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エクリプス(機動戦士ガンダムSEED編 )

作者:cipher
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第09話 プラント潜入

3人のミスリル隊員はプラントに潜入をはたした。
シャトル、シルバーウインド、ヴェサリウスを経由して辿り着いた。

Side 相良(さがら) 宗介(そうすけ)軍曹

宗助
「藤林少尉これからどちらに。」

藤林響子少尉
「入国管理と国籍登録、軍登録も終わったは、そしら次はお金ね。」

クルツ・ウェーバー軍曹
「宗助、相変わらず常識知らないな。
それでは銀行に侵入ですね。」

彼らは姿を消し暗号通信をしているので周りからは見えない。
彼らが来ている特殊スーツは光輝特製である。
彼らは銀行のメイン・コンピュータ室に侵入している。
響子がハッキングをして偽造口座を作る。

クルツ
「さすが電子の魔女(エレクトロン・ソーサリス)、いつ見ても凄いですね。」

響子
「これくらいなら光輝特製のハッキングツールでも出来るわよ。
ダミー会社も作ったから合わせて30億ぐらいの資金を得た。」

クルツ
「姉御、流石に多すぎませんか?」

響子
「私たちは情報以外、盗みはしない。
対価は光輝が支払い済みよ。
軍の経理データも改ざん済んでいるわ。
銀行は損はしないわよ。
軍から複数のダミー会社を経由して、ロンダリングしてあるから堂々と使える。
あまり無駄遣いしないでね。
特にクルツ、ナンパに使ったら艦長に怒られわよ。私費の分は経費で落ちないけどね。
この銀行の顧客データも転送終わったから、それぞれ分かれて行動しましょう。」

クルツ
「でも一度に金を移動したら、ばれませんか?」

響子
「その為の論文よ。軍の情報部はそのせいで大混乱よ。
そので情報部が至る所にお金をばらまいているわ。
まさか情報部の資金がこちらに移動しているとは気づかないでしょう。」

宗助
「あの意味不明な論文は、それほど価値があるのですか?」

響子
「もしまともに研究したら、10兆でも足らないわ。
取得した情報量も含めて安いぐらいよ。きっちり元は取るけどね。」

Sideout


Side クルツ

プラント商業区の街頭モニターの前。

キャスター
「無事に帰還されたラクス・クライン嬢にインタビュー出来ましたので、その映像を放送します。」

ラクス
「皆様には心配をおかけして申し訳ありませんでした。
ニュースで伝えられている様に、シルバーウインドは機関部が故障して動けないところを、
ミスリルの方々に助けられ、無事にプラントに戻る事が出来ました。
ミスリルの方々には歓迎して頂き感謝しております。
また追悼セレモニーを開いて頂きました。
コウキさんは仰っておりました。
追悼や哀悼は式ではなく気持ちが大事ですと。
時間や場所に拘らず一人一人が胸で祈れば亡くなった方々へ必ず届くのだと。
それと自分が生きている事を感謝していれば、亡くなった方は浮かばれると信じて生きろと。
仰っておりました。
私はプラントの多くの方々へ感謝しています。
亡くなった多くの同胞の方々へ…。」

キャスター
「以上がインタビューでした。
それとシルバーウインドで記録された映像を入手出来ました。
今晩、8時から3時間の追悼特番を放送します。
ラクス嬢の新曲『愛・おぼえていますか』もノーカットで放送します。
それでは追悼特番の案内放送をお送りします。どうぞ…」

市民A
「きゃ!すてきね。ラクス様。
あのナイトの方は誰なんでしょう?」

市民B
「ラクス様の新曲、聞き逃せないぞ!オレ録画しよう。」

市民C
「銀河の妖精 シェリル・ノームって誰だ!」

市民D
「希望の歌姫 ランカ・リーって可愛いわぁ。」

市民E
「何いってんだ。ラクス様の新アレンジ方が素敵だぞ!」

街頭モニターの前で市民達が騒いでいた。
追悼セレモニーでラクスが『愛・おぼえていますか』を歌いだすと、
喧騒が消え皆静かに聴いていた。
中には涙を流す者までいる。

クルツ
(情報操作も完璧だな。軍もミスリルの事を隠していられないだろう。
あの映像を放送局に送ったの絶対姉御だなぁ。
俺も次の不動産屋にいかないと。
次は3個目のセーフハウスか、次のアバターはこれか?
このホロ(ホログラフィー)機能、変装するより簡単だ)

Sideout

光輝は軍がミスリルの公表しないと見て、
プラントの穏健派や国民を味方につける為に、
追悼セレモニーを用意した。
コーディネイターに恩情を見せる事によって、
ザラ国防委員長にミスリルは敵だと公表させない為である。



Side 相良宗介(さがらそうすけ)

宗助
「ウルズ2応答せよ、こちらウルズ7。」

マオ
『ウルズ7。早かったわね。
指定のポイントで待ってて、5分で行くわ。』

宗助がラクス・クライン嬢の住む屋敷の近くの公園で待っていると。

マオ
「宗助、作戦通りいってる。」

宗助
「マオ曹長、予定通りです。
これはマオ曹長の分です。一式入っています。」

マオ
「宗助、メリッサ・マオよ。
除隊した事になっているから、今からは階級で呼ばないで。
それに階級を使うと潜入している意味ないわよ。
それと汎用アイテムボックスって便利よね。
魔法力がない私達にも使えるからね。
ところで、クルツ達は?」

宗助
「はい、了解…いえ分かりました。
クルツは拠点とセーフハウスの準備で不動産屋を回っています。
藤林さんは情報収集と情報操作の為、各所を回っています。」

マオ
「早速、ニュースで流れていたわよ。
今晩、特番でミスリル事が流れるわよ。
プラントの民間人にミスリルの知れ渡るわ。
政府も隠し通せないわよね、ラクス嬢が大々的にミスリルの事を喋ったからね。」

宗助
「はい、コウキ殿のシナリオ(作戦)は完璧です。
準備が出来次第、次のシナリオへ移行せよと連絡を貰っています。」

マオ
「分かったわ。
でも宗助、あなたのアバター似合わないわね。うぷっ。
でも仕方ないわよね。日本人の特徴を持った、コーディネイターいないから。」

Sideout



Side ラクス・クライン

マオはラクスの部屋をノックする。

マオ
「マオです。今、宜しいでしょうか。」

ラクス
「どうぞ入って。」

マオ
「ラクス様、失礼します。」

ラクス
「それで、退役は出来たの。」

マオ
「はい、ラクス様が書いて下さった。
手紙のおかげで、すんなりと退役できました。
晴れてラクス様の元で護衛に就くことができます。
ミスリルの方からラクス様へ、送り物をお預かりしました。」

ラクス
「まあ、何かしら。」

マオ
「コウキ殿からのからの手紙です。」

ラクス
「まぁ、コウキ様から?」

ラクスは手紙を受け取ると読み始めた。

ラクス
「分かったわ。あれ!?でも、返事をお返しするのにはどうしたらいいでしょうか?」

マオ
「はい、ご理解して頂ければお渡しするように品物を預かっています。」

マオは鞄から学習システムと一つの肩掛けのお洒落なバックを取り出した。

ラクス
「えっ!?どこから取り出したの?」

マオ
「この鞄はアイテムボックスと言って沢山の物が入れられ様になっています。
お渡ししたバッグもアイテムボックスです。
使い方はこちらのヘルメットが学習システムとなっていますから、使用法を説明します。」

マオは学習システムの使い方を説明した。
ラクスは学習システムの使い方を理解した。

スカイ
「ハロ。ハロ。僕の機能もそれに入ってる。」

ラクス
「まぁ。そうなの。」

ラクスは再度、学習システムでスカイの機能を理解した。

ラクス
「スカイ、コウキ様と連絡を取って。」

スカイの目の部分に内蔵した立体映像装置から光輝の姿が映し出された。

光輝
「君なら了承してくれると信じていたよ。
君には是非、歌姫として頑張って貰いたい。
言葉は気持ちを伝える事が出来る、でも歌はいつまでも心に残るんだ。
君には平和の為に歌を歌ってもらいたい。
今、世界は憎しみの連鎖で満ちている。
この戦いはどちらかが相手を支配するまで終わらない。
ミスリルはそんなコーディネイターとナチュラルの壁を壊す為に戦う。
君は歌でみんなを平和に導いて欲しい。」

ラクス
「私に出来るでしょうか?」

光輝
「君なら出来るよ。
それに私達がついている。
安心して欲しい。その為にプラントにイベント会社を準備している。
君のバッグの中に君の父上に宛てた手紙が入っている。
是非、渡して欲しい。」

ラクス
「私も平和の歌を歌います。」

Sideout



Side シーゲル・クライン

ラクス
「お父様、今お時間は大丈夫ですか?」

クライン
「ラクス、どうしたんだい改まって。」

ラクス
「前に話した、コウキ様からの手紙を預かっています。」

クラインは手紙を受け取ると、手紙を読みだした。

クライン
「これは本当かい。」

ラクス
「本人に確認されたが良いと思います。
スカイ、コウキ様につないで。」

スカイ
「ハロ。ハロ。了解。」

光輝の立体映像が浮かび上がる。

光輝
「初めまして、クライン議長。
コウキ・イチジョウです。
これは立体映像で、本体ではありません。
手紙に書いたように軍は敢えて、ストライクのパイロットがコーディネイターである事を伏せています。
ザラ国防委員長は血のバレンタインに悲劇によって夫人を亡くされております。
憎しみで戦火を広げています。
当然ミスリルの事も伝えていません。
私がラウ・ル・クルーゼに渡した論文も隠しています。
このままでは憎しみの連鎖は終わらないでしょう。
地球軍の上層部は癒着によってブルーコスモスに支配されています。
ザラ派は勢い増しています。
このまま行けば次の議長にはパトリック・ザラが選ばれるでしょう。
トップが軍を掌握したら、ひどい結末になります。
それは歴史が証明しています。
政府と軍が癒着した地球軍と憎しみに駆られたザフト軍。
その時犠牲になるのは、多くの将兵や民間人です。
穏健派を今まとめられるのは、クライン議長です。
裏で動く必要はありません。
裏の仕事はミスリルが支援します。」

クライン
「娘を助けてくれた君の言葉を信じよう。」

光輝
「ラクス嬢に学習システムを渡しております。
それで世界の情勢と私がいった言葉の裏付けが取れると思います。
それでミスリルともいつでも連絡が取れます。
ラクス嬢のスカイで私に直接連絡が取れます。
私はこれで失礼します。人類の平和の為に。」

光輝はそう言い残すと消えた。

クライン
「ラクス、学習システムって何だい。」

ラクス
「それはこれよ。」

クライン
「そのヘルメットを何処から出した。」

ラクス
「えへっ、驚いたでしょう。
私も初めて見た時は驚いたもの。
説明するより使った方が早いわ。」

ラクスは学習システムの使い方を説明した。
クラインはラクスの説明通り操作して、学習システムを理解した。

クライン
「これは便利だな。」

ラクス
「そうでしょう。これだけでもミスリルの技術が進んでいるのが、分かるでしょう。
でもミスリルでない私たちは、学習と社会貢献しないと情報の機密レベルが上がらないの。
コウキ様は安易に技術は教えてくれないの。
技術は生活を便利にするけど、同時に兵器にも応用される。
そうなればその兵器によって、多くの人が犠牲になるの。
人類は戦略兵器を持つべきでないと仰っていたは、それで犠牲なるのは多くの民間人であると。」

クライン
「納得できる話だな。」

ラクス
「コウキ様は地球軍とザフト軍にも与しないそうよ。
今どちらかに与して戦争を早く終わらせる事は出来る。
それでは禍根が残って真の平和は来ない。
自分達で掴んでこそ平和が訪れる。
ミスリルは民間人の犠牲を減らす為に戦う。
そう仰っていたわ。」

Sideout


その日の夜の特番は、過去最高の視聴率だった。

 
 

 
後書き
少し短いですがこれ以上書くとネタバレになりそうなので…。
次話で本編に戻ります。 
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