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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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407部分:第五十六話 ミロ出陣その四


第五十六話 ミロ出陣その四

「それはな」
「そうか」
「ベリアル。策もあるが実力もかなりのものだ」
 カミュもまたここで言った。
「その力。尋常なものではない」
「黒い炎でしたね」
 ムウは先程彼がシオンに対して報告したことを述べていた。
「それですね」
「私の氷に対抗できるのだからな」
「貴方もまた手強い相手と対峙された」
「次には倒しておく」
 クールに述べたカミュだった。
「次に会ったその時にだ」
「そうして下されば何よりです。そしてミロ」
「ああ」
 ミロはムウの言葉に対して応えた。その顔を彼に向けもした。
「わかっている。今度のアンデスの戦いではだ」
「無理はされないで下さい」
 シオンと同じ言葉を彼に告げたのであった。
「決して」
「俺としては来た八大公を倒したいのだがな」
「それは最高の形ですがそれでも無理はされないで下さい」
 こう述べるムウであった。やはりその言葉はシオンと同じものである。
「決して」
「ここで倒せなくともか」
「生きていれば次があります」
 だからだというのである。言葉は決して焦ったものではなかった。むしろムウの方が落ち着いている程であった。その落ち着きでの言葉だった。
「必ず次が」
「その時に倒せればか」
「はい。それに今の戦いでは」
 ムウは彼自身のセブンセンシズからあるものを感じ取った。そうしてそのうえで言うのであった。
「私達は決定的な勝利を得られないようですし」
「決定的な、か」
「決戦の時が来ます」
 また言うムウであった。
「その時にが来ればです」
「わかった。その時だな」
 そのムウの言葉に頷くミロだった。
「行って来る。その時の為にな」
「はい。これで残るは」
 ムウはここでさらに言葉を続けるのであった。
「アイオリアと私ですね」
「俺か」
「貴方にも出陣の時が来ます」
 彼は言うのだった。
「その時に備えておいて下さい」
「俺も行く時が来るのか」
「そうです」
 だからだというのだった。
「私もまた同じです」
「それでは俺はその時にだ」
 アイオリアの拳が光った。無意識のうちに。
「狂闘士達を倒す」
「まああまり無茶をして怪我をしないようにな」
 デスマスクが意気込む彼に茶々を入れてきた。
「こけて怪我をするとかな」
「おい、俺がそんな風に見えるのか」
「少なくとも冷静さには欠けるな」
 シュラは実に冷たく言い切ってみせた。
「周りが見えていないことが多い」
「貴方はそれを克服すればいいのですが」
 アフロディーテも言う。三人の同時攻撃であった。
「まず無理でしょう」
「何故俺はここまで言われるんだ」
 言われるアイオリアとしてはたまったものではなかった。そんな話をしているうちにミロのその宮殿にまで来たのであった。
「では行って来る」
「行くのです、ミロ」
 シャカが彼に言ってきた。
「そして見るべきものを見てくるのです」
「見るべきものか」
「はい」
 それだというのである。
「それを見て来るのです。いいですね」
「わかった」
 シャカの言葉に頷いた。今度は彼に対してであった。
 
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