来たが」
「正解だったな」
「力を借りずともいいのだがな」
 こう述べたのはアーキスだった。
「別にな」
「まあそう言うな」
「邪険にされる謂われはないわよ」
 彼等はアーキスの今の言葉に対して笑ってこう返してみせたのだった。
「別にな」
「そうではなくて?」
「確かに」 
 彼等の言葉に対して頷いたのはヴェーヌだった。
「その通りよ」
「それならばだ」
「我等がここにいてもいいな」
「俺はそれで構わないがな」
 ヴェガは彼等を見てもそれで何かを言うことはなかった。
「特にな」
「そうか、それは何よりだ」
「ヴェガはわかってくれているな」
 彼等はそれを確認して言葉を微笑まさせていた。そしてそれは彼等全てがだった。
「我等とて悪意で来ているのではないのだからな」
「それはわかるな、フォルスよ」
「確かにな」
 フォルスは渋々といった様子ではあったが彼等のその言葉に対して声で頷いてみせた。
「それはわかる」
「では異論はあるまい」
「人の好意は受けるものだ」
 彼等はそれぞれ言ってみせた。
「それではだ。あらためてだ」
「スコーピオン達と戦おう」
「俺もそれでいい」
 彼も遂に折れた形になった。そしてそのうえでミロに顔を向けて彼に対して問うのだった。
「スコーピオンよ、わかっていたのだな」
「小宇宙の動きを感じた」
 だからこそわかったと答えるミロだった。
「それでだ。そしてセブンセンシズでもだ」
「ふむ。やはり黄金聖闘士ということか」
 フォルスもまた彼のその言葉を聞いて述べた。
「我々の動きも把握できるということだな」
「九人か」
 ミロは再び彼等に告げた。
「いいだろう。まとめて相手をしよう」
「言ってくれるものだ」
「我等九人全員を前にしてそう言えるとはな」
 残る五人は山のところにいた。そこで先程までのフォルス達と同じ様にミロ達を見下ろしてそのうえで告げてきているのである。
「流石だと褒めておこう」
「とりあえずはな」
 彼等もまたミロの実力は賞賛してみせた。
「だが。我等の力を侮らないことだ」
「それを見せてやろう」
「いいだろう」
 ミロは今も彼等の言葉を悠然として受けていた。そのうえで言うのであった。
「それではだ。来るのだ」
「それならばだ」
「参ろう」
 九人全員揃ったうえでだった。仕切りなおしの形を経てミロと対峙するのだった。今まさにミロと狂闘士達の戦いがはじまろうとしていた。


第五十九話   完


                  2009・10・8
 
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